カヴァーズ~ヴェントリロクイズム | |
ミシェル・ンデゲオチェロ | |
Pヴァイン・レコード |
遅れましたが、ミシェル・ンデゲオチェロの最新作です。今回はカヴァー曲のみですが、Ventriloquism(腹話術)というタイトルから、より身体性を込めたカヴァーを試みたのでしょう。
まず私の心をグッととらえたのはAtomic Dog 2017……Pファンクのリーダーであるジョージ・クリントンの曲なのですが、とても重要な曲だと感じました。
レッチリのフリーも大絶賛のギタリスト/ブラックバード・マックナイトの奥さん(日本人!)によるこの曲の解説を読んで、その感覚が間違っていないことを勝手に確信!!
前作で参加していたドイル・ブラムホール(近年のエリック・クラプトンの右腕的存在)とミシェル・バンドのクリス・ブルースのギターがいい感じです。
原曲に忠実な感じのカヴァーの中ではDon't Disturb This Grooveが好きですね。
シャーデーの名曲は、原曲とずいぶん異なり、スムースでないSmooth Operatorという不思議?
TLCのWaterfallsは、滝から急落するように麻薬に溺れていく人々への曲です。
この曲は『We're The Millers』(邦題/なんちゃって家族)という2013年のコメディにかなり重要な意味で使われています。
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クリエーター情報なし | |
ワーナー・ホーム・ビデオ |
ブラピの元奥さんジェニファー・アニストンも出ているこの作品は、麻薬の売人が主人公のお下劣ストーリーなのですが、真面目過ぎない人であれば、ちょっと?引きつつも、けっこう笑えると思います。
おそらく本当に麻薬などに溺れる人は、クソ真面目なだけの麻薬反対ストーリーなんて見たくもないでしょうから、下ネタや世相を皮肉ったユーモアで心理的ハードルを下げているのでしょう。
印象的だったのは、主人公が床屋さんで髪型を真面目そうな雰囲気に変えようとするシーンです。
このシーンを見ると、日本人より自由でポジティブにビジネスを楽しんでいるイメージのアメリカ人も、クソ上司や長い通勤時間そして思い通りにいかない子育てや夫婦間など、多くは日本人と大差のない抑圧と混乱の中で生きているんだな…とちょっと意外な共感からムフフとなる人も?
こういう過激なユーモアがアメリカのすごい所だとは思いますが、人によってはかなり過激かもしれないので、頭の固い人は決して見ないで下さい!!