『僕僕先生』(by仁木英之)、読了。
タイトルだけで読んでみた。
「僕僕」って何だ?と引っ掛かった時点で、作者の思惑に嵌まっていたと、読んで知った。
時は古代、所は中国の唐。
財産など環境に恵まれ、のんびりぼんやり生きている青年・王弁は、山の庵に住む仙人に気に入られ、遠大な冒険の旅へ出る。
先に断るが、私は「歴史もの」が非常に苦手である。
前後する時系列、見分けのつかない多数の登場人物、求められる前提知識など、読んでて疲れる要素が多いというのが私の理由。
あと、大抵、戦乱などの残虐な描写が付いて回るのも追加で。
翻って本作は、文章は基本的に読みやすく、頭に入りやすかった。
昔よりは自分、中国の歴史や伝承について覚えてる事も増えたし、作中の解説も丁寧だったし。
ただ、状況を思い浮かべるのに苦労させられたのは残念。
どうも挿絵に引きずられて、王弁も僕僕ももっと幼い外見に感じてしまった。
特に僕僕は、本来は「妙齢の少女」なのだろうが、私には小学校高学年くらいの「子供」のイメージが強く、それと王弁が本気で恋愛(とその先を)しようとドキドキする流れに、ちょっと付いていけなかった。
もっとフラットなスタンスで読めば、また違った感想になるかもしれない。
それでは。また次回。