『最後の伝令』(by筒井康隆)、読了。
何を読もうか迷ったら、筒井作品に走る。
全14編収録の短編集。初版は平成5年。
全体的に「死」を扱った作品が並ぶ。
本命は表題の『最後の伝令』。
臨終間際の人体で翻弄される器官たちの物語。
これをもっと明るい作風で漫画にしたら『はたらく細胞』辺りになる気がする。
『二度死んだ少年の記録』は再読。
初読の時は、ひたすらおぞましくいという感想だったが、
二度目になると違ってきた。
ラストセンテンスで書かれる、少年の本当の死因は、切なすぎる。
最後まで読んでもよく分からなかったのが『樹木 法廷に立つ』。
人間と全く異なる理(ことわり)で生きてる植物が人間の言葉で喋るとこうなるって話なんだろうが、やっぱりモヤモヤする。
『ムロジェクに感謝』に至っては、そもそもタイトルが分からない。
調べたら、まさしく意味無しが答えらしく。やっぱり分からない。
そんなラインナップの中、一番記憶に焼き付いたのが『公衆排尿協会』。
これから読む方は、トイレ済ませてから読みましょう。
身の置き所に困る事間違いないので。
それでは。また次回。