『頼むから静かにしてくれ』(byレイモンド・カーヴァー)、読了。
1・2巻の分冊を一気読み。
ン十年前の事。友人が本を読みふけっていて、私は他の友人と何かの話で盛り上がっていた。
不意に友人が、読んでいたそのハードカバーの本をパタン!と閉じた。
その表紙に書かれていたのが『頼むから静かにしてくれ』。
友人いわく、あくまで偶然だったのだが。
それ以来、気になり続け、けれどタイトル以外何も知らない本をハードカバーで買う予算も機会もなく、結局図書館のお世話になった。
それで手に取れた物は、なぜか2冊の分冊になっていた。
1冊目は13編、2冊目は9編と分かれている。
しかも、『頼むから~』は、何と2冊目の一番最後。
覚悟して全部読むかと表紙を改めて、またも村上春樹氏訳と知って、浮かんだ嫌な予感が、当たった。
どの話も、生活に疲れた人たちの日常の一コマ。
大抵ああでもこうでもと会話が繰り返され、出来事は途中でそのまま終わって。
「それで結局どうなった?」というフラストレーションが私には残ってしまう。
『頼むから~』は、そんな鬱屈の極地。
そもそも私は現実逃避の手段として読書をしてるわけで、そんな私とはまるで相容れない作風としか言いようがなく。
22編も一気読みして、感性の合う話が皆無というのも逆に凄い。
今回は、長年のわだかまりを消せただけでも良しとしよう。
それでは。また次回。