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シリーズ平成の本音―オバマ大統領再選で幻~となるか、強いドル、強い米国経済!?

2012-11-13 | Weblog
シリーズ平成の本音―オバマ大統領再選で幻~となるか、強いドル、強い米国経済!?
 11月6日、米国の大統領選でオバマ大統領が再選された。再選を祝したいところであるが、ニューヨーク株式は300ドルほど暴落し、ドルは1ドル80円の水準をまた割り込むなど、市場はオバマ政権の下で弱いドルに象徴される弱い米国経済、貧しげな米国経済が継続することを見越しているかのようだ。2013年にはブッシュ政権の下で実施された高所得者への所得税減税が期限切れとなるが、オバマ大統領は高所得者への所得税減税継続を拒否する姿勢を取っている一方、財政支出の削減を共和党から求められていることから、景気後退が懸念されており、「財政の崖」と言われている。
オバマ政権は、ブッシュ政権末期での証券・金融破たんによる景気後退と世界金融危機を引き継いだので、日本の民主党政権同様、厳しい経済・財政運営を強いられることは仕方ないことであるが、経済財政面で見るべき成果を挙げていない。
オバマ政権となった2009年の経済成長はマイナス3%台から2012年の2%台に持ち直しているが、株価は低迷し、失業率も8%前後と高い失業率が続いている。ドル為替は1ドル100円台からオバマ大統領が当選した2008年11月に89円台となり、その後ほぼ一貫してドル安となり、1ドル80円を割り込む状況が続いている。ロムニー候補善戦と伝えられた大統領選終盤に1ドル80円台を回復したが、オバマ大統領が再選された途端80円を割り込み、株価がダウ平均300ドル下げ、米国経済の弱さを露呈した。
オバマ政権下の4年間は、弱く貧しげな米国経済とドル安が顕著であったが、その間、中国は元為替を後発途上国並みに低く抑え、年率10%前後の高度成長を維持し、2011年に国民総生産で世界第2位の経済規模を達成した。米国は、ドルの量的緩和とゼロ金利でドル安を誘導し、最大の貿易相手国となった中国の元の引き上げを期待していたが、結果は、中国の元の切り上げに失敗し中国の一人勝ちを許す一方、自らは弱いドル、弱い米国経済を演出した格好だ。演出ミスと言える。
このドル安、元安の最大の被害者は日本である。2011年には東日本大震災・津波被害の中で貿易赤字に転じ、また2012年は暦年でも会計年度でも上半期に貿易赤字を記録しおり、このまま円安が継続すれば日本経済の再生どころか、震災からの復興にも影響する。
米国が自国経済の活性化を優先することは理解できるが、ドルは国際的な基軸通貨であるので、基軸通貨国としての役割や責任を踏まえた節度ある行動が強く望まれる。ゼロ金利政策を1年以上継続し、量的緩和を長期に継続してドル安を長期に継続することは、ドルの優位性や信頼性を失わせ、ドルが1通貨となる恐れがあり、基軸通貨としての役割や責任を事実上放棄することになる恐れがある。基軸通貨としての米国の節度ある金融・為替政策を強く期待したい。
また世界第2位の経済規模となった中国も元を相当水準まで切り上げ、経済規模にふさわしい節度あるフェアーな行動を取ることが望まれる。
日本は、オバマ政権の過去4年間、米国の経済回復を期待しつつ国際協調を貫いて来ており、長期に続いていた貿易黒字から急速な円高により貿易赤字に転換した。これを更に4年間繰り返すことは困難であるので、米国と中国の責任ある経済運営、為替政策を期待する一方、これら両国が政策的に為替切り下げ政策を取っている以上、日本としては確固として金融の量的緩和と円安誘導を実施するなど、円高を阻止し、円為替の正常化に誘導、転換する措置をとるとの明確なメッセージを市場に改めて示し、具体的な措置を取る必要が出て来ていると言えよう。具体的には1ドル100円前後を目標として、ドル買い介入を続けるなど毅然たる措置を取ることが望まれる。少なくても短・中期的にはドル安はほぼ底の状態であると見られるので、大量のドル買いオペレーションを行っても大きな差損は予想されず、逆に差益を出す可能性が高い。
徴税し予算配分するという手法は、時間が掛かり過ぎ、また財政需要の規模に制約がある上、徴税により需要効果が減殺されるというデメリットがある。それを国債で賄えば国の借金を更に膨らませるだけだ。現在必要なことは、円安誘導により円為替の適正化を図り、また法人税減税などにより民間産業の活力を引き出すことが最も早道であろう。(2012.11.11.)(All Rights Reserved.)(不許無断引用)
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シリーズ平成の本音―オバマ大統領再選で幻~となるか、強いドル、強い米国経済!?

2012-11-13 | Weblog
シリーズ平成の本音―オバマ大統領再選で幻~となるか、強いドル、強い米国経済!?
