かれこれ名調子なのかおなじみの決まったセリフで20数年。
「私あなたのホテルのガードマン」
この一つのセリフで、日本人を手中へ。
そして家族の誕生日から、女房や子どもの病気。挙句の果てには両親の死。
時には父親が死んだとp1000せがみ、半年後にもまた同じセリフ。
父親何回殺すんだときいたら
「私のパパは1000ペソで蘇生する。」
このワンパターン詐欺師「トニー」(通称です)
サンアンドレスに家庭を持っていて、たしかに昔はガードマン。
なぜこいつがこのようなセリフを吐いたか。
元々は、見ての通り愛想のいいオヤジ。
ラマダホテルが日本人であふれていた頃、トニーがロビンソンへ客の買い物へ行った時。
たまたまホテルの客が「あなたあのホテルのガードマンですよね。」
はい。と日本語で答えてご飯をごちそうになって、挙句の果てにタクシー代まで頂いた。
これが、トニーへの自信になったようです。
あなたのホテルのガードマンとさえ言えば日本人はご飯をご馳走してくれて帰りのタクシー代ももらえる。
仕事を終え、いざ実験開始。
合う日本人へ「私あなたのホテルのガードマン。ここは危ないだから気をつけてください。」
危ない本人が言うのだから全く間違いがない。
中には聖徳太子(その当時)を惜しげもなくくれた方もいたとか。
年がたつに連れ、このトニーの行状が知れ渡り、一時はハリソンプラザへ。
ここも知れわたり、一時雲隠れしたように姿が見えなくなった。
が、近年「あなたのホテルのガードマン」が急に増え始め、今では外国人相手の専門家からやはりトニー同様日本人相手のこの名セリフを言うものが増えた。
トニーいわく。一時は本当に貢献してくれる日本人が多かったが、試しにアメリカ人にやってみたら大当たり。
場所をマカティにで行状。
失策は、友人へこの方法で金を得ることを指導したことだとか。
結果は、行動的な連中に圧倒され、自分の取り分が本当に少なくなってきた。
「アイナク!教えなければよかった!」
久しぶりにUCCでトニーとコーヒーを飲み交わし話を聞いた。
「いい加減にこんな商売やめたら。みなお前のこと知ってるよ。」
モンダイナイダヨ。マタアタラシイロロクルダヨ。サイキンノオキャクハムカシトチガッテアマリベタランイナイダカラ。
時節が変わり、観光客の様相も様変わり。ということはいつまでもこの同じセリフで食えるマニラのようです。
いつものせりふを自分にも言うので、「私のホテルってどこだっけ?」というと黙って去っていきました。
まぁ他の悪い連中に比べれば、かわいいものですね。
トニーはとにかく見分けはピカイチです。
但し用心されてください。トニーは本当に人を騙す天才です。決して引かない時があります。それがクリスマス時期です。声かけられても知らぬ不利。これがマニラの鉄則かもしれません。
場所はMALL OF ASIA,11月18日です。「私あなたのホテルのガードマン!」ああ、こいつがトニーかと思いました。ホテルじゃない、アサワのバハイにステイだ!というと一目散に逃げていきました。事前情報ありがとうございました。