飛耳長目 「一灯照隅」「行雲流水」「万里一空」「雲外蒼天」

「一隅を照らすもので 私はありたい」
「雲が行くが如く、水が流れる如く」

「タンポポの根のごとく花のごとく」 坂村真民

2024年07月22日 05時18分31秒 | 人生論
有名な詩がある。
坂村真民の詩。
坂村真民の言葉は飾らないひとつひとつの言葉が人生の真実を教えてくれえる。
どんなに落胆しようとも前向きに生きようとする泥臭さがある。
健気な強さを感じる。
自分も最初に知ったのは、教材としてだった。
それからはことあるごとに思い出す。

「タンポポの根のごとく花のごとく」

             坂村真民



多くの人がこの世に書き残したものを

われわれが学んできたのは

すべてこれ生き堪える力を

身につけるためだったのだ

新しい時代には

新しい生き方がある

それを過去の遺産から

学びとることが

本当の生きた学問なのだ

これから若い諸君の身にふりかかってくるであろう

いかなる試練にも困苫にも

打ち勝ち乗り越えてゆく力が

もっとも大切なものであって

わたしはそれを諸君に望み

諸君を送る言葉としたい



一人で堪えることができなかったら

師に救いを求め給え

友に力を貸してもらい給え

それもできない時は

神仏にすがり給え

決して一人で苦しみ

一人で解決しようとしないことだ



声を合わせて歌おう

腕を組んで進もう

それが新しい時代に生きる

新しい者の姿だ



疎外感とか

孤独感とか

そのような言葉の魅力に

すぐに心酔するな

真の幸福は

疎外・孤独・絶望

そうした門を突破して

初めて開けてくるものだ



どこまでも誠意によって生き

要領によって生きようとするな

本ものと贋ものとを見分ける眼を養え

自己を閉ざしては駄目だ

強い連帯感のなかに生きてゆけ



愚痴を言うな

弱音を吐くな

勇気と正義をもって貫いてゆけ

ごまかしはすぐばれる

タンポポの根のごとく

踏みにじられても

食いちぎられても

芽を出し

花をつける

強さを持て

幸福をまき散らすというのが

タンポポの花ことばだが

自分の幸せを求めながら

人の幸せを考えてゆく

人間になれ

それをこのタンポポから学べ

きずつき倒れている

一羽の小鳥を助けてやる

善意の心を失わずにゆけ

零下十数度の寒冷にも堪えて咲く

この小さな野草の強さを

身につけようではないか



若い諸君よ

タンポポの根のごとく

強い力で生き堪え

タンポポの花のごとく

人生を美しく送ってくれ給え

saitani