九州大学山岳部 ブログ 「QUAC blog」

日々の活動、部員の声etc... QUACの日記です。

我らが初阿蘇、赤谷・ダイレクト尾根より

2025年01月16日 | 週末の活動・個人山行記録etc...
こんにちは。森です。友人のK―『よそよそしい頭文字などはとても使う気にならない。』―木下さんと米澤さんと阿蘇の赤谷ダイレクトに行ってきました。初阿蘇ですよ。木下さんも。初阿蘇です。ワクワクだね。今回はブログを書くことが確定していたので写真も撮ってきました。話したいことがたくさんあるんだ。

この山行、発端は冬合宿の帰り道。二人は山に飢えていました。いっそこのままアルプスで別の山に行くかという話も出るほどに。そこで思い出したのが米澤さん。成人の日を含む三連休が空いていると聞いていました。お誘いすると返事はOK。当初は久住に行くつもりでしたが米澤さんの提案を受けて阿蘇に変更。行き場のない気持ちにサンドバッグが与えられました。

集合は12日13時に米澤さんの家。伝達不足で食料を用意していなかったり氷瀑登攀にもかかわらず私がアイスアックスを持ってきていなかったりしましたがそれはそれとして。米澤さんの運転で仙酔峡へ。免許早く取りたいな。前日よく眠れなかったということもあり爆睡かましてしまいました。申し訳ない。到着。雪だるまさんこんにちは。

偵察がてら鷲見平へ。よーく見えるぞ。米澤さんに地形を習います。左双コブが「虎ヶ峰」。その右V字に切れ落ちて「関門」。右の小さな三角が「ジャンダルム」。大きく「鷲ヶ峰」が見えて。「北尾根」が長く続きます。

九州大学山岳部の慰霊碑に手を合わせたのち、近場の小滝で氷瀑登攀の練習をという話になりました。氷壁とは言い難いかな。水の音が聞こえる。というか見える。上からトップロープをかけまして。木下さんが登ります。脆い。あまりにも脆い。蹴りこんだところが崩れていくせいでなかなか足が上がりません。ようやく両足が地を離れたその時です。氷塊が崩壊しました。それはもう根元からバキリと。リードしてたら木下さん潰れてましたね。ビレイ位置によっては私も。フフ。壊れてしまったものは仕方がないので撤収です。なにもしてないのに壊れた。



テントは避難壕の中に張りました。少し風が防げていい感じ。私は冬用シュラフを持っていきましたが米澤さんは夏用シュラフ、木下さんはシュラフカバーのみ。二人とも寒くてほとんど眠れなかったと。かくいう私も貧弱マットからの底冷えのせいで快適にとはいきませんでしたが。銀マットを持ってくる余裕はなかったな。今日は満月。ヘッデンもいらないほどに。

さて13日。出発は6時。途中複雑な砂防ダムに惑わされながらも関門に、そして赤谷へ。凍ってない。いえ凍ってはいるのですが。薄くて刺せたものではない。上も凍ってないかもと不安を抱えながらもアイゼンクライミング気味に「出会いの滝」「チョックストーン滝」を超えます。


そして核心と聞く「のっぺりした滝」。氷は薄い。かといえ手でつかめるような岩もない。木下さんが挑戦しましたが1、2mほどの位置で滑り落ちました。下の雪がふかふかだったのでセーフ。なんとか左から巻けないかと試します。順調に登っていく木下さん。しかし上で動きが止まります。どうやらトラバースが悪いらしい。しかしここまでプロテクションをとっていません。進むも地獄退くも地獄。極まった先で木下さんが出した答えは、ハーケンを打ち込んでからのクライムダウンでした。しかしこれも効いているのかわからない。というかハーケンを打つのも初めてとのこと。こーれヤバいですよ。なんせビレイヤーも手が震えてましてましたから。極限の集中を以て無事着地。カラビナとスリングは残地。これにて撤退。冬合宿の雪辱ならず。


