株式会社プランシードのブログ

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その371.ロケ2日目

2018-06-01 06:36:22 | 制作会社社長の憂い漫遊記
5月29日。ロケ2日目。
4時に目覚めてカーテンを開けるとすでに空は明るい。
曇天。
しかし昨日より良さげに見える。
テレビをつけると、今日は持つが明日は雨だと天気予報。
まさに権藤、権藤、雨、権藤的に進んでいる。

昨日は事務所での撮影。移動はない。
雨でも大半は撮れる。
もし雨でこぼしても、気持ち的には翌日もある。
しかしロケ最終日となる今日は
撮りこぼすと明日はない。
移動2回を含みオープンばかり。
曇天でも降らなければラッキーだ。

前日は基本編の大半をしめる事務所での
会議シーンを撮った。
役者の動きも少ないので、
移動車を使ったドリーが多用された。
昨夜の夕食会で私は役者陣と行田監督に
「明日はオープンロケだから
役者をもっと動かしてほしい」と
ドリー禁止令を出した。
役者に前後左右の動きをつけて
奥行きのある絵作りをしてほしいと
注文をつけたことで夕食会は大いに盛り上がった。
それもあり本日最初のカットでは
「ドリーはしませんからね」と
行田監督は役者に動きをつけた。
しかし、その口の根も乾かぬ間に
3シーン目で「ドリー」と撮影部に指示する。
それでいい。必要ならドリーを使えばいい。
ただし絵にリズムをつけるためだけに
ドリーを多用するのは厳禁。
役者が演じる主人公達が成長する姿を撮るのが
最優先だから状況説明のためのドリーに
禁止令を出したにすぎない。

トイレのない現場だったので
スポンサーは度々トイレに車移動していたが、
スタッフ、役者陣は昼食まで休憩もなく撮り続けた。
空が怪しいのもあるが、みな楽しいのだろう。
一般的に「仕事は楽しい」はないが、我々は人種が違う。
仕事だから苦しいのは間違いないが、楽しい。
楽しくて仕方ない。
できることならずっと現場にいたい。
己の非力に自己嫌悪は大いにあるが、不満や愚痴はない。
この仕事で飯が食えることこそが、チョーラッキー。
食うために仕事をしているのではなく、
仕事をしたら食えた。幸せな巡り合わせだ。
SMAPは、ナンバーワンにならなくても
オンリーワンがいいと唄ったが、
社会に出るとオンリーワンでは評価されない。
オンリーワンは変人として扱われ
最悪、閑職に追いやられる。
だからみんな上を見てナンバーワンを目指す。
私もこの仕事について、まずは監督を目指し、
監督になればナンバーワンを目指してはいたが、
監督にはナンバーワンを決める基準がないと
すぐに解った。年収?作品本数?表彰回数?
監督にはナンバーワンの基準がない。
結局オンリーワン。言い換えれば自己満足。
自分が一番だと言えればナンバーワンなのだ。
しかも誰でも簡単に監督になれる。
「今日から監督です」と宣言すればいい。
ただし仕事が来るかはわからない。
日々成長のための努力があってこそ
自分が一番だと自惚れることもできる。
私はそんなオンリーワンのナンバーワンになりたい。

ルーティーン通りに今日も11時半に昼食。
しかし巻き巻きで余裕の昼食。
昼食後は2度の移動を含んだが、
15時頃から時たま雨が降りだす。
しかし撮影できないという雨ではない。
カメラが回ると雨が止む。今回もついている。
川村チーフ助監督の希望的観測香盤表通りに
16時にクランクアップした。
スポンサーと一緒に記念撮影をし、
老を労う拍手も受けて、ロケ地を後にした。
機材もレンタカーも今日中に返却できる。
まさに奇跡の綱渡り。2日間で見事に撮りきった。

帰路。
川村チーフ助監督の運転する車の助手席で私は爆睡。
現場セッティング、前泊、ロケ2日の都合4日間で
平均睡眠時間は5時間弱。
疲労困憊のハズだか、好きなことをしていると心地良い。
ロケでのシーンが走馬灯のように駆け巡る
浅い夢から目覚めると、
フロントガラスに雨が打ち付けている。
権藤、権藤、雨、権藤。

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