冷調ウエスタン：アパルーサ(2008)

Appaloosa (2008)

ロバート・パーカーのベストセラー小説を映画化した、保安官エド・ハリス＆ヴィゴ・モーテンセン対悪役ジェレミー・アイアンズのウエスタン。宿敵との対決を絡めた男の美学と友情というウエスタンの基本をおさえた映画。６０年代のウエスタンが好きな私ですが、これは残念ながら印象に残るような作品ではありませんでした。

1882ニューメキシコの町アパルーサ。町の保安官を殺した牧場経営者ブラッグ（ジェレミー・アイアンズ）に手を焼いた町の実力者たちは、ヴァージル（エド・ハリス）とその助手エヴェレット（ヴィゴ・モーテンセン）を雇います。ブラッグを捕らえ、裁判を行いますが有罪に出来ず、護送中に逃げられてしまいます。


やっぱり悪役、ジェレミー・アイアンズ。

保安官にエド・ハリス、その助手ヴィゴ・モーテンセン、そして悪役ジェレミー・アイアンズ。全員癖のある、悪役やらせたら絶品のおっさん３人ですね。エド・ハリスは威厳のある保安官でいて実は怒ると他人に暴力を振るう、キレると危ない男。ヴィゴ・モーテンセンは寡黙で冷静な男（でもってちょっと恋の悩みあり）。そして自信たっぷりで金持ち悪人ジェレミー・アイアンズ。３人ともイメージそのままの役です。外さない代わりに意外性も無い所は惜しいけれど、ウエスタンという独特の雰囲気でこのメンツがウエスタンルックで立っているだけで絵になります。
でも、なんだか見終わっても「ヴィゴが渋かったなあ」位しか印象に残っていなくて。ストーリーが普通すぎる上に、西部劇として非常にまじめに作り過ぎなのか、メリハリが無い。俳優のファンならいいけれど一本の作品としてみると、及第点には及ばす。TVムービーでいいじゃないの？

町に来た美しい未亡人のアリー（レニー・ゼルウィガー）にヴァージルと助手エヴェレットは惹かれます。このアリーがそんなに魅力的でもないし、ピアノ下手だし、なのに男２人（３人？）とも手玉にとっちゃってたりして、「なんじゃこの女！」って思ってしまったのですけどねえ。この人は要らんねえ。

エンディングにTom Pettyが流れるらしいんです・・・しまったエンディングまで見とくんだった（涙）。