知人のO君から親戚の80歳の
お爺さんが持っている屋根付き車庫に入ったままでほとんど乗られていない
H15年の三菱ミニカを売って欲しいと依頼がありました。
車検が来年5月まで残っていて走行距離はなんと2万㌔前後とのこと。
“2WD、5速マニュアル”は
この近辺ではとても売り難い仕様と言わざるを得ませんが
とりあえず見せてもらうことにしてクルマが置いてあるというK君の所へ行き
まず一周して外観をチェックするとそれなりの凹みやキズが…。
・左リアドアとフェンダーアーチに凹み&擦りキズ
・フロントバンパーに変形を伴うキズ
メタリック塗装がほとんど焼けていなく、せっかく艶を保った綺麗なままなのに
事前に聞いて想像していたより凹みやキズが大きく
外観は決して「年式相応」などの曖昧な表現で済むものではありません。
その他、あちこちにあるヘタなタッチアップ塗装は
シンナーでふき取って元の小さな傷に戻したら逆にずっと目立たなくなりました。
メタリックのタッチアップは素人さんは筆や刷毛を左右上下に動かして
ヘンに大きく“塗る”ため、キラキラ成分により必要以上に白っぽく見えてしまうのです。
タッチアップの仕方は塗料が剥がれた個所に“塗料を置く”感じにすることで
最初はプクッと膨らんでいても乾くと沈み込むので
これを複数回繰り返すことがコツで決して塗ってはイケマセン。
外観はかようにちょっとばかり残念ではあるのですが
距離計を覗くと2万㌔どころかなんと10800㌔!
当然、内装はまさに“距離相応”、普通は1年で平均1,2万㌔走りますから
いわば新車で乗り出してまだ1年も経っていない頃の状態と言ってよい綺麗さです。
それも小さな子供のいるお宅ならすぐにゴミ箱のようになるのも仕方がないのですが
前ユーザーは後期高齢者でしたから、昔クルマが財産だった頃に流行った
シートには純正のフルカバー、純正マットの上にさらに社外物がもう1セット置かれていて
それらを取り除くとそれはもう1週間前に納車になった新車みたい
と言っても過言ではない状態です。
付近を一回り試乗しても全体がイイ感じでもちろん不安に感じる部分は皆無です。
また、これはとても重要なことですが、車検証入れの中には
メンテナンスノートと車検毎のディーラー工場の分解整備記録簿が
全て保管されています。
ワンオーナー車は過去に業者オークションを経由していませんので
いわゆる「走行距離管理システム」ではデータがなく
実走行はこうした“過去の記録”の繋がりから証明することになるのです。
そしていわゆる査定は減価償却をベースに算出されるため
軽自動車の場合は4年で0円になってしまいますが、別の評価方法として
オークションや買取り店の普及と共に流通相場とか買取り相場と呼ばれる数字があり
こちらの方が現実を反映しているものとしてよく利用されていて
ここでは年式と走行距離はとても大切なファクターになっています。
他の1台と合わせて2台を下取りに出し新車に乗り換える今回の話でも
このミニカには10万円は行かないまでも下取り価格が呈示されていて
軽自動車の流通価格の高さには昔の現役時代の頃からから驚かされています。
他人事として見たら充分だと思えるこの価格も
乗っていたご本人にとっては“人生最後のクルマ”としての想いに比べて
安過ぎるということのようですが、それならそれで
もう少し凹ませないで運転して欲しかったものと思えてしまいます。
こうした主観はともかく、客観的にはすでに10年超の年式の上
外装や凹みやキズがあることは大きなマイナス、他方
平均2千㌔毎にディーラー工場がしっかり車検整備していたので
機関的には何の不安要素も見当たらないことは大きなプラスとなり
補償なしが前提の個人売買ではこれはこれで非常に大きなメリットになるはずです。
最終的にこれらがどう価格に反映されるかは数日かけて
ヤフオクの結果ではっきりする話ですが、全くの素人さんと違い
元プロとしての相場感も考慮しての価格設定をしなければなりません。
出品でき次第こちらにもご案内いたしますので、ぜひ一度ご覧になってください。