 11月6日、米国の大統領選でオバマ大統領が再選された。再選を祝したいところであるが、ニューヨーク株式は300ドルほど暴落し、ドルは1ドル80円の水準をまた割り込むなど、市場はオバマ政権の下で弱いドルに象徴される弱い米国経済、貧しげな米国経済が継続することを見越しているかのようだ。2013年にはブッシュ政権の下で実施された高所得者への所得税減税が期限切れとなるが、オバマ大統領は高所得者への所得税減税継続を拒否する姿勢を取っている一方、財政支出の削減を共和党から求められていることから、景気後退が懸念されており、「財政の崖」と言われている。
オバマ政権は、ブッシュ政権末期での証券・金融破たんによる景気後退と世界金融危機を引き継いだので、日本の民主党政権同様、厳しい経済・財政運営を強いられることは仕方ないことであるが、経済財政面で見るべき成果を挙げていない。
オバマ政権となった2009年の経済成長はマイナス3%台から2012年の2%台に持ち直しているが、株価は低迷し、失業率も8%前後と高い失業率が続いている。ドル為替は1ドル100円台からオバマ大統領が当選した2008年11月に89円台となり、その後ほぼ一貫してドル安となり、1ドル80円を割り込む状況が続いている。ロムニー候補善戦と伝えられた大統領選終盤に1ドル80円台を回復したが、オバマ大統領が再選された途端80円を割り込み、株価がダウ平均300ドル下げ、米国経済の弱さを露呈した。
オバマ政権下の4年間は、弱く貧しげな米国経済とドル安が顕著であったが、その間、中国は元為替を後発途上国並みに低く抑え、年率10%前後の高度成長を維持し、2011年に国民総生産で世界第2位の経済規模を達成した。米国は、ドルの量的緩和とゼロ金利でドル安を誘導し、最大の貿易相手国となった中国の元の引き上げを期待していたが、結果は、中国の元の切り上げに失敗し中国の一人勝ちを許す一方、自らは弱いドル、弱い米国経済を演出した格好だ。演出ミスと言える。
このドル安、元安の最大の被害者は日本である。2011年には東日本大震災・津波被害の中で貿易赤字に転じ、また2012年は暦年でも会計年度でも上半期に貿易赤字を記録しおり、このまま円安が継続すれば日本経済の再生どころか、震災からの復興にも影響する。
米国が自国経済の活性化を優先することは理解できるが、ドルは国際的な基軸通貨であるので、基軸通貨国としての役割や責任を踏まえた節度ある行動が強く望まれる。ゼロ金利政策を1年以上継続し、量的緩和を長期に継続してドル安を長期に継続することは、ドルの優位性や信頼性を失わせ、ドルが1通貨となる恐れがあり、基軸通貨としての役割や責任を事実上放棄することになる恐れがある。基軸通貨としての米国の節度ある金融・為替政策を強く期待したい。
また世界第2位の経済規模となった中国も元を相当水準まで切り上げ、経済規模にふさわしい節度あるフェアーな行動を取ることが望まれる。
日本は、オバマ政権の過去4年間、米国の経済回復を期待しつつ国際協調を貫いて来ており、長期に続いていた貿易黒字から急速な円高により貿易赤字に転換した。これを更に4年間繰り返すことは困難であるので、米国と中国の責任ある経済運営、為替政策を期待する一方、これら両国が政策的に為替切り下げ政策を取っている以上、日本としては確固として金融の量的緩和と円安誘導を実施するなど、円高を阻止し、円為替の正常化に誘導、転換する措置をとるとの明確なメッセージを市場に改めて示し、具体的な措置を取る必要が出て来ていると言えよう。具体的には1ドル100円前後を目標として、ドル買い介入を続けるなど毅然たる措置を取ることが望まれる。少なくても短・中期的にはドル安はほぼ底の状態であると見られるので、大量のドル買いオペレーションを行っても大きな差損は予想されず、逆に差益を出す可能性が高い。
徴税し予算配分するという手法は、時間が掛かり過ぎ、また財政需要の規模に制約がある上、徴税により需要効果が減殺されるというデメリットがある。それを国債で賄えば国の借金を更に膨らませるだけだ。現在必要なことは、円安誘導により円為替の適正化を図り、また法人税減税などにより民間産業の活力を引き出すことが最も早道であろう。(2012.11.11.)(All Rights Reserved.)(不許無断引用)
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2012-11-13 | Weblog
シリーズ平成の本音―オバマ大統領再選で幻~となるか、強いドル、強い米国経済!?
