フィリピンOJT
On the Job Trainingつまり実技訓練です。
フィリピンの大学の年間スケジュールは8〜12月が前期、1〜5月が後期で、卒業式は6月に行われるのが一般的です。
主に入学時期が8月、卒業時期は5〜7月に行われるようです。
今の時期、首都圏はじめ近接地区のレストランやホテルなどで、白いTシャツや簡素なユニフォームを着用した方を見かけると思います。
フィリピンには、HRM ホテルレストランマネージメントというコースがあります。
レストランはじめホテルに勤務する場合、大学でこのコースを卒業していると有利なんだそうです。
コースの学生が受けなくていけないのがOJTつまりOn the Job Training実技訓練です。
卒業前にOJT課程を修了しなくてはいけないのですが、多くの大学のリクエスト過程は
- 週に40時間のトレーニング。
- 9ヶ月プログラムで合計1440時間の実践研修。 (実地訓練はコースにより様々)
180日間ですから6ヶ月間の実技訓練を卒業前に終える必要があります。
父兄にとって一番頭の痛い時期のようです。
多くの研修生は地方出身の方が多いのが現状で、最終目的は海外就労です。
コックをめざし卒業するには下記のような基本を習得しなければいけないのです。
日々OJTの訓練状況を見ていて、朝食時間は配膳、掃除、精々卵焼きを作って客席へ配膳位のようです。
コックを目指すビコールから訓練にきているOJTに聞いてみました。
・何時に出勤ですか?
「朝3時に起きて、滞在先からこのホテルまで歩いて通勤します」
・なぜ歩きなの?住み込みトレーニングでは無いの?
「いいえ。アパートから毎朝4時30分までに出勤です」
・何をするのですか?
「私たちは、お客様の朝食にお出しする料理の準備です」
・実技教育ですから調理をするのですね?
「オムレツだけです」
・それだけの実技訓練なの?
「他に、食器洗い、野菜のカットや魚介類、肉のカットです」
・コック希望者の下積みは大変だけど、進展はないの?
「コックの料理を見て覚えるのですが、教えるコックもあまり知識がないのかも?ほとんどはコックのやりたくない仕事で終わってしまいます。芋の皮剥など。野菜の洗い方すら教えてもらえないので、自己流でよく洗ってると早くしろ!と怒られます。あとはコックのハラスメントです笑」
・フィリピンは特に外国人に対してはハラスメントはキツイけど、フィリピン人同士は当たり前のようにハラスメントが行われているよね
「フィリピン人の男はバストスでしょう はははははは」
・ところでおおよそ9ヶ月間くらい滞在するのだけれど、その期間にかかる費用は大変ですね。給料は最低賃金ですか?
「ハイナコ!ワラポ (とんでもない無給です)教育期間中は夜ご飯を食べれない日もたくさんあります」
・エー!部屋代とか食事代だけでも大変ですね。収入が0でどうして暮らせるのですか?
「両親から月額3000ペソから5,000ペソくらい送ってくれます。両親の収入がない場合には1000ペソとかもあります。送金してもらったお金は、部屋代と食事代の他、実家へ戻るときまで、一部を貯金し帰省費用の貯金をしないと帰れません。本当にきついです」
・日々の食事は?
