株式会社プランシードのブログ

株式会社プランシードの社長と社員によるブログです。
会社のこと、仕事のこと、プライベートのこと、あれこれ書いています。

その47.マイナス×マイナス=プラス

2012-09-05 14:41:08 | 制作会社社長の憂い漫遊記
私は高校3年の時、大学入試の選択科目は文系にも関わらず、
数学と物理を取っていた。
社会や国語を取らない私に、クラスメートは
「理系クラスにいけば」とつれなかった。
7クラスある文系クラスは、国公立大進学の1クラスと、
私立大進学の6クラスからなっていて、私は国公立クラスに在籍していた。
稀であったが「国公立・文系入試には数学の方が有利」と考えて
数学を選択した者もいたが、
私のように数学に加えて物理まで選択する変人はいなかった。
私は昔から国語より算数のスッキリ感が好きだった。
しかし、いまだにスッキリしない基本的数式がある。それは…
1×1=1(1が1個だから1)
1×0=0(1が0個だから0)
までは理解できるが、逆に
0×1=0
となると、0が1個あるなら1じゃないの?と思ってしまう。
しかし、0は記号ではない。
0は何もない状態なので、いくら掛けても何もない。
だから0×1=0なのだ。
と、頭ではわかっていても、心情的にはなんだかスッキリしない。

では、これはどうだろうか?
-1×1=-1
マイナスが出てくると「-1が1個で…」という論旨に行き詰まってしまう。
さらに
-1×-1=1
なぜ1なのか?-1が-1個あると1になるという世界観が頭の中で錯綜する。
マイナス×マイナスがプラスになる?
プロ野球で戦力外の選手が何人いても、
プラスになってメジャー優勝なんてことはない。
ヘタをすれば淀川の河川敷で、日曜しか試合をしない
ビールのためだけの草野球チームにすら負けてしまう。
数学の場合のみ、マイナス×マイナスはプラスになると、
理屈抜きで強制的に覚えて、私は数学を選択科目にしていたが、
今でもなんだかスッキリしない。


(25年ほど前、若手業界人が集まってディズニーランド旅行に
 当時まだ私は独身であった)

大好きな仕事なんだけど、どうにもこうにもテンションが下がり、
カラダがついてこない時がある。
仕事の失敗で落ち込んでいるわけでもなく、病気というわけでもない。
いわゆる思考停止状態で、やる気が起こらない。
この仕事が好きでこの世界に入り、今では天職だとまで思っている。
周りからみたらニコニコしながら仕事をテキパキとする
ケッタイなワーカーホリックだが、
それでも急に仕事がしたくなくなる時がある。
生活の糧なので仕事を大切に思い、お客さまには
最低でも支払ってくれたお金に見合うだけの仕事はしようとは考えているが、
どうにもこうにもやる気が起こらず、カラダがついてこない時がある。
俗に言う「スランプ」ってやつ?

スランプといっても、野球選手のスランプと
我々のような作り手のスランプとはそもそも違う。
野球選手は体力がベースにあるので、衰えがスランプとなって現れたりする。
確かに私たちの世界でも、体力が落ちてくると
もう1カット撮りたいところを「まっいいか」でやめてしまったりする。
とはいえ同じスタッフでも体力勝負のカメラマンと違い、
監督はいうほど体力から起因するスランプはない。
むしろ経験からくるスランプが中心だ。
私の先輩の中には40歳になって
ようやく監督やカメラマンになった方もおり、
経験年数10年位では、まだまだ駆け出しで
「まだこの世界で30年しか経ってません」という言葉が
違和感なく語られる世界だ。体力よりも経験や知力優先なので、
歳をとるほど味がでるということもままある。
野球選手のスランプは体力に起因するが、
我々のスランプは気力、胆力に起因する。


ではこのスランプをどう脱出すればよいのか?
私は会社経営という高額レイトのギャンブルを日々しているので、
競馬や競輪、麻雀やポーカーゲームといったギャンブルに萌えることはない。
タバコやコーヒーなど嗜好品もやらない。
酒は大好きだが、一人でチビチビやるのは好きではない。
ファッションには疎く、暑さ寒さがしのげればよい。
車はオンボロでも走ればよいタチだ。物欲もあまり強くない。
趣味も威張れるほど、のめり込むものはない。
まぁオヤジを連れて、たまに釣りには行くが、
一人で竿を垂れるほど粋人ではない。
つまり今の仕事が天職と思っているくらい入れ込んでいるから、
他のことにあまり興味がわかないのだろう。
そうなると落ち込みから立ち直るのは一苦労である。


(1991.1.10 KACスタジオBスタ、
 人形劇で行ったPRビデオの収録でスタッフと共に)

様々な業界のトップセールスを取材したが、
「淀川の河川敷に営業車を止めてよく昼寝した」とか
「服部緑地の釣り堀で釣りをしながら時間を潰した」という話をよく聞く。
そうして無駄に時間を使い、心と頭を休めたのだろう。
過去を振り返ると、たいてい知らない間に立ち直っているのだが、
落ち込み始めると始末が悪い。
基本的には登校拒否になる。登校拒否したところで行く当てもないので
家でゴロゴロして、やがて夜になり朝になり、また夜になり朝になる。
さすがに腹が減り、さりとて作る気にもならず、
近所の寿司屋か居酒屋に行って一杯やり、1時間ほどで帰宅し、
またゴロゴロして、朝になり夜になり、また朝がくる。
何もしないでムダに時間を過ごして、
仕事がしたいと思うようになるまで、自分自身を放置してきた。
過去のいいことを思い出してはいけない。すべてを忘れることが大切だ。
人間は息をするが、息苦しいからと無理に息を吸い込むと
逆に過呼吸になり余計に苦しくなる。
それよりも、吐くだけ吐く。吐けるだけ履ききる。
すると自然に必要な量だけ口から入ってくる。
太極拳の呼吸法だ。
スランプも同様でジタバタしないほうがよい。
脱け出そうと、焦れば焦るほど、逆にスランプは長びいてしまう。
気持ちが落ち着いたら、自然に脱出できるのだ。
やっぱり…
マイナスかけるマイナスはプラスなのかもしれない。





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