 11月6日、米国の大統領選でオバマ大統領が再選された。再選を祝したいところであるが、ニューヨーク株式は300ドルほど暴落し、ドルは1ドル80円の水準をまた割り込むなど、市場はオバマ政権の下で弱いドルに象徴される弱い米国経済、貧しげな米国経済が継続することを見越しているかのようだ。2013年にはブッシュ政権の下で実施された高所得者への所得税減税が期限切れとなるが、オバマ大統領は高所得者への所得税減税継続を拒否する姿勢を取っている一方、財政支出の削減を共和党から求められていることから、景気後退が懸念されており、「財政の崖」と言われている。
オバマ政権は、ブッシュ政権末期での証券・金融破たんによる景気後退と世界金融危機を引き継いだので、日本の民主党政権同様、厳しい経済・財政運営を強いられることは仕方ないことであるが、経済財政面で見るべき成果を挙げていない。
オバマ政権となった2009年の経済成長はマイナス3%台から2012年の2%台に持ち直しているが、株価は低迷し、失業率も8%前後と高い失業率が続いている。ドル為替は1ドル100円台からオバマ大統領が当選した2008年11月に89円台となり、その後ほぼ一貫してドル安となり、1ドル80円を割り込む状況が続いている。ロムニー候補善戦と伝えられた大統領選終盤に1ドル80円台を回復したが、オバマ大統領が再選された途端80円を割り込み、株価がダウ平均300ドル下げ、米国経済の弱さを露呈した。
オバマ政権下の4年間は、弱く貧しげな米国経済とドル安が顕著であったが、その間、中国は元為替を後発途上国並みに低く抑え、年率10%前後の高度成長を維持し、2011年に国民総生産で世界第2位の経済規模を達成した。米国は、ドルの量的緩和とゼロ金利でドル安を誘導し、最大の貿易相手国となった中国の元の引き上げを期待していたが、結果は、中国の元の切り上げに失敗し中国の一人勝ちを許す一方、自らは弱いドル、弱い米国経済を演出した格好だ。演出ミスと言える。
このドル安、元安の最大の被害者は日本である。2011年には東日本大震災・津波被害の中で貿易赤字に転じ、また2012年は暦年でも会計年度でも上半期に貿易赤字を記録しおり、このまま円安が継続すれば日本経済の再生どころか、震災からの復興にも影響する。
米国が自国経済の活性化を優先することは理解できるが、ドルは国際的な基軸通貨であるので、基軸通貨国としての役割や責任を踏まえた節度ある行動が強く望まれる。ゼロ金利政策を1年以上継続し、量的緩和を長期に継続してドル安を長期に継続することは、ドルの優位性や信頼性を失わせ、ドルが1通貨となる恐れがあり、基軸通貨としての役割や責任を事実上放棄することになる恐れがある。基軸通貨としての米国の節度ある金融・為替政策を強く期待したい。
また世界第2位の経済規模となった中国も元を相当水準まで切り上げ、経済規模にふさわしい節度あるフェアーな行動を取ることが望まれる。
日本は、オバマ政権の過去4年間、米国の経済回復を期待しつつ国際協調を貫いて来ており、長期に続いていた貿易黒字から急速な円高により貿易赤字に転換した。これを更に4年間繰り返すことは困難であるので、米国と中国の責任ある経済運営、為替政策を期待する一方、これら両国が政策的に為替切り下げ政策を取っている以上、日本としては確固として金融の量的緩和と円安誘導を実施するなど、円高を阻止し、円為替の正常化に誘導、転換する措置をとるとの明確なメッセージを市場に改めて示し、具体的な措置を取る必要が出て来ていると言えよう。具体的には1ドル100円前後を目標として、ドル買い介入を続けるなど毅然たる措置を取ることが望まれる。少なくても短・中期的にはドル安はほぼ底の状態であると見られるので、大量のドル買いオペレーションを行っても大きな差損は予想されず、逆に差益を出す可能性が高い。
徴税し予算配分するという手法は、時間が掛かり過ぎ、また財政需要の規模に制約がある上、徴税により需要効果が減殺されるというデメリットがある。それを国債で賄えば国の借金を更に膨らませるだけだ。現在必要なことは、円安誘導により円為替の適正化を図り、また法人税減税などにより民間産業の活力を引き出すことが最も早道であろう。(2012.11.11.)(All Rights Reserved.)(不許無断引用)
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シリーズ平成の本音―オバマ大統領再選で幻~となるか、強いドル、強い米国経済!?