「朝食、ミリエンダ(おやつ)、昼食と終業時のミリエンダは無料です。夕食は自費ですので、無量の食事をとにかくたくさん食べるようにして、残ったものはテイクアウトをお願いしています。でも毎日賄いはチキンと魚だけです。朝食に残ったデザートもありますが全員で食べるので私たちにはあまり回ってきません」
滞在先の部屋代はと聞いたところ
「この近くのバランガイの一部屋を借りています。そこで8人で暮らしています。部屋代は割り勘です」
その部屋を見に行きました。4畳半くらいの到底人が住むとは言い難い部屋。裸電球が一個。
トイレはついていますがシャワー室兼用で約半畳ほど。電気水道代込みで3,500ペソとの事。毎日の日課は、朝3時起床で歩いて出勤。午後2時に訓練が終わり、帰宅後洗濯、6時前には床に入るのだそうですが、隣近所がうるさく、睡眠不足気味なんだそうです。
部屋を見て思ったのですが、土間の上高さ20cmくらいの板張りの部屋で異常にトイレが臭い。
段ボールにシーツらしき物を敷き詰め、薄い布製の掛け物とキャラクター枕。
身の回り品洋服は全てナップサックへ入れ持ち歩いているのだそうです。下着泥棒が多いのだとか。
首都圏で訓練しているコックは、訓練先で食事を取れるのでまだ目先の生活には困らない。
ただし、看護師やサービス業のウエイトレスは費用がまかえなえずに中退したり、カラオケでアルバイト。
中には体を売る女性が多く、妊って田舎へ帰省する人も多いのだそうです。
しかもOJTと称し、やらせているのは人手不足の単純労働としか思えない様子です。
大凡1年弱無休で奉仕か?まさに残酷物語であり、フィリピン労働法とはなんのだろう。
2年もしくは4年で習得する内容
プログラム概要
商業調理NC IIは、様々なメニューの計画、準備、調理、提供のスキルを開発する技術職業プログラムです。
学生は肉、前菜、サラダ、野菜、サンドイッチ、卵料理、デザートなどの作り方や調理法を学びます。
商業調理NCIIプログラムの学生は、業界標準に基づいた様々な食品の準備とプレゼンテーションのテクニックを学びます。このプログラムでは、厨房用品の受け取り、保管、管理などの項目がカバーされています。
このプログラムは、TESDA認定のトレーニング機関、カレッジ、トレーニングセンターで学ぶことができます。
コース構成
商業調理NC IIのコース構成は、主に3つの能力に分かれています:
基本知識(18時間)
職場でのコミュニケーション
チーム環境での仕事
キャリアプロフェッショナリズムの実践
労働安全衛生手順の実践
共通能力(18時間)
業界知識の開発と更新
職場の衛生手順を守る
コンピューター操作の実施
職場と安全の実践
効果的な顧客サービスの提供
基本技能(280時間)
厨房の清掃と管理
ストック、ソース、スープの準備
前菜の準備
サラダとドレッシングの準備
サンドイッチの調理
肉料理の準備
野菜料理を準備する
卵料理の準備
技術・職業プログラムでは、生徒が学習しやすいように、モジュール方式を採用している。モジュール方式とは、計画された特定の学習活動や演習に従う指導法の一種である。これらの活動はモジュールと呼ばれる短い冊子にまとめられている。生徒は自分のペースで学習を進めることができます。このプログラムの授業は、講義やデモンストレーション、自習、グループディスカッションを通して行われます。学生の学習評価と査定は、各モジュールのディスカッションの最後に行われます。これは、直接観察、シミュレーション、実践的なデモンストレーション、口頭および筆記試験を通して行われます。
料理は専門職業か?
料理や食品調理の仕事は通常、専門職とみなされます。調理に特化し、証明書や実務経験と組み合わせることで、プロの調理師となり、最終的にはシェフとなります。
商業調理 NC II の入学資格
TESDAが定める商業調理NCIIの訓練生の基本要件は以下の通り。
・口頭と筆記の両方でコミュニケーションが取れる。
・心身ともに健康であること。
・モラルがある
・基本的な数学的計算ができる
このプログラムを提供する学校やトレーニングセンターは、追加条件を含む場合がある。
コースを合格するためには、どのようなスキル、特徴、態度が必要か?
調理スキル - このコースでは、あらゆる種類の調理を含む食品準備に関するディスカッションや実習を多く行います。
テクニカル・スキル - 冷蔵庫、ミキサー、オーブンなどの標準的な厨房機器だけでなく、広範な機器、道具、器具を学び、適切かつ安全に操作し、コントロールする知識と能力。
持久力 - 接客、立ち仕事、厨房内を歩き回るなど、疲れる仕事に耐える能力。
基本的な口頭と筆記の英語力 - OJTでは、ホテル、リゾート、レストランなど、お客さまをもてなすためにも、仕事に関連した仕事をするためにも英語が必要とされるさまざまな施設に配属されます。
他人にサービスを提供することに抵抗がないこと
忍耐力 - OJTの間、学生は苛立ちや要求の多い顧客に遭遇する可能性があるため、様々なタイプの人々に対応できる忍耐力が必要である。
コンピューターリテラシー - コンピューターの基本的な知識と、アプリケーションソフトやシステムを理解できること。
商業調理NC IIの難易度は?
