作文小論文講座

苦手な作文を得意に。小学生から受験生まで、文章上達のコツを項目別に解説。作文検定試験にも対応。

感情を手放す

2012-09-11 | お知らせ
 勝負ごとでわざと負けると、脳波がアルファー波やシーター波優勢となって、リラックス効果があるという記事を読んだことがあります。ジャンケンでも、ちょっと後出しをして相手を勝たせてあげるといいらしいです。もちろん、絶対に負けられないという真剣勝負のときもあるでしょうから、いつもわざと負けるわけにはいかないと思いますが、一度試してみるとその効果を実感できるかもしれません。執着心を捨て、ふっと肩の力を抜き、相手にゆずる気持ちを持つと、自分自身も癒されるというわけです。

 私たちの心...の中は、いろいろな感情で占められています。ときには、怒りや心配や悲しみなどの気持ちに占領されてしまうこともあります。しかし、『人生を変える一番シンプルな方法』という本には、人は、強く握りしめたペンを一瞬で手放せるのと同じように、さまざまな感情もその気になれば一瞬で手放せると書かれています。何を感じているかをしっかり認識した後、「この感情を手放せますか?」と問いかけ、イエスかノーかで答え、イエスなら、すぐに手放せばいいだけです。不思議なことに、ノーと答えても手放すことができる場合が多いそうです。たぶん、質問すること自体に意味があるからだと思います。

 この方法を発見したれスター・レヴェンソンは、「人は皆、無限の可能性を持った存在であり、人を制限するのは、頭の中に作り上げた制限の概念だけだ」と言っています。感情というのは、単に自分が感じていることであって、自分そのものではないのに、その感情に振り回されてしまうと、人間が本来持っている無限の可能性を発揮できなくなってしまうというのです。感情を味わうことは大事なことだと思います。でも、そこに留まってしまうと、新たな可能性の扉を開くことはできません。

 私たちは、つい目の前のことだけに真剣になってしまいます。それは、もちろん、すばらしいことなのですが、ふと視線をそらし、異なる視点から自分を見つめたとき、初めて気がつくこともあるはずです。勝つことだけにとらわれているときは心がギュッと固くなった状態、逆に、わざと負けるという意外な発想をしたときは心がリラックスして何でも受け入れられる状態になっているのかもしれません。そして、そんなとき、本来持っている無限の可能性を発揮できるのではないかと思います。


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