 11月6日、米国の大統領選でオバマ大統領が再選された。再選を祝したいところであるが、ニューヨーク株式は300ドルほど暴落し、ドルは1ドル80円の水準をまた割り込むなど、市場はオバマ政権の下で弱いドルに象徴される弱い米国経済、貧しげな米国経済が継続することを見越しているかのようだ。2013年にはブッシュ政権の下で実施された高所得者への所得税減税が期限切れとなるが、オバマ大統領は高所得者への所得税減税継続を拒否する姿勢を取っている一方、財政支出の削減を共和党から求められていることから、景気後退が懸念されており、「財政の崖」と言われている。
オバマ政権は、ブッシュ政権末期での証券・金融破たんによる景気後退と世界金融危機を引き継いだので、日本の民主党政権同様、厳しい経済・財政運営を強いられることは仕方ないことであるが、経済財政面で見るべき成果を挙げていない。
オバマ政権となった2009年の経済成長はマイナス3%台から2012年の2%台に持ち直しているが、株価は低迷し、失業率も8%前後と高い失業率が続いている。ドル為替は1ドル100円台からオバマ大統領が当選した2008年11月に89円台となり、その後ほぼ一貫してドル安となり、1ドル80円を割り込む状況が続いている。ロムニー候補善戦と伝えられた大統領選終盤に1ドル80円台を回復したが、オバマ大統領が再選された途端80円を割り込み、株価がダウ平均300ドル下げ、米国経済の弱さを露呈した。
オバマ政権下の4年間は、弱く貧しげな米国経済とドル安が顕著であったが、その間、中国は元為替を後発途上国並みに低く抑え、年率10%前後の高度成長を維持し、2011年に国民総生産で世界第2位の経済規模を達成した。米国は、ドルの量的緩和とゼロ金利でドル安を誘導し、最大の貿易相手国となった中国の元の引き上げを期待していたが、結果は、中国の元の切り上げに失敗し中国の一人勝ちを許す一方、自らは弱いドル、弱い米国経済を演出した格好だ。演出ミスと言える。
このドル安、元安の最大の被害者は日本である。2011年には東日本大震災・津波被害の中で貿易赤字に転じ、また2012年は暦年でも会計年度でも上半期に貿易赤字を記録しおり、このまま円安が継続すれば日本経済の再生どころか、震災からの復興にも影響する。
米国が自国経済の活性化を優先することは理解できるが、ドルは国際的な基軸通貨であるので、基軸通貨国としての役割や責任を踏まえた節度ある行動が強く望まれる。ゼロ金利政策を1年以上継続し、量的緩和を長期に継続してドル安を長期に継続することは、ドルの優位性や信頼性を失わせ、ドルが1通貨となる恐れがあり、基軸通貨としての役割や責任を事実上放棄することになる恐れがある。基軸通貨としての米国の節度ある金融・為替政策を強く期待したい。
また世界第2位の経済規模となった中国も元を相当水準まで切り上げ、経済規模にふさわしい節度あるフェアーな行動を取ることが望まれる。
日本は、オバマ政権の過去4年間、米国の経済回復を期待しつつ国際協調を貫いて来ており、長期に続いていた貿易黒字から急速な円高により貿易赤字に転換した。これを更に4年間繰り返すことは困難であるので、米国と中国の責任ある経済運営、為替政策を期待する一方、これら両国が政策的に為替切り下げ政策を取っている以上、日本としては確固として金融の量的緩和と円安誘導を実施するなど、円高を阻止し、円為替の正常化に誘導、転換する措置をとるとの明確なメッセージを市場に改めて示し、具体的な措置を取る必要が出て来ていると言えよう。具体的には1ドル100円前後を目標として、ドル買い介入を続けるなど毅然たる措置を取ることが望まれる。少なくても短・中期的にはドル安はほぼ底の状態であると見られるので、大量のドル買いオペレーションを行っても大きな差損は予想されず、逆に差益を出す可能性が高い。
徴税し予算配分するという手法は、時間が掛かり過ぎ、また財政需要の規模に制約がある上、徴税により需要効果が減殺されるというデメリットがある。それを国債で賄えば国の借金を更に膨らませるだけだ。現在必要なことは、円安誘導により円為替の適正化を図り、また法人税減税などにより民間産業の活力を引き出すことが最も早道であろう。(2012.11.11.)(All Rights Reserved.)(不許無断引用)
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2012-11-13 | Weblog
シリーズ平成の本音―オバマ大統領再選で幻~となるか、強いドル、強い米国経済!?
