『あいにくの雨で』(by麻耶雄嵩)、読了。
この本には、木更津もメルカトルも登場しない。
一応、独立したストーリーと考えられる。
一応と断るのは、主人公が「如月烏兔(きさらぎ うと)」という
名前のためだ。
調べたところ、烏有の弟……らしい。(明言はされてない)
この作品の特徴は、何と言っても、いきなり「13章」から始まる点だろう。
本来なら物語の肝心要だろう部分、裏表紙の惹句にもある
密室トリックが、冒頭で一通り明かされてしまうのだ。
まるで、賭けポーカーの手札5枚を、
賭けの最初にショーダウンしてしまうかのように。
が、その一見無謀な展開こそ、こちら読者の目を欺く作者の手腕。
事件の展開自体には、最後まで目が離せない。
個人的にやるせないのは、やはり作風の暗さ・重さだ。
高校生たちによる生徒会での裏家業、学校内のスパイ探しと
並行して描かれる、連続殺人事件。
最後の真相が明かされた時、残されるのは絶望しかない。救いはない。
あと、正直なところ困るのが、人名地名などの固有名詞が
本当に読みづらく、覚えられない点。
「蒜田(さんだ)」と「崖瓜(がいら)」が、
(深い意味のない)怪獣ネタだと知った時は軽く頭痛がした。
出来れば、人物紹介欄が欲しかったな。
それでは。また次回。
この本には、木更津もメルカトルも登場しない。
一応、独立したストーリーと考えられる。
一応と断るのは、主人公が「如月烏兔(きさらぎ うと)」という
名前のためだ。
調べたところ、烏有の弟……らしい。(明言はされてない)
この作品の特徴は、何と言っても、いきなり「13章」から始まる点だろう。
本来なら物語の肝心要だろう部分、裏表紙の惹句にもある
密室トリックが、冒頭で一通り明かされてしまうのだ。
まるで、賭けポーカーの手札5枚を、
賭けの最初にショーダウンしてしまうかのように。
が、その一見無謀な展開こそ、こちら読者の目を欺く作者の手腕。
事件の展開自体には、最後まで目が離せない。
個人的にやるせないのは、やはり作風の暗さ・重さだ。
高校生たちによる生徒会での裏家業、学校内のスパイ探しと
並行して描かれる、連続殺人事件。
最後の真相が明かされた時、残されるのは絶望しかない。救いはない。
あと、正直なところ困るのが、人名地名などの固有名詞が
本当に読みづらく、覚えられない点。
「蒜田(さんだ)」と「崖瓜(がいら)」が、
(深い意味のない)怪獣ネタだと知った時は軽く頭痛がした。
出来れば、人物紹介欄が欲しかったな。
それでは。また次回。