好事家の世迷言。

調べたがり屋の生存報告。シティーハンターとADV全般の話題が主。※只今、家族の介護問題が発生中です。あしからず。

事件79『そして人魚はいなくなった』(第28巻)考察。

2011-04-17 | 『名探偵コナン』原作考察
舞台は、「不老不死の人魚伝説」を持つ福井県の美國島。

コナン・蘭・小五郎、そして平次&和葉の5人は、
その島での「美國神社」にまつわる連続殺人事件と関わる事になる。

物語最後では勿論、事件の犯人が明かされる。
だが実を言えば、その“犯人”もまた、
別の意味での被害者である。

“犯人”の自白を受け、島の者たちはこう打ち明ける。

「島の若い衆以外はほとんど知っていたんじゃ」
「この島は人魚の島じゃし……(略)……
ワシらは黙って手助けしようという事になったんじゃ」
「島のためとはいえ今まですまんかった」

上記の台詞から分かるように、一連の事件の真犯人は、
この美國島の島民全体である。
ひいては「不老不死」という悪夢に縛られ、
現実から目を背けていた事自体が、全ての元凶なのだ。

物語の終盤での、「命には限りがあるからこそ」という平次の言葉は、
まさしく正論である。

ただ、個人的に気になる点。
その正論を述べた平次自身がどのようにして生還したのかが
省かれてしまった事。
実際どのように頑張ったのか、その生々しい現実を描ききっていれば、
説得力はより増しただろうに、惜しい。

それでは。また次回。
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