 11月6日、米国の大統領選でオバマ大統領が再選された。再選を祝したいところであるが、ニューヨーク株式は300ドルほど暴落し、ドルは1ドル80円の水準をまた割り込むなど、市場はオバマ政権の下で弱いドルに象徴される弱い米国経済、貧しげな米国経済が継続することを見越しているかのようだ。2013年にはブッシュ政権の下で実施された高所得者への所得税減税が期限切れとなるが、オバマ大統領は高所得者への所得税減税継続を拒否する姿勢を取っている一方、財政支出の削減を共和党から求められていることから、景気後退が懸念されており、「財政の崖」と言われている。
オバマ政権は、ブッシュ政権末期での証券・金融破たんによる景気後退と世界金融危機を引き継いだので、日本の民主党政権同様、厳しい経済・財政運営を強いられることは仕方ないことであるが、経済財政面で見るべき成果を挙げていない。
オバマ政権となった2009年の経済成長はマイナス3%台から2012年の2%台に持ち直しているが、株価は低迷し、失業率も8%前後と高い失業率が続いている。ドル為替は1ドル100円台からオバマ大統領が当選した2008年11月に89円台となり、その後ほぼ一貫してドル安となり、1ドル80円を割り込む状況が続いている。ロムニー候補善戦と伝えられた大統領選終盤に1ドル80円台を回復したが、オバマ大統領が再選された途端80円を割り込み、株価がダウ平均300ドル下げ、米国経済の弱さを露呈した。
オバマ政権下の4年間は、弱く貧しげな米国経済とドル安が顕著であったが、その間、中国は元為替を後発途上国並みに低く抑え、年率10%前後の高度成長を維持し、2011年に国民総生産で世界第2位の経済規模を達成した。米国は、ドルの量的緩和とゼロ金利でドル安を誘導し、最大の貿易相手国となった中国の元の引き上げを期待していたが、結果は、中国の元の切り上げに失敗し中国の一人勝ちを許す一方、自らは弱いドル、弱い米国経済を演出した格好だ。演出ミスと言える。
このドル安、元安の最大の被害者は日本である。2011年には東日本大震災・津波被害の中で貿易赤字に転じ、また2012年は暦年でも会計年度でも上半期に貿易赤字を記録しおり、このまま円安が継続すれば日本経済の再生どころか、震災からの復興にも影響する。
米国が自国経済の活性化を優先することは理解できるが、ドルは国際的な基軸通貨であるので、基軸通貨国としての役割や責任を踏まえた節度ある行動が強く望まれる。ゼロ金利政策を1年以上継続し、量的緩和を長期に継続してドル安を長期に継続することは、ドルの優位性や信頼性を失わせ、ドルが1通貨となる恐れがあり、基軸通貨としての役割や責任を事実上放棄することになる恐れがある。基軸通貨としての米国の節度ある金融・為替政策を強く期待したい。
また世界第2位の経済規模となった中国も元を相当水準まで切り上げ、経済規模にふさわしい節度あるフェアーな行動を取ることが望まれる。
日本は、オバマ政権の過去4年間、米国の経済回復を期待しつつ国際協調を貫いて来ており、長期に続いていた貿易黒字から急速な円高により貿易赤字に転換した。これを更に4年間繰り返すことは困難であるので、米国と中国の責任ある経済運営、為替政策を期待する一方、これら両国が政策的に為替切り下げ政策を取っている以上、日本としては確固として金融の量的緩和と円安誘導を実施するなど、円高を阻止し、円為替の正常化に誘導、転換する措置をとるとの明確なメッセージを市場に改めて示し、具体的な措置を取る必要が出て来ていると言えよう。具体的には1ドル100円前後を目標として、ドル買い介入を続けるなど毅然たる措置を取ることが望まれる。少なくても短・中期的にはドル安はほぼ底の状態であると見られるので、大量のドル買いオペレーションを行っても大きな差損は予想されず、逆に差益を出す可能性が高い。
徴税し予算配分するという手法は、時間が掛かり過ぎ、また財政需要の規模に制約がある上、徴税により需要効果が減殺されるというデメリットがある。それを国債で賄えば国の借金を更に膨らませるだけだ。現在必要なことは、円安誘導により円為替の適正化を図り、また法人税減税などにより民間産業の活力を引き出すことが最も早道であろう。(2012.11.11.)(All Rights Reserved.)(不許無断引用)
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シリーズ平成の本音―オバマ大統領再選で幻~となるか、強いドル、強い米国経済!?
 11月6日、米国の大統領選でオバマ大統領が再選された。再選を祝したいところであるが、ニューヨーク株式は300ドルほど暴落し、ドルは1ドル80円の水準をまた割り込むなど、市場はオバマ政権の下で弱いドルに象徴される弱い米国経済、貧しげな米国経済が継続することを見越しているかのようだ。2013年にはブッシュ政権の下で実施された高所得者への所得税減税が期限切れとなるが、オバマ大統領は高所得者への所得税減税継続を拒否する姿勢を取っている一方、財政支出の削減を共和党から求められていることから、景気後退が懸念されており、「財政の崖」と言われている。
オバマ政権は、ブッシュ政権末期での証券・金融破たんによる景気後退と世界金融危機を引き継いだので、日本の民主党政権同様、厳しい経済・財政運営を強いられることは仕方ないことであるが、経済財政面で見るべき成果を挙げていない。
オバマ政権となった2009年の経済成長はマイナス3%台から2012年の2%台に持ち直しているが、株価は低迷し、失業率も8%前後と高い失業率が続いている。ドル為替は1ドル100円台からオバマ大統領が当選した2008年11月に89円台となり、その後ほぼ一貫してドル安となり、1ドル80円を割り込む状況が続いている。ロムニー候補善戦と伝えられた大統領選終盤に1ドル80円台を回復したが、オバマ大統領が再選された途端80円を割り込み、株価がダウ平均300ドル下げ、米国経済の弱さを露呈した。
