白い月

白い月

哀しい話

2013-07-27 08:43:12 | 心事ポエム
 
ありふれた一日に潜む火焔

何気ない日常に起きる残酷な代価


喪の色に覆われた夕暮れは嫉妬する

差し込む光の束の隠された綾を解きほぐし

まどろむ猫にも夢を見せる


巻爪が痛む寡婦の祝祭日

台架の上で死にゆく百合に言葉をかけ

あの世と結ぶ木の橋を、手を繋いで渡る分別


こんな話 あんな話 

音の行方 甘い恐怖

捨てられた孤児の様な真昼の月のいとしさよ。