好事家の世迷言。

調べたがり屋の生存報告。シティーハンターとADV全般の話題が主。※只今、家族の介護問題が発生中です。あしからず。

命を裁く、責任。

2017-01-14 | ひぐらしのなく頃に
PCにダウンロードしていた作品たち。個別に感想を書くと行が足りない。
が、飛び抜けて一つ、語りたい作品がある。

『ひぐらしのなく頃に』オリスク「虚崩し編」である。

「祭囃し編」が世に出た2006年から制作が始まり、
完成したのは(『うみねこ』も終わっている)2015年という大作。

「ヘイトあり」という注記に、ずっとためらっていた。
読むと確かに、原作への批判が痛烈の極み。
園崎家のお魎や茜へ突きつけられる「忌み子」の問題。
雛見沢の住民全体へ突きつけられる「村八分」の問題。
そして、そもそも梨花と羽入のループが起こる原因への追求。
原作では流された、各人の犯した“罪”が、これでもかと糾弾される。

「悪い事をしたけど可哀想だから許してあげよう」という
加害者寄りの考えは全て否定され、
「他人様に悪い事をしたのだから責任を取れ」という
被害者寄りの考えが貫かれる。

読んでいる途中、何もここまでしなくても……
と不愉快な気持ちにさせられるのは、しかし書き手の想定内。
苦しくも全部読み終えて、思い返して、
そこで初めて、読んで良かったと思えた、不思議な作品だ。
今の自分が欲していた作品は、ここにありました。

どんな事情があろうと、悪い事は悪い。
たとえ架空の話でも、人を死なせる重みを知れ。


そんな当たり前の真実が、今は恋しい。

それでは。また次回。

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