『犬はどこだ』(by米澤穂信)、読了。
2005年作。
私としては『インシテミル』以来に触れる米澤作品。
色々と事情あって、犬探しの事務所を作った主人公の所へ、
畑違いの依頼が立て続けに飛び込んでくる。
一つの依頼を主人公が解く章と、
もう一つの依頼を助手が解く章とが、
併走する形で物語は進んでいく。
一人が調べる戦国時代の古文書と、
もう一人が調べるインターネット上の記録(ログ)とが、
同一の事件に重なり絡み合っていく様は壮観だった。
ただ、『メドゥサ、鏡をごらん』の時も思ったが、
発売当初は最先端だった技術が古びていく様を読むのは、
どうにも寂しい感もある。
事件の顛末は、苦い。幸せには終わらない。
因みにこの本、シリーズものの第1作のような装丁になっているが、
調べた限り続刊は出ていないようだ。
これまた、どうにも寂しい気持ちである。
それでは。また次回。