試験の前日に夜遅くまでいちゃいちゃしていたせいで、寝坊して受けられなかった和樹と瑞希。
再試験は『やむを得ない事情』がない限り認められない、とのことなので、
2人で示し合わせて、教授に直談判することにした。
「実は教授、高瀬の実家のお母さんが急病で倒れたので、俺が車で送って行ったんです」
「そうなんです。幸い大した事がなかったので、すぐに戻ってこられたんですけど、
帰りに車がパンクしちゃいまして……」
腕組みをした教授は、鷹揚に頷いて、こう言った。
「ま、それではしょうがないな。よろしい、明日再試験をしよう」
翌日、別々の個室に通された二人の前に、試験問題が配布された。
問一(配点5点)
夏目漱石の作品を一つ挙げよ。
問ニ(配点95点)
パンクしたタイヤはどのタイヤだったのか解答せよ。