オバマ政権下の4年間は、弱く貧しげな米国経済とドル安が顕著であったが、その間、中国は元為替を後発途上国並みに低く抑え、年率10%前後の高度成長を維持し、2011年に国民総生産で世界第2位の経済規模を達成した。米国は、ドルの量的緩和とゼロ金利でドル安を誘導し、最大の貿易相手国となった中国の元の引き上げを期待していたが、結果は、中国の元の切り上げに失敗し中国の一人勝ちを許す一方、自らは弱いドル、弱い米国経済を演出した格好だ。演出ミスと言える。
このドル安、元安の最大の被害者は日本である。2011年には東日本大震災・津波被害の中で貿易赤字に転じ、また2012年は暦年でも会計年度でも上半期に貿易赤字を記録しおり、このまま円安が継続すれば日本経済の再生どころか、震災からの復興にも影響する。
米国が自国経済の活性化を優先することは理解できるが、ドルは国際的な基軸通貨であるので、基軸通貨国としての役割や責任を踏まえた節度ある行動が強く望まれる。ゼロ金利政策を1年以上継続し、量的緩和を長期に継続してドル安を長期に継続することは、ドルの優位性や信頼性を失わせ、ドルが1通貨となる恐れがあり、基軸通貨としての役割や責任を事実上放棄することになる恐れがある。基軸通貨としての米国の節度ある金融・為替政策を強く期待したい。
また世界第2位の経済規模となった中国も元を相当水準まで切り上げ、経済規模にふさわしい節度あるフェアーな行動を取ることが望まれる。
日本は、オバマ政権の過去4年間、米国の経済回復を期待しつつ国際協調を貫いて来ており、長期に続いていた貿易黒字から急速な円高により貿易赤字に転換した。これを更に4年間繰り返すことは困難であるので、米国と中国の責任ある経済運営、為替政策を期待する一方、これら両国が政策的に為替切り下げ政策を取っている以上、日本としては確固として金融の量的緩和と円安誘導を実施するなど、円高を阻止し、円為替の正常化に誘導、転換する措置をとるとの明確なメッセージを市場に改めて示し、具体的な措置を取る必要が出て来ていると言えよう。具体的には1ドル100円前後を目標として、ドル買い介入を続けるなど毅然たる措置を取ることが望まれる。少なくても短・中期的にはドル安はほぼ底の状態であると見られるので、大量のドル買いオペレーションを行っても大きな差損は予想されず、逆に差益を出す可能性が高い。
徴税し予算配分するという手法は、時間が掛かり過ぎ、また財政需要の規模に制約がある上、徴税により需要効果が減殺されるというデメリットがある。それを国債で賄えば国の借金を更に膨らませるだけだ。現在必要なことは、円安誘導により円為替の適正化を図り、また法人税減税などにより民間産業の活力を引き出すことが最も早道であろう。(2012.11.11.)(All Rights Reserved.)(不許無断引用)
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シリーズ平成の本音―JALは計画倒産だったのか?

2012-11-13 | Weblog
シリーズ平成の本音―JALは計画倒産だったのか?
 日本航空(JAL)は、11月2日、2012年9月の中間連結決算を発表し、営業利益が1,121億円、前年同期比5.7%増、税引き後利益997億円(2.4%増)と発表した。中間決算としては過去最高益を出したとのことであり、大手電気機器産業等が大幅赤字を記録し、経済停滞が続く中では喜ばしいニュースだ。日航はこの業績好調を背景として、株式を再上場して市場より資金を調達し、格安航空路線への参入や国際線の新規路線開設など事業を拡大する意図を明らかにしている。利用者にとっては一見良さそうではあるが、ライバル会社の全日空の上期営業利益が753億円(税引き後369億円)と下回っていることを考えると、3,500億円に及ぶ公的支援を受けている上、巨額の税金の免除を受けるなど公的な支援を受けていながら、他の航空会社の事業を圧迫する結果となっており、あの倒産劇は一体なんだったのだろうか。
 日航は3年ほど前に経営破たんに陥り、公的支援を受けながら企業再生することとなった。その際旧日航の株式については100%減資、上場廃止された。一部の人員解雇や年金の減額などが行われ、従業員も負担を負い、気の毒であったものの、従業員としての責任として仕方ないと思われるが、旧資本家は踏み倒されたことになる。特に日航側から事前情報などを提供されることがない一般株主は100%減資、上場廃止が公表されてから知るため、実体的に経営責任が全くないにも拘わらず株券は紙同然となり大きな損害を与えられている。
 特に、2008年2月末に旧日航は「2008年―2010年度再生計画」を発表し、“2011年3月までに純利益530億円、営業利益960億円を見込む”などとして1,500億円強の増資を行うことを発表し、増資を行っている。要するに、この増資発表から1年半ほどで経営破たんに陥っているので、増資発表時点で経営上の危機を知っていながら、“2011年3月までに営業利益960億円”などと虚偽の宣伝をして株を買わせ、1年前後で踏み倒したことになる。一般株式を踏み倒すための計画倒産のようであり、詐欺に近い。損害賠償を求めて株主代表訴訟が行われても不思議はないし、このようなことが容認されれば、同じような計画倒産が起こる可能性があり、多くの被害者が予想される。大手証券会社内のインサイダー取引など、株取引への内外の不信が募っているだけに、一般投資家の日本の株式制度への不信も強くなろう。
 整理倒産後2年強で大幅な営業利益が出たのであれば、少なくても2008年2月末以降に実施した増資分については、購入された株式に対し適正な補償がなされるべきであろう。
 また税法上優遇が与えられている期間は、他事業への出資や事業拡張などは規制されるべきであろうし、税法上優遇はもはや不要であろう。そもそも100%減資、上場廃止して旧株主を切り捨てて損害を与えた後、再上場して新たな株主を募り、短期間で大幅な営業利益を出して業界トップに返り咲くことは質の悪い手品を見ているようだ。日航は日本の航空業界を代表する資格はない。(2012.11.06.)
