HIV感染3940万人 国連が04年版報告書 (共同通信) - goo ニュース
病は気からという言葉がありますが、実相としては、病は貧困からということでしょうね。それにしても、死に至る病に罹患するかも知れないと分かっていても性を商品化せざるを得ない社会の貧困度には空恐ろしいものを感じます。
話が少しずれますが、暴利行為に関する「民法総則」(川島武宜)を見ていて、おやっと思ったのは、生活緊急事態にあるために、過酷な内容の消費貸借契約を締結せざるを得なかった人に対して「契約自由の範囲に属し」としている判例(大判昭和6年2月13日民集10巻69頁)があったということでした。(247頁注58)この理屈で行くと、それほど危険と分かっていながら性行為を行って罹患した以上は、自業自得だと、大審院だったら判断するだろうな、と思いました。この判決について言えば、こう判断しないと生活困窮者は借金できなくなるという考えが背景にあると思います。しかし、それでは暴利貸しを増長させるだけになるのではないでしょうか。本来的には、不労所得を放任していることが問題であったはずです。表記のニュースに関しても、日本だったら、売春防止法違反で女性を摘発することはあっても、彼女をエイズに罹患させた男は野放しになるのでしょうね。
弱者は常に弱り目に祟り目に遭いそうですね。
エイズのような恐ろしい伝染病に関しては、国際的な取り組みが不可欠ですね。
それにしても、国内に限ってみても、性病予防法では、伝染の恐れのある性病に罹患している者が性交などをした時は1年以下の懲役などの罰則が適用になるはずなのですが、後天性免疫不全症候群の予防に関する法律は、エイズ患者が誰だか分からなくすることに汲々としていて、感染者の遵守事項に対する罰則も欠いているのは、余りに不公平ではないか、という気がします。エイズは金持ちもかかるから、出来るだけブラックボックスに仕舞っておこうというのでしょうか。(平成5年版の六法全書に基づいているので、今は違っているかも知れませんが。)今現在、痛くも痒くもないエイズ患者は月に十何万か貰っているでしょう。それに比べて、原爆症とか各種公害病に長年苦しんでいる人達は、そもそもの認定という狭き門をくぐるのに四苦八苦しているのです。