映画『俺たちに明日はない』を配信で見る。
古典名作を100円で見られるのが今の時代。
因みに1967年作。
かつて、悪さする男女コンビは、ほぼ必ず、この映画の名前で呼ばれていたはずだ。
故に私としては、てっきり映画では、さぞ狡猾でスマートな完全犯罪をこなしているのだろうと思っていた。
実際に見た映画は非情だった。
ボニーとクライドの二人は、そもそも旅の最初の時点から関係が破綻している。
女は男と二人きりでロマンチックに過ごして(セックスして)いたい。
退屈すぎる生活に刺激が欲しい。
男はいつも大勢でにぎやかに過ごしていたい。
働かずに楽して金が欲しい。
この通り価値観が食い違いすぎている。
そんな彼らは出会った勢いに任せて強盗を始め、少年院帰りの少年を仲間に入れた辺りからますます事態は袋小路。
そこに更に、男の兄とその妻まで混ざり、兄嫁は小姑化。
銀行を襲うなどの華やかな描写よりも、追いつめられていく絶望感の方が印象に残った。
ラストシーンは呆気ない。
もし今時の映画だったら、死に際に延々と喋ったりしそうな気がする。
人生を踏み外したら、殺されるか死ぬしかないってのは、悲しい。
それでは。また次回。