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シリーズ平成の本音―JALは計画倒産だったのか?

2012-11-13 | Weblog
シリーズ平成の本音―JALは計画倒産だったのか?
 日本航空(JAL)は、11月2日、2012年9月の中間連結決算を発表し、営業利益が1,121億円、前年同期比5.7%増、税引き後利益997億円(2.4%増)と発表した。中間決算としては過去最高益を出したとのことであり、大手電気機器産業等が大幅赤字を記録し、経済停滞が続く中では喜ばしいニュースだ。日航はこの業績好調を背景として、株式を再上場して市場より資金を調達し、格安航空路線への参入や国際線の新規路線開設など事業を拡大する意図を明らかにしている。利用者にとっては一見良さそうではあるが、ライバル会社の全日空の上期営業利益が753億円(税引き後369億円)と下回っていることを考えると、3,500億円に及ぶ公的支援を受けている上、巨額の税金の免除を受けるなど公的な支援を受けていながら、他の航空会社の事業を圧迫する結果となっており、あの倒産劇は一体なんだったのだろうか。
 日航は3年ほど前に経営破たんに陥り、公的支援を受けながら企業再生することとなった。その際旧日航の株式については100%減資、上場廃止された。一部の人員解雇や年金の減額などが行われ、従業員も負担を負い、気の毒であったものの、従業員としての責任として仕方ないと思われるが、旧資本家は踏み倒されたことになる。特に日航側から事前情報などを提供されることがない一般株主は100%減資、上場廃止が公表されてから知るため、実体的に経営責任が全くないにも拘わらず株券は紙同然となり大きな損害を与えられている。
 特に、2008年2月末に旧日航は「2008年―2010年度再生計画」を発表し、“2011年3月までに純利益530億円、営業利益960億円を見込む”などとして1,500億円強の増資を行うことを発表し、増資を行っている。要するに、この増資発表から1年半ほどで経営破たんに陥っているので、増資発表時点で経営上の危機を知っていながら、“2011年3月までに営業利益960億円”などと虚偽の宣伝をして株を買わせ、1年前後で踏み倒したことになる。一般株式を踏み倒すための計画倒産のようであり、詐欺に近い。損害賠償を求めて株主代表訴訟が行われても不思議はないし、このようなことが容認されれば、同じような計画倒産が起こる可能性があり、多くの被害者が予想される。大手証券会社内のインサイダー取引など、株取引への内外の不信が募っているだけに、一般投資家の日本の株式制度への不信も強くなろう。
 整理倒産後2年強で大幅な営業利益が出たのであれば、少なくても2008年2月末以降に実施した増資分については、購入された株式に対し適正な補償がなされるべきであろう。
 また税法上優遇が与えられている期間は、他事業への出資や事業拡張などは規制されるべきであろうし、税法上優遇はもはや不要であろう。そもそも100%減資、上場廃止して旧株主を切り捨てて損害を与えた後、再上場して新たな株主を募り、短期間で大幅な営業利益を出して業界トップに返り咲くことは質の悪い手品を見ているようだ。日航は日本の航空業界を代表する資格はない。(2012.11.06.)
