株式会社プランシードのブログ

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その370.ロケ初日

2018-06-01 06:26:16 | 制作会社社長の憂い漫遊記
5月29日。ロケ初日。午前4時半。
ホテルのカーテンを開けると
すでに明るくなった空は曇天。
テレビをつけると
打者・大谷と投手・マーくんが真っ向勝負している。
見たい気持ちを抑えて、チャンネルを切り替え天気予報に。
沖縄は梅雨入りし、梅雨前線が日本列島をかすめているが、
昨夜のオールスタッフによる「天気祭り」で
曇り、降水確率10%。明日も曇りなので「よし」。

前作は昨年2月に撮影されたが、
前夜の天気祭り時は雪混じりの雨。
ロケの朝も小雨だったが、
監督の「よーい」がかかると曇天の隙間から陽が射した。
カメラが移動してポジションを決めるまでは曇天。
再び監督の「よーい」がかかると陽が射すという奇跡の中、
撮影は快調に進んだ。
今回も梅雨前線を南に押し退ける形で撮影できそうだ。

私は座浴をしながら台本をくる。
気づくと全身から大粒の汗。頭がロケモードに切り替わる。
台本を仕上げた時点で完成形が見えてはいたが、
何が起こるかわからない。現場は生きている。
今回作のテーマは「チームセリング」。
チームセリングとは一人のお客様に
一人の営業担当者のみでアプローチするのではなく、
営業部門全体で営業活動することをいう。
我々の仕事も同じ。
監督を長とし進路は決めるが、
作業としてはチームセリングが芯になくては作品は貧粗になる。

7時半。現場着。撮影に向け準備開始。
その間に建家外観を撮影する。
今回ロケのファーストカット。
「OK」。
私はいつもファーストカットを撮り終えないと落ち着かない。
そのファーストカットをまず撮り終えた。
あとは淡々とかつ情熱的に進めるだけだ。

11時半。お弁当到着。
我が社では通常11時半から昼休みに入る。
12時からだと店が混むということもあるが、
ロケや編集、録音時に没頭する監督に併せて
スタッフが遅飯もしくは昼飯抜きになるのは、
スタッフの能力を最大限引き出そうしない監督の
傲慢さの現れだと考えているからだ。
スタッフは昼飯時しか休憩らしい休憩を取らない。
それだけ全員集中している。
だから昼はしっかり取りたいと考えている。
ワイワイ言いながら弁当を頬張るスタッフをみて
嬉しくなるのは、監督ではなくプロデューサーとして
彼らを見ているからだろうか。
わずかな休憩だが、誰ともなく準備に取りかかっている。
いいスタッフだ。

12時半。
香盤表より約1時間押し。午後の撮影が始まる。
そもそも川村チーフ助監督の作成した香盤表に無理がある。
彼のこうあってほしいという想いが如実に現れた香盤表は
私に提出された時から「無理がある」と指摘されていたが
午後からのスケジュールが比較的ユルかったのでゴーを出した。
午前の取りこぼしを1時間半で挽回し、
エンディングの撮影は予定通りに巻いた。
エンディングシーンは私の想いが最も強く現れている。
このエンディングはカットしても成り立つが、
あれば作品はシマると私の経験が書かせた
エンディングシーンだ。
台本を読んだ行田監督は夕景シーンにしたいと熱く語ったが
私は進行上、夕景にはこだわらなかった。
雨が降ろうが槍が降ろうが、
何がなんでも2日間で撮らねばならない川村チーフ助監督は
私の意向をチョー前向きに捉え、香盤を立てた。
もちろんどうなるかわからない、かつ夕景という
限られた時間内に取り終えねばならないシーンは
極力排除したい。
デーシーンとして香盤表には記されている。
結局曇天で期待できないと判断した行田監督は
渋々撮影にゴーを出した。
前夜の天気祭りでは、
「エンディングシーンは私が演出する」と
行田監督に直訴していたので
絵割りも役者の動きも私が行なった。満足、満足。

こうして香盤表通りに19時に撮影完了。
このあとホテルに戻ってボイス撮りする。
基本編は主人公の独白になっている。
また台詞の一部には心の叫びもあり、
香盤表では「もし時間が許せば」的に※印付きで、
「19時半・ホテルでボイス撮り」と記されている。
香盤通りボイス撮りをし、20時半に夕食となる。
昨夜の天気祭りではスポンサーも参加いただいたが
今夜はスタッフのみの夕食だ。
22時まで熱い語りは続き、
私の中締めで遅い夕食は幕を閉じた。

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