こんにちは、こんばんは。
今回作・演出を務めていました、松岡悠河です。
『ダムの見える町』を観に来て下さった皆様、ありがとうございました。秋の公演の稽古場日誌はこれが最終回となります。
最後の稽古場日誌なので、なにか感動するようなことが書けたらそれっぽくていいなと思ったのですが、どうも私にはそのような文章は書けそうにありません。
いい感じの稽古場日誌はたぶん私よりも前に書いた人のを見る方がいいのではないかと思います。
ということで、今回は『ダムの見える町』について、軽く小話程度のことを書いていこうと思います。
小話、というか脚本制作時のことを思い返すという感じですかね。
今回の脚本に関しては前回公演の時から考えていました。夏公演『ケンジ君ちの熱帯夜』ですね。
夏公演よりも前に、劇団MONOさんの創立30周年の公演『はなにら』を観に行きまして、自分もあんな作品を書いてみたいと、脚本を考え始めたときには思っていました。
そして書き始めたのものがその名も『はなみいら』。完全にダジャレですね(笑)。テーマとしては「一歩踏み出す勇気」についての物語を考えていました。自分なりに考えていたんですね、将来のこととか。それで自分自身を励ますような方向で話を考えていました。雰囲気は『はなにら』みたいな感じで、ちょっとしっとりと良い感じに終わって、カーテンコールの時の音楽にはジブリの『紅の豚』で流れた「時には昔の話を」みたいな曲を流してもらおうなんて考えていました。なんだか少し恥ずかしい……。
今考えたら『はなみいら』ってタイトルでやってたら怒られてそうでしたね。
まあそんな方向性で合間合間の時間を使って書き進めておりました。
しかし話を考えているうちに、私の悪い癖なんですが、こんなに上手くいくことってある? と思い始めてしまいました。
どこかひねくれているのかもしれません。
去年の夏公演『幽霊をきっかけに』の時も実はそうでした。最後はハッピーエンドで終わらせるつもりだったのに、書いているうちにそんな都合のいい話があるものか、と思って登場人物たちの意図しない方向に話を持っていってしまうのです。そして最後はバッドエンド。
自分が観る分にはハッピーエンドが好きなのに、変な話ですよね(笑)。やっぱりどこかバッドエンドが好きなのかもしれません。
今回もそうで、今回の場合はそれにプラスで人生経験の浅い自分に良い話は書ききれないと感じました。どうにもことばが薄っぺらく感じてしまうのです。
そしていろいろ疲れて、夏公演の最中で一度書くのを止めました。
それから夏公演が終わり、しばらくが経って、そろそろ次の公演が始まるなと考えたときに急に焦り始めました。マズイ、脚本の提出まであと二週間しか残ってない! でも一文字も書いてない‼ と。
そして急いで脚本を考えて書き始めました。
前に書いていた『はなみいら』はボツにしていたので新しい話で。
それで『ダムの見える町』ができ、無事に上演することができました。ほんとうにありがとうございます。
『はなみいら』はボツにしましたが、『ダムの見える町』はまったく新しく話を考え直したというわけでもありません。基本は同じところが多いのです。
『はなみいら』を書いていた時に考えていた舞台設定や舞台図はそのまま使えましたし、登場人物の設定や関係性などもいくつかはそのまま使うことができました。田舎のカフェ、陽気な近所の人たち、夢を追う娘と都会から来た若者など。
「一歩踏み出す勇気」というテーマも変えないで書きました。最終的にはかなり歪んだ形になってしまいましたが、書きたいテーマで書けたと思います。すごく自己満足ではあるのですけど。
考えているうちに色々な要素が加わっていき、じつはもともとダムの要素はない話だったのですが、いつのまにやら、本当に自分でも思い出せないくらいにいつのまにやらダムの要素が加わり、物語の中でとても大きな役割を占めていました。タイトルにまで付けているほどですから不思議なもです。
水害というとてもデリケートな話題を扱ったので、正直なところ内心とても不安に思っていました。誰かにとってはとてもつらい話なのではないかと。