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2012-11-13 | Weblog
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 日本航空(JAL)は、11月2日、2012年9月の中間連結決算を発表し、営業利益が1,121億円、前年同期比5.7%増、税引き後利益997億円(2.4%増)と発表した。中間決算としては過去最高益を出したとのことであり、大手電気機器産業等が大幅赤字を記録し、経済停滞が続く中では喜ばしいニュースだ。日航はこの業績好調を背景として、株式を再上場して市場より資金を調達し、格安航空路線への参入や国際線の新規路線開設など事業を拡大する意図を明らかにしている。利用者にとっては一見良さそうではあるが、ライバル会社の全日空の上期営業利益が753億円(税引き後369億円)と下回っていることを考えると、3,500億円に及ぶ公的支援を受けている上、巨額の税金の免除を受けるなど公的な支援を受けていながら、他の航空会社の事業を圧迫する結果となっており、あの倒産劇は一体なんだったのだろうか。
 日航は3年ほど前に経営破たんに陥り、公的支援を受けながら企業再生することとなった。その際旧日航の株式については100%減資、上場廃止された。一部の人員解雇や年金の減額などが行われ、従業員も負担を負い、気の毒であったものの、従業員としての責任として仕方ないと思われるが、旧資本家は踏み倒されたことになる。特に日航側から事前情報などを提供されることがない一般株主は100%減資、上場廃止が公表されてから知るため、実体的に経営責任が全くないにも拘わらず株券は紙同然となり大きな損害を与えられている。
 特に、2008年2月末に旧日航は「2008年―2010年度再生計画」を発表し、“2011年3月までに純利益530億円、営業利益960億円を見込む”などとして1,500億円強の増資を行うことを発表し、増資を行っている。要するに、この増資発表から1年半ほどで経営破たんに陥っているので、増資発表時点で経営上の危機を知っていながら、“2011年3月までに営業利益960億円”などと虚偽の宣伝をして株を買わせ、1年前後で踏み倒したことになる。一般株式を踏み倒すための計画倒産のようであり、詐欺に近い。損害賠償を求めて株主代表訴訟が行われても不思議はないし、このようなことが容認されれば、同じような計画倒産が起こる可能性があり、多くの被害者が予想される。大手証券会社内のインサイダー取引など、株取引への内外の不信が募っているだけに、一般投資家の日本の株式制度への不信も強くなろう。
 整理倒産後2年強で大幅な営業利益が出たのであれば、少なくても2008年2月末以降に実施した増資分については、購入された株式に対し適正な補償がなされるべきであろう。
 また税法上優遇が与えられている期間は、他事業への出資や事業拡張などは規制されるべきであろうし、税法上優遇はもはや不要であろう。そもそも100%減資、上場廃止して旧株主を切り捨てて損害を与えた後、再上場して新たな株主を募り、短期間で大幅な営業利益を出して業界トップに返り咲くことは質の悪い手品を見ているようだ。日航は日本の航空業界を代表する資格はない。(2012.11.06.)
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 日本航空(JAL)は、11月2日、2012年9月の中間連結決算を発表し、営業利益が1,121億円、前年同期比5.7%増、税引き後利益997億円(2.4%増)と発表した。中間決算としては過去最高益を出したとのことであり、大手電気機器産業等が大幅赤字を記録し、経済停滞が続く中では喜ばしいニュースだ。日航はこの業績好調を背景として、株式を再上場して市場より資金を調達し、格安航空路線への参入や国際線の新規路線開設など事業を拡大する意図を明らかにしている。利用者にとっては一見良さそうではあるが、ライバル会社の全日空の上期営業利益が753億円(税引き後369億円)と下回っていることを考えると、3,500億円に及ぶ公的支援を受けている上、巨額の税金の免除を受けるなど公的な支援を受けていながら、他の航空会社の事業を圧迫する結果となっており、あの倒産劇は一体なんだったのだろうか。
 日航は3年ほど前に経営破たんに陥り、公的支援を受けながら企業再生することとなった。その際旧日航の株式については100%減資、上場廃止された。一部の人員解雇や年金の減額などが行われ、従業員も負担を負い、気の毒であったものの、従業員としての責任として仕方ないと思われるが、旧資本家は踏み倒されたことになる。特に日航側から事前情報などを提供されることがない一般株主は100%減資、上場廃止が公表されてから知るため、実体的に経営責任が全くないにも拘わらず株券は紙同然となり大きな損害を与えられている。
 特に、2008年2月末に旧日航は「2008年―2010年度再生計画」を発表し、“2011年3月までに純利益530億円、営業利益960億円を見込む”などとして1,500億円強の増資を行うことを発表し、増資を行っている。要するに、この増資発表から1年半ほどで経営破たんに陥っているので、増資発表時点で経営上の危機を知っていながら、“2011年3月までに営業利益960億円”などと虚偽の宣伝をして株を買わせ、1年前後で踏み倒したことになる。一般株式を踏み倒すための計画倒産のようであり、詐欺に近い。損害賠償を求めて株主代表訴訟が行われても不思議はないし、このようなことが容認されれば、同じような計画倒産が起こる可能性があり、多くの被害者が予想される。大手証券会社内のインサイダー取引など、株取引への内外の不信が募っているだけに、一般投資家の日本の株式制度への不信も強くなろう。
 整理倒産後2年強で大幅な営業利益が出たのであれば、少なくても2008年2月末以降に実施した増資分については、購入された株式に対し適正な補償がなされるべきであろう。
 また税法上優遇が与えられている期間は、他事業への出資や事業拡張などは規制されるべきであろうし、税法上優遇はもはや不要であろう。そもそも100%減資、上場廃止して旧株主を切り捨てて損害を与えた後、再上場して新たな株主を募り、短期間で大幅な営業利益を出して業界トップに返り咲くことは質の悪い手品を見ているようだ。日航は日本の航空業界を代表する資格はない。(2012.11.06.)
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