とその時、後続パーティが上がってきました。こんにちは。全然凍ってないですね。なんて話しながら、「のっぺりした滝」を楽々登っていきます。すごいな格好いいな。しかも僕らのロープでここだけ超えますかって。そんなご迷惑をかけるわけにはいかないと初めはお断りしました。しかし会話の中で「あそ望山岳会」の方々であることが判明。会長の松井さんと米澤さんはお知り合いとのこと。松井さんとこの人たちならお世話になっちゃおっかなんて。木下さん、ついでに私も引き上げてもらいました。全然登れなかったです。上の会話がよく聞こえます。頑張れ~。あの人アイスクライミング初めてなんですよ。えっそうなの。これはアイスクライミングじゃないけどね。岩を削ってアックス刺すんだよ。って。岩を削るってなんだ。ともあれ登り切れました。ありがとうございます。なおハーケンは残ってます。今後行かれる方は使わないでね。

米澤さんも登ってきて次の「三段滝」に向かいます。デカい。これぞ私の期待していた氷瀑ですよ。あそこで帰ってたらこれを登ることはできなかった。あそ望の方々には感謝してもしきれないね。ここは上部に「エイリアン氷」というせり出した特徴的な氷が付く、はずだったんですけどね。あそ望さんによると崩落で地形が変わってできなくなっちゃったと。悲しいね。次はどこが崩れるかわからない。山は逃げる。つくづく帰らなくてよかったと。


さて私は初めてのまともな氷瀑登攀となります。当然下手なもので米澤さんからいろいろ教わりました。腕1打に対して足は3段踏むといいと。なるほど足を上げすぎると立ちこむのが大変ですね。アックスは芯をブラさずまっすぐに打ち込まなくてはならないと。剣豪のアドバイスじゃん。でもだんだんわかってきました。これめちゃ楽しいやつですね。加えて前腕と脹脛への負荷がすごいやつだ。「三段滝」を超えたら赤谷は終了です。これで氷瀑登攀も終わり。ここからが苦しいと聞いています。カンスノツルかっけー。読み込みの遅いオープンワールドゲームみたい。

東側へトラバースしていきダイレクト尾根を目指します。これが悪い。まあ悪い。雪でふかふかな急登と危険地帯のトラバースを繰り返します。あそ望さんに先行してもらわなかったら抜けられたか怪しいね。これは「境界尾根」から撮ったカンスノツル。こっちもう一つ先の尾根から撮ったカンスノツル。カンスノツル大好きじゃん。だって格好いいんですもの。



ダイレクト尾根にとりつきます。トレースに沿って、下から一度東に回り込み草付きを超えていくルートです。これが最後のふかふか急登。三歩登って二歩落ちる。それなら足が落ちる前に次の足を上げるまで。今なら水も走れるな。そして出てきた岩稜帯。おそらくは「エスカルゴルンゼ」。その先のがきっと「腰かけ岩」。どちらも突き出た岩が多く簡単そうに見える。でもそれが阿蘇の岩質的に崩れそうにも見える。でもこんなに有名なルート、崩れる岩なら今ここにないと信じて登ります。リードの木下さんはもっと怖かっただろうな。次来るときは私がやりたい。登り切ってパシャリ。霧に隠れた鷲と北尾根がいい感じ。





少し登ると一般登山道に合流。やりきったぜ。米澤さんには先に仙酔尾根から降りていただいて。木下さんと二人で高岳に寄り道です。いえーい。初阿蘇いえーい。


達成感と疲労感から集中力も限界。米澤さんに追いつくまで足跡を一瞬見失ったり岩につまずいたりしながら仙酔尾根を下ります。大丈夫。雪がすべてを覆い隠してくれるから。というかこの尾根長いんですよ。バカ長い。中間点からの景色です。前向いてパシャリ。後ろ向いてパシャリ。うーんバカ長い。



そんなバカ長い尾根を下りきって駐車場。疲れました。主に下りで。我々が壊した滝は戻ってませんでした。ちょっと成長してるかも。帰りは木下さんの運転です。カフェインきめて頑張ってくれました。

話したい事全部話してたら長くなってしまいました。それだけ楽しい週末だったんですよ。お付き合いいただきありがとうございました。さようなら。雪だるまさんさようなら。




 

コメント
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