大阪発達支援センターぽぽろブログ ぽぽろ番

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“対立”する話ではないですよね…

2009年12月01日 | 児童デイサービス
 昨日は大東市立療育センターの関係保護者の方と大東市との懇談会に招かれて児童デイの説明をさせていただきました。
 その中でずいぶん手厳しい質問も出されました。利用者の立場からすると当然のねがいでしょう。つまり端的に言うと、いくら利用してくださいと言われても、あとから申し込んだ者にも平等に利用できるのか?早い者勝ちなら私たちは利用できないのでないか?ということです。

 事業者の立場で参加しましたので説明には限界があります。
 いつでもだれでもが利用できる制度になっていないこと、障害のある子らが利用できる学童保育などの社会資源が少なすぎること、限られた施設・設備と定員があり受け入れに限界があることなどをを話しました。それでも、利用実績を考慮するという考え方はおかしい、たとえ1回ずつになろうが希望される方が平等に利用できるようにすべきだという意見でした。

 これ以上はお答えのしようがなく、少し気まずい雰囲気が漂いましたが、みんなのために頑張って発言されていた方も終わってから、こちらの苦しい立場や制度の問題点などは分かった上で、みんなの気持ちや要求を代弁する立場で突っ込みを入れさせてもらったので理解してほしいとわざわざ言っていただきました。これからも一緒に考えましょう。

 私たちのNPO法人は運動団体が力を集めてつくった非営利の法人です。事業を離れれば運動団体の立場からもっとこのように呼びかけることができたのにと少し悔しい思いもしながら帰途につきました。「根本的な解決を図るために、誰でもどこでも利用できる制度と社会資源をつくるために私たちと一緒に運動しましょう。もともと児童デイⅡ型は今年3月で廃止される計画であったところを、皆さんの切実な要求と全国の署名運動などで押し返し、障害のある子どもたちの放課後や長期休業中の活動保障の場=新たな制度をつくるべきだという合意形成が議会や国の中にも生まれてきています。私たちはあなた方の先輩とともに障害の重い子どもたちが学校にも行けなかった時代から、バザーしたり署名を集めながら無認可の療育にとりくみ療育園や養護学校・養護学級をつくるために頑張ってきました。卒業したら今度は行くところがなく作業所づくりの運動にもとりくんでこられました。今ある制度はすべて運動なくして出来上がったものは一つとしてありません。学童保育も今は産みの苦しみで運動を頑張っています。今後必ずできるであろう新しい制度や社会資源を今度はあなた方とあなた方の後輩達が享受するのです。このようにして次々と新しい要求が育ち、その時代その時代に必要とされる新しい制度や資源を先輩たちからバトンを受け継ぎながらつくってきたのです。そういう法人ですから、私たちと一緒にがんばりませんか?」と。

 それにしても、自立支援法とは恐ろしい制度です。行政の公的責任は後景に追いやられ、契約制度の名のもとに利用者と事業者が対立させられかねない…、身をもって感じさせられました。そうなんです、一番追及されるべきは国や行政の社会保障への責任なのです。
 自立支援法の応益負担は即時廃止と言ってきた今の政権与党さん、見送らないで早く廃止して新しい制度を実現してください。