2カ月に1度くらい、元社員で今は自動車板金工場を営んでいるK君から
販売車両の名義変更のアルバイトを頼まれ
“普通の車”は国の直接の出先機関の長野運輸支局(以下、支局)
軽自動車は特別民間法人の「軽自動車検査協会」(以下、協会)に出向きます。
長野運輸支局
その車検ライン
大概は同じ敷地内またはここ長野のように隣接していて
便利と言えばそうも言えますが、別れていて不便と言えばそれも確かです。
ちなみに、この支局の敷地内には
「日本自動車整備振興会連合会」だの「長野県自動車標板協会」だのと
同じような“法人”が複数存在して国土交通省の天下りを支えているものと思われます。
ただし、この「北陸信越運輸局長野運輸支局」も単に「運輸支局」とか「陸運局」と呼ばれているように
これら数多くの漢字で構成された法人は通常、「整備振興会」「標板協会」と呼ばれているため
正式名称が今一つ、はっきりしないことを念のため申し添えます。
長野軽自動車検査協会
その車検ライン
ところで、今や新車販売台数の35%を占める軽自動車と
いわゆる普通の車との違いをここで改めて述べるつもりはありませんが
本質的な違いがこの名義変更に表れます。
つまり普通の車を「登録車」と呼ぶ一方、軽を「届出車」と呼ぶのは
軽は「この軽自動車は私が使います」と届け出れば済んでしまうからです。
協会の女性曰く「普通の車は土地と同じ、軽は電気製品と同じ」
一言で言うと “軽自動車は財産ではない”のです。
「登録車」はこのように財産扱いされますので
不動産には所有権を明確にするための「登記」があるように
自動車も「登録」する義務があるという理由で印鑑証明と実印が必要になり
他方、軽は届出なので住民票と認印でOK、手続きも極めて簡単です。
また、財産ではありませんのでナンバーも封印する必要なしとなっています。
考えて見るとヘンですよね
今時の大衆車などは軽と同じ程度の価格で新車が購入でき
なおかつ、中古になると大概、軽を大幅に下回る価値になってしまうのに…。
少なくても20年近い車屋の経験において
各種手続きが簡単な軽であっても特別な不都合が発生した話は聞いたことがないですし
安い登録車も財産と考える押し付けなど余計なお世話なのですから
消費者の金銭的、物理的負担を減らす意味でも
また時代背景からしても、この登録制度という仕組みは
軽と同じ届出制度に変えて欲しいものだともう何年も前から思い続けています。