白い月

白い月

埋もれ木

2015-03-26 10:42:24 | 心事ポエム
九割の理不尽と一割の冥利で紡ぎながら越冬完了。


人柄のよい心だてを崇め

無垢清純な立志を褒め

差し出された生贄を享受する鳥のようだ。


通りすがりで交差した人と挨拶を交わし

道すがら知人の清がしい暮らしぶりを目視

旅に聴いた海鳴りを耳に残した。


さりげない善意の印しに合掌

ウトナイ湖に向かう白鳥との送別

此処に在る冥利の幻影を 繰り返し念写した。


世紀を生きた証しは今朝の蒼穹

絶え間なく囁き続ける風の悲鳴を銘記し

時ならぬ雪華の乱舞に一驚する。
 

わたしはガラスを磨き窓を開き 

深く鎮み込んだままの道を探さねばならない

混沌の季節の終章の心地よさに浸りながらも

迫りくる声なき声を聴き取るのだ


気まぐれなわたしの足をくすぐるのは誰?

丸い背中に息を吹きかけてよ 再びの季節よ。

わたしはまだ残雪の下に埋もれているのだが。