そして本番一週間前に台風が来てダムのニュースが話題になり、胃が痛んでおりました。お天道様も意地悪なことをするものです。
悲しいことはすべてフィクションの中だけの出来事になってしまったらいいのに、などと思ったり。ほんと、そうですよね。
物語の舞台のモデルは私の地元でして、最近朝ドラの舞台にもなったらしいですね。方言も関西弁なのですが、私の地元で話されている関西弁を使いました。ちょっとした違いしかないのであまり気づかれなかったかもしれません。役者の皆さんには頑張ってもらいました(笑)。
そんなこんなで脚本ができ、稽古をし、舞台ができて無事に終演することができました。
思えば一回生で入団してこれまでずっと役者をやってきて、最後は演出をして終わりと、なかなかきれいに締められたと自分なりに思います。
私自身とても楽しく演劇をすることができました。
でも、どうせならもうちょっと役者をやりたかったような気も、みんなとお芝居を作りたいという気もあるような……。
どこか名残惜しいような気もします。
来年の冬の卒業公演、まだ先の話でどうなるかわかりませんが、また戻って来てリツゲイで演劇をやりたいと思います。
リツゲイで演劇やって楽しいと思えたので、また戻って来たいと思います。
やっぱり役者もやりたいけど、また脚本も書きたいな、なんて思ったり。どうせ書くなら次はコメディか心温まる話でも書きたいところです。
ですがあまり先の話をしていても仕方なし。来年の話ばかりしていると鬼に笑われてしまいます。
なんだかよくわからない話になりましたね。
この稽古場日誌で秋公演は終わり、もうすぐ冬の公演が始まるでしょう。
我々の回生がいなくなり、新しくなっていくこれからのリツゲイの公演、とても楽しみです。
これからのリツゲイも、どうかよろしくお願いします。
最後に改めて、『ダムの見える町』を観に来て下さった皆様や、関係者の方々にお礼申し上げます。
ほんとうに、本当にありがとうございました。
以上、自分語りな最後の稽古場日誌でした。
それでは、さようなら。
今回作・演出を務めていました、松岡悠河です。
『ダムの見える町』を観に来て下さった皆様、ありがとうございました。秋の公演の稽古場日誌はこれが最終回となります。
最後の稽古場日誌なので、なにか感動するようなことが書けたらそれっぽくていいなと思ったのですが、どうも私にはそのような文章は書けそうにありません。
いい感じの稽古場日誌はたぶん私よりも前に書いた人のを見る方がいいのではないかと思います。
ということで、今回は『ダムの見える町』について、軽く小話程度のことを書いていこうと思います。
小話、というか脚本制作時のことを思い返すという感じですかね。
今回の脚本に関しては前回公演の時から考えていました。夏公演『ケンジ君ちの熱帯夜』ですね。
夏公演よりも前に、劇団MONOさんの創立30周年の公演『はなにら』を観に行きまして、自分もあんな作品を書いてみたいと、脚本を考え始めたときには思っていました。
そして書き始めたのものがその名も『はなみいら』。完全にダジャレですね(笑)。テーマとしては「一歩踏み出す勇気」についての物語を考えていました。自分なりに考えていたんですね、将来のこととか。それで自分自身を励ますような方向で話を考えていました。雰囲気は『はなにら』みたいな感じで、ちょっとしっとりと良い感じに終わって、カーテンコールの時の音楽にはジブリの『紅の豚』で流れた「時には昔の話を」みたいな曲を流してもらおうなんて考えていました。なんだか少し恥ずかしい……。
今考えたら『はなみいら』ってタイトルでやってたら怒られてそうでしたね。
まあそんな方向性で合間合間の時間を使って書き進めておりました。
しかし話を考えているうちに、私の悪い癖なんですが、こんなに上手くいくことってある? と思い始めてしまいました。
どこかひねくれているのかもしれません。
去年の夏公演『幽霊をきっかけに』の時も実はそうでした。最後はハッピーエンドで終わらせるつもりだったのに、書いているうちにそんな都合のいい話があるものか、と思って登場人物たちの意図しない方向に話を持っていってしまうのです。そして最後はバッドエンド。
