遅れましたが、年末にボヘミアン・ラプソディを見ました。
私、Queenは全く聴いてなかったのですが…なんだか気になって、見たいな~と思っていたのです。
そんなある休日、意外な友人からこの映画を絶賛するメールが届き、すぐに行ってみました!
Queenというと、とっても濃~いフレディ・マーキュリーのオーバー・アクションなイメージが強かったのですが(そのため生理的に聴く気にならなかった…という人と今日話した)、映画を見ると、その秘められた思いに気づかされました。
フレディの祖先は、ペルシャ(イラン)の国教的地位だったゾロアスター教(紀元前6世紀~!)徒なのですが、イスラム教の興隆により(7世紀頃)、裸一門で追い出されてインドへ…その後イギリスに辿り着く…と、かなり複雑な境遇だったそうです。
同じ人間なのに、世界は進歩しているはずなのに、現代でも人種や宗教、ジェンダーなどによる差別や迫害はなくならず、無力な人々ほど何も言えず社会の隅に追いやられてしまいます。
でも、そんな多くの犠牲を背負った人々の中から、外側からの有無を言わせぬ暴力や即効力でないものが、時や国境を超え生まれてくるのでしょう。
ブライアン・メイも、おそらくフレディ家の苦難をふまえて、インタビューの中で「僕は壁ではなく橋を作りたいんだ」と語っているのでしょう→ブライアン・メイ単独インタビュー
映画でもベースってカッコイイな~と思うシーンがありましたが、ベーシストのジョン・ディーコンはファンク入れ込んでいて、ロジャー・テイラーのヒーローはジョニ・ミッチェルやボブ・ディランだなんて!…もっとQueenを聴いてみようと思いました→ロジャー・テイラー単独インタビュー
そして、フレディ・マーキュリーは、猫が好きだったんですね!
映画では、猫好きにはたまらないシーンが何度かあるので、猫好きにもオススメかもしれません(短い癒しパートとして登場――猫のあの音が映画館全体に響きます!)。
ちょっとだけ、この映像にも猫シーンが……
そう言えば、猫の祖先と推測されているリビアヤマネコも中東(北アフリカ~中東~西アジア)に生息していましたね。
およそ一万年前のメソポタミア(現在のイラク中心部)で、穀物を栽培するようになったら、それを目当てにネズミが増え、困っていたらリビアヤマネコが集まってきてネズミをパクッ!…という流れで人に飼われるようになった、と考えられています。
ヨーロッパやアフリカそしてアジアをつなぐ中東とは、石油もあるし、とても複雑で、歴史的なことがたくさん起こっているのですね。
フレディは毎日多くの人々に囲まれていても、精神的にはけっこう孤独だったのかな~とも感じました。
彼のルーツやジェンダーは、自分でも訳がわからないほど混乱して理解不能だっただろうし、理解するふりをして近づいてくる人ほど彼を利用しようとするだけだったり…マイケル・ジャクソンもそんな感じでしたよね。
それにしてもBohemian Rhapsodyは、すばらしい曲ですね!
Queen - Bohemian Rhapsody (Official Video)
なんとなく聴いたことがあったけれど、きちんと聴いてみると、長さを感じさせないし、なんだかサージェンド・ペパーズを思い出すカラフルなサウンド!!
歌詞も調べてみると、人種や宗教そしてジェンダーなど、あらゆるジャンルの間を揺らぎゆく心が、とてもうまく表現されているように感じました。
その揺らぎの中で、それぞれ異なった壁で隔てられてゆく私たちの、いつもは意識していない心の奥底をつなぐ橋となってくれるのでしょう!
歓声などもあげていいライブ形式の映画館もあるらしく、友人なんて4回も見に行ったそうですよ!
いつまでやっているのかはわかりませんが、映画館で体感するのがオススメです!!