NC IIは難しいプログラムではありません。このプログラムで扱われるトピックは、ホテル・レストラン経営における基本的なコンセプトですので、授業は一般的に理解しやすいものです。このコースでは複雑な考え方をする必要はありません。
このプログラムで難しいのは、実習とシミュレーションで、学生は厨房で特定の手順を実行し、そのパフォーマンスを観察され、インストラクターによって評価されます。それ以外に難しい条件はありません。
フィリピンの商業調理NC IIプログラムを修了するのにどのくらいかかりますか?
TESDAが推奨する商業調理NCIIプログラムの標準修了時間は316時間です:
基礎能力18時間、
共通能力18時間、
基本技能能力280時間です。
ただし、OJTや学校のカリキュラムにより、これより長くなる場合もあるようです。
職業訓練(OJT)
TESDA認定校は、商業調理NC IIプログラムに職業訓練(OJT)を組み込むことができます。
学生は、様々な飲食サービス施設、ホテル、モーテル、レストラン、クラブ、食堂、リゾート、またはその他の関連業務に配属されます。学生は、実習を監督・指導する機関の指定された責任者に報告書を提出します。指定された当局は、定期的に学生を評価し、評価書を指定されたTVET(Technical and Vocational Education and Training技術・職業教育)トレーナーに提出します。
OJTに必要な時間数は教育機関によって異なります。
評価と認定
技術教育技能開発庁(TESDA)は、フィリピンのすべての職業訓練コースの規制機関であり、フィリピンTVET資格認定システム(PTQCS)を通じて、技術・職業訓練労働者の能力の評価と認定を担当している。評価プロセスは、定められた能力基準に基づき、卒業生が職場の基準に従って業務を遂行できるかどうかを判断することを目的としている。認定は、能力基準を満たした者に与えられる。
職業訓練コースの卒業生には、評価・認証プロセスは義務付けられていない。卒業生には、このプロセスを受けるかどうかの選択肢がある。しかし、TESDA認定資格は、熟練労働者を雇用する地元企業や外資系企業がこの資格を必要とするため、卒業生は有利になる。
商業調理科を卒業生するには、国家資格レベルII(NC II)の評価および認定試験を受け、合格することが推奨されます。
国家資格の有効期限は5年間で、更新・更新が必要です。アセスメントと認定を申請するための要件と手順、およびアセスメントに使用される方法は、TESDAのウェブサイトに記載されています。資格のレベルアップを希望する場合は、NC IIIおよびIVの評価・認証プロセスを受けることで可能である。
商業調理 NC II 卒業生の就職先
キッチンヘルパー - 厨房機器の洗浄と消毒、基本的な調理補助、厨房での商品の受け取りと保管。
コミス-ジュニアシェフ
ライン・コック - 「ステーション・シェフ」と呼ばれることもあり、肉やサラダの調理など、食品製造の特定の分野を担当するよう指定されたシェフで、商業厨房での調理の大部分を担当する。
調理師 - さまざまな食品の下ごしらえ、味付け、調理を行う。スープ、サラダ、メイン料理、デザートなどが含まれる。
フードサービスカウンターアテンダント - 簡単な食品の調理、加熱、仕上げを行う。
ペストリーシェフ - デザート、ペストリー、パンの製造を担当し、訓練を受ける。
スーシェフ - 厨房の指揮系統において、エグゼクティブシェフやヘッドシェフのすぐ下に位置する料理人。
エグゼクティブシェフ - メニュー作成、盛り付けデザイン、レイアウト、レシピ作成、厨房スタッフのマネージメントを担当。
厨房スーパーバイザー - 料理の準備や配膳をする従業員の活動を直接監督、調整する。
厨房マネージャー - レストランのバック・オブ・ハウスと厨房エリアの運営全般を担当。
パーソナル・シェフ - 特定のクライアントや顧客のために、多くの場合、顧客のプライベートキッチンで、顧客の食事のニーズや好みに合わせて食事を準備する。
フードオペレーションオフィサー - 会社の方針とチェーンオペレーションマニュアルに従って、オペレーション、顧客サービス、製造の品質、衛生・清潔基準、メンテナンス、一般管理におけるすべての報告・管理手順が完了し、整っていることを確認する。
チーフ・スチュワード - パントリー、倉庫、調理場以外の厨房従業員の活動、および購買、厨房用品、機器の監督と調整を行う。
厨房ヘルパー - 厨房器具の洗浄と消毒、基本的な調理補助、厨房での商品の受け取りと保管。
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