サウム(断食・斎戒)のスンナ(預言者の慣行)とマナー
1、少しの水でも良いので、断食前に何か体内に入れること。この食事をアラビア語でスフールといいます。これをぎりぎりまで遅らせることが良いとされます。
断食に備えるためにスフールは大切です。
このことは、サヒーハイン(アル=ブハーリーとムスリムのハディース書二つ)にあります。《皆、スフールをとりなさい。スフールには祝福があるから。》
アル=ハーキムが伝える正しいハディースによると、《サハル(夜中)の食事(=スフール)で昼間のサウムに備えなさい。そして軽い昼寝で夜の礼拝に備えなさい。》
アル=イマーム・アハマドが伝えたハディースに、《信者たちが断食明けの食事を急ぎ、断食前の食事を遅くしている間は、まだ私の共同体は健全である。》というのもあります。
2、日が暮れたのが確実に分かった時点で、礼拝前に急速に食事をして断食を解くこと。
ナツメヤシを最初に食べることが好まれます。無いなら、甘いもの、無いなら、水です。何でも3などの奇数にすることが好まれます。3個食べる、3回に分けて飲む、などです。
預言者様(アッラーの祝福と平安あれ)の行いに倣って、マグリブの礼拝前に断食を解くことが好まれます。(ムスリムが出典したアーイシャ様(アッラーの御満悦あれ)のハディースと、イブン・アブドゥ=ル=バッルが出典したアナスのハディースに拠る)
奇数が好まれる理由は、アナスが伝えるハディースが根拠になっています。
《アッラーの使徒様(アッラーの祝福と平安あれ)は決まって、礼拝前に何個かの生ナツメヤシで断食を解き、生ナツメヤシが無ければ乾燥ナツメヤシを召し上がっていました。乾燥ナツメヤシが無いときは、何口かで水を飲んでいらっしゃいました。》
3、断食明け食事直後に、伝承された祈願文句を使って祈願をすること。
《アッラーフンマ インニー ラカ スムトゥ、 ワ アラー リズキカ アフタルトゥ、 ワ アライカ タワッカルトゥ、 ワ ビカ アーマントゥ、 ザハバッザマウ、 ワブタラティルウルーク、 ワ サバタルアジュル インシャーアッラーフ タアーラー、 ヤーワースィアルファドゥル イグフィル リー、 アルハムドゥリッラーヒッラズィー アアーナニー ファスムトゥ、 ワ ラザカニー ファアフタルトゥ》
《اللهم أني لك صمت، وعلى رزقك أفطرت، وعليك توكلت، وبك آمنت، ذهب الظمأ، وابتلت العروق، وثبت الأجر إن شاء الله تعالى، يا واسع الفضل اغفر لي، الحمد لله الذي أعانني فصمت، ورزقني فأفطرت》
(アッラーよ 私はあなたのために斎戒し、あなたの糧で斎戒を解き、あなたにおすがりし、あなたを信じました。渇きは去り、体の隅々が潤いました。至高なるアッラーが御望みであれば、報奨は確定します。寛容なる御方よ 私をお赦しください。彼の御力添えのおかげで私は斎戒を全うし、彼の糧によって私は断食を解きました。その御方に賞賛がありますように。)
4、他の斎戒者に食物を勧めること。一粒のナツメヤシでも、一口の水であってもかまいません。彼らを満腹にすることが一番良いです。
5、ファジュル(夜明け)前に交わり、月経、出産から清まること(=グスル)。
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