フラフラと目的もなく街歩きをするのが好きだ。
このクソ暑い中、緑の少ない大阪のアスファルト道を歩くのは
命がけ、なかなか勇気のいることだ。
緑を求めて歩くと、たいていは神社で
市内のお寺は日陰となる緑がほとんどない。
ふらりとやってきたのは「高津神社」。
今、落語がはやっており、落語家は800人を超えているらしい。
上方発祥の落語に高津神社を舞台にした「高津の富」がある。
私は30年ほど前、米朝さんの落語カセットで初めて聞いた。
噺の展開、ナンセンスさで演者は多く、
東京でも「宿屋の富」として演じられている。
現在、高津神社には「高津の富」の絵馬が奉納され、
境内には高津の富亭が建つ。
米朝さんは噺に入る前の前フリがうまく、
噺に関連づいた前フリなので噺に入る頃には
グイグイ引き込まれている。
東京では全盛期の春風亭小朝さんの前フリは絶品だと思う。
現在、落語界は東高西低の感がある。
立川流の志の輔さん、談春さん。春風亭昇太さんも
関西人の私が聞いても面白い。CDで聞いて絵が浮かぶ。
さて「高津の富」のあらすじ・・・
宿屋にやってきた男。入ってくるなり
「千両箱の使い道に困って漬物石に使っている」
などとホラを吹きまくる。
そこで、宿屋の親父は「富くじ」=現在の宝くじの
売れ残った一枚を勧める。
価格は一分で、当たりの二等が五百両。一等なら千両だ。
「金が邪魔でしょうがない」吹く男に親父は懇願して、
何とか買ってもらう。
その上、『当たったら半分もらう』という約束まで取り付ける。
男は心の中で「なけなしの一分を取られた」とブツブツ。
はてさて無一文の男、翌日行く当てもないが、
「二万両ほどの取引に出る」と言って宿屋を出る。
時間つぶしにやってきたのは高津神社。
たった今、富の抽選が終わったばかり。
「俺のは…子の千三百六十五番か。三番富はハズレ。
二番富もハズレ。一番は『子の千三百六十五』」
アタリ?何度確かめても当たり。あまりのことに腰を抜かす男。
ようやく宿にたどり着いても震えが止まらない。
二階で蒲団をかぶって再び震えだす。
入れ違えに宿屋の親父が帰ってきて、
やはり『子の千三百六十五』を見てビックリ!
親父、二階へすっとんで行き「当たりました!!」
「うるさい奴だなぁ、千両ばかりで騒ぐな。
客の座敷に、下駄のままで上がるとは、だから貧乏人は嫌いだ。」
と威勢だけはいい。
布団から出ない男の蒲団を親父は勢いよくめくると、
客は草履をはいたままだった。
同じ、高津神社を舞台にした名作に
「瀬をはやみ岩にせかるる滝川の・・・」
百人一首をもじった恋愛もの「崇徳院」がある。
これもまた名作である。米朝さんも演じている。
高津神社を出るとまたアスファルトの熱気。
今年はいつにもまして暑い夏になりそうだ。
お盆休みに突入する。
みなさん、良い休日を!
このクソ暑い中、緑の少ない大阪のアスファルト道を歩くのは
命がけ、なかなか勇気のいることだ。
緑を求めて歩くと、たいていは神社で
市内のお寺は日陰となる緑がほとんどない。
ふらりとやってきたのは「高津神社」。
今、落語がはやっており、落語家は800人を超えているらしい。
上方発祥の落語に高津神社を舞台にした「高津の富」がある。
私は30年ほど前、米朝さんの落語カセットで初めて聞いた。
噺の展開、ナンセンスさで演者は多く、
東京でも「宿屋の富」として演じられている。
現在、高津神社には「高津の富」の絵馬が奉納され、
境内には高津の富亭が建つ。
米朝さんは噺に入る前の前フリがうまく、
噺に関連づいた前フリなので噺に入る頃には
グイグイ引き込まれている。
東京では全盛期の春風亭小朝さんの前フリは絶品だと思う。
現在、落語界は東高西低の感がある。
立川流の志の輔さん、談春さん。春風亭昇太さんも
関西人の私が聞いても面白い。CDで聞いて絵が浮かぶ。
さて「高津の富」のあらすじ・・・
宿屋にやってきた男。入ってくるなり
「千両箱の使い道に困って漬物石に使っている」
などとホラを吹きまくる。
そこで、宿屋の親父は「富くじ」=現在の宝くじの
売れ残った一枚を勧める。
価格は一分で、当たりの二等が五百両。一等なら千両だ。
「金が邪魔でしょうがない」吹く男に親父は懇願して、
何とか買ってもらう。
その上、『当たったら半分もらう』という約束まで取り付ける。
男は心の中で「なけなしの一分を取られた」とブツブツ。
はてさて無一文の男、翌日行く当てもないが、
「二万両ほどの取引に出る」と言って宿屋を出る。
時間つぶしにやってきたのは高津神社。
たった今、富の抽選が終わったばかり。
「俺のは…子の千三百六十五番か。三番富はハズレ。
二番富もハズレ。一番は『子の千三百六十五』」
アタリ?何度確かめても当たり。あまりのことに腰を抜かす男。
ようやく宿にたどり着いても震えが止まらない。
二階で蒲団をかぶって再び震えだす。
入れ違えに宿屋の親父が帰ってきて、
やはり『子の千三百六十五』を見てビックリ!
親父、二階へすっとんで行き「当たりました!!」
「うるさい奴だなぁ、千両ばかりで騒ぐな。
客の座敷に、下駄のままで上がるとは、だから貧乏人は嫌いだ。」
と威勢だけはいい。
布団から出ない男の蒲団を親父は勢いよくめくると、
客は草履をはいたままだった。
同じ、高津神社を舞台にした名作に
「瀬をはやみ岩にせかるる滝川の・・・」
百人一首をもじった恋愛もの「崇徳院」がある。
これもまた名作である。米朝さんも演じている。
高津神社を出るとまたアスファルトの熱気。
今年はいつにもまして暑い夏になりそうだ。
お盆休みに突入する。
みなさん、良い休日を!
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