自分が観る分にはハッピーエンドが好きなのに、変な話ですよね(笑)。やっぱりどこかバッドエンドが好きなのかもしれません。
今回もそうで、今回の場合はそれにプラスで人生経験の浅い自分に良い話は書ききれないと感じました。どうにもことばが薄っぺらく感じてしまうのです。
そしていろいろ疲れて、夏公演の最中で一度書くのを止めました。
それから夏公演が終わり、しばらくが経って、そろそろ次の公演が始まるなと考えたときに急に焦り始めました。マズイ、脚本の提出まであと二週間しか残ってない! でも一文字も書いてない‼ と。
そして急いで脚本を考えて書き始めました。
前に書いていた『はなみいら』はボツにしていたので新しい話で。
それで『ダムの見える町』ができ、無事に上演することができました。ほんとうにありがとうございます。
『はなみいら』はボツにしましたが、『ダムの見える町』はまったく新しく話を考え直したというわけでもありません。基本は同じところが多いのです。
『はなみいら』を書いていた時に考えていた舞台設定や舞台図はそのまま使えましたし、登場人物の設定や関係性などもいくつかはそのまま使うことができました。田舎のカフェ、陽気な近所の人たち、夢を追う娘と都会から来た若者など。
「一歩踏み出す勇気」というテーマも変えないで書きました。最終的にはかなり歪んだ形になってしまいましたが、書きたいテーマで書けたと思います。すごく自己満足ではあるのですけど。
考えているうちに色々な要素が加わっていき、じつはもともとダムの要素はない話だったのですが、いつのまにやら、本当に自分でも思い出せないくらいにいつのまにやらダムの要素が加わり、物語の中でとても大きな役割を占めていました。タイトルにまで付けているほどですから不思議なもです。
水害というとてもデリケートな話題を扱ったので、正直なところ内心とても不安に思っていました。誰かにとってはとてもつらい話なのではないかと。
そして本番一週間前に台風が来てダムのニュースが話題になり、胃が痛んでおりました。お天道様も意地悪なことをするものです。
悲しいことはすべてフィクションの中だけの出来事になってしまったらいいのに、などと思ったり。ほんと、そうですよね。
物語の舞台のモデルは私の地元でして、最近朝ドラの舞台にもなったらしいですね。方言も関西弁なのですが、私の地元で話されている関西弁を使いました。ちょっとした違いしかないのであまり気づかれなかったかもしれません。役者の皆さんには頑張ってもらいました(笑)。
そんなこんなで脚本ができ、稽古をし、舞台ができて無事に終演することができました。
思えば一回生で入団してこれまでずっと役者をやってきて、最後は演出をして終わりと、なかなかきれいに締められたと自分なりに思います。
私自身とても楽しく演劇をすることができました。
でも、どうせならもうちょっと役者をやりたかったような気も、みんなとお芝居を作りたいという気もあるような……。
どこか名残惜しいような気もします。
来年の冬の卒業公演、まだ先の話でどうなるかわかりませんが、また戻って来てリツゲイで演劇をやりたいと思います。
リツゲイで演劇やって楽しいと思えたので、また戻って来たいと思います。
やっぱり役者もやりたいけど、また脚本も書きたいな、なんて思ったり。どうせ書くなら次はコメディか心温まる話でも書きたいところです。
ですがあまり先の話をしていても仕方なし。来年の話ばかりしていると鬼に笑われてしまいます。
なんだかよくわからない話になりましたね。
この稽古場日誌で秋公演は終わり、もうすぐ冬の公演が始まるでしょう。
我々の回生がいなくなり、新しくなっていくこれからのリツゲイの公演、とても楽しみです。
これからのリツゲイも、どうかよろしくお願いします。
最後に改めて、『ダムの見える町』を観に来て下さった皆様や、関係者の方々にお礼申し上げます。
ほんとうに、本当にありがとうございました。
以上、自分語りな最後の稽古場日誌でした。
それでは、さようなら。
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