湯河原の駅前通りを西に向かい、新幹線の高架をくぐると右手に見えてくる五所神社。
玉垣と巨木に囲われたシンプルな佇まいに目を惹かれて参拝する方も多いはず。
私は長いこと目を惹かれながらも今回初参拝。
創建は約1300年前、天智天皇の御世。
加賀の国の二見加賀之介重行らが白山信仰普及のためこの地を訪れ温泉を発見して定住。
総鎮守として五柱を祀ったのがはじまり。
こんな古い時代のこのような伝説に出てくる方なのに、二見重行さんとは極めて普通のお名前。親しみを感じてしまいます。
二見さんの子孫はその後繁栄し、現在でも湯河原には二見姓が多く見られます。
すごいなぁ二見さん。
五所とは五人の神様、五柱のことで
新編相模国風土記稿によると
天忍穂耳尊・天穂日尊・天津彦根尊
活津彦根尊・熊野豫日尊
これは天照大神と須佐之男の誓約により生まれた五柱の男神。
今の由緒書きの祭神とは全然違います。
おそらく明治以降の諸事情や合祀によりガラッと変わったのでしょうね。
社殿
思ったより参拝客が多くて人が切れない日曜日でした。
神奈川県の重要文化財になってる本殿。なんと室町時代の建造物。
写真は撮れなかったので公式から。
湯河原町公式によると文化財指定の建物はこの本殿だけで、
正面の拝殿は昭和57年の再建、元々は接続してなくて本殿が独立していたようです。
素敵な五重の塔
御神木の楠
樹齢推定850年 樹高36m
かながわの名木100選に指定されてます。
直接触れるのOKなのでいっぱい触らせていただきました。
こちらは駐車場入り口に立つ樹齢850年の銀杏。
これじゃぜんぜんわからないので公式の写真を。
残念ながら平成23年の台風の被害により主幹上部が切られたため、昔より低くなってしまいました。
低くなったとはいえ今でもけっこう危険な様子。
鳥居前の道路を隔てた向かいに立つ明神の楠。
樹齢850年。湯河原町の指定文化財。
かつては千歳川から楠の巨木が多く茂る参道が続いていましたが、
区画整備や新幹線開通により参道の面影を残すものはこの明神の楠のみとなりました。
参道好き(?)の私としては、千歳川までの道のりを是非知りたいところですが。
五所神社の見どころである巨木たち。
確かにどれも樹齢800年越えと素晴らしいのですが、わずかに残されたのは数本で
その数本もあまり良い環境にあるとは言えないので今後が心配になってしまいます。
ランチは「すみのや」で。
湯河原に来るとよく寄るお気に入りの蕎麦屋です。