飛耳長目 「一灯照隅」「行雲流水」

「一隅を照らすもので 私はありたい」
「雲が行くが如く、水が流れる如く」

カエルの登山 2学期のリスタートに…

2024年08月31日 05時23分03秒 | 学級経営
指示 今から「カエルの登山」というお話を読みます。
   カエルが出てきますので、カエルの行動について考えながら聞きます。

「カエルの登山」

一度は山に登って見たいと思っていたカエルが十匹集まった。
みんなで一緒に登ろうじゃないということになって、山の麓に集合した。
しかし、見送りに来た仲間たちはみんなヤジを飛ばすばかりだった。
「登れっこないだろ!行くだけムダだぜ!やめとけ、やめとけ」
そんな言葉を背に受けなから、十匹のカエルは出発した。
ぴょこぴょこと小さい足で跳ねながら、山に登っていった。

中腹にさしかかったところで、ウサギたちに会った。
カエルたちが「頂上まで登るんだ」と言うと、ウサギたちはすぐさまこう言った。
「頂上に登る?無理だ、無理だ!この山はものすごく高いんだ。
 そんな小さい足で登れるわかないよ!」。
これを聞いて、すでに疲れ切っていた五匹はあきらめた。

残った五匹の前には、いっそう険しい登り坂が待っていた。
やがてモミの樹海に入ると、こんどはマーメットと出会った。
「頂上までいくなんて、カエルさんたちには無理ですよ。
 あまり無謀です。
 とんでもないですよ!」
この言葉を聞いて二匹があきらめた。

残った三匹はなおも進んだ。
少しずつ少しずつ、とにかく頂上を目指して進んだ。
ぴょこんぴょこんぴょこんとー。

やがて今度は高山のヤギたちが現れ、カエルたちの様子を見て笑った。
「このへんで引き返したほうがいいんじゃないか?
 その調子じゃ、あとひと月かかったって頂上には着かないだろ。」
ここまでまた二匹が脱落した。

とうとう残りは一匹になってしまった。
しかし、この一匹はそれからずいぶんと時間をかけて、ついに頂上へと辿り着いたのだ。

その一匹が山を下りてくるのを待って、仲間たちがいっせいに聞いた。
「一体どうやって登りきったの?」。

(ここまで読み聞かせをする)

発問 頂上まで登りきった一匹のカエルに向かって仲間は聞きました。
   「一体どうやって登りきったの?」
   この一匹のカエルはなんと答えたと思いますか。

・頑張ったから。
・いろいろと言われたけど、気にしなかったから。
・自分の目標を達成したかったから。
・自分の気持を第一に頑張ったから。
・あきらめてしまった仲間の分も頑張ろうと思ったから。

※ここではお話の結末を告げずに次の発問をする。

発問 ここには「山に登るという課題」に挑戦したカエルが出てきます。
   大きく分けると二種類のカエルに分けられます。
   何と何ですか。

・山登り諦めなかったカエル⇔山登りを諦めたカエル
・山に登ることに挑戦したカエル⇔最初から山に登ることに挑戦せずに見送りにきたカエル

発問 山登りに挑戦したカエルにあった気持ちは何ですか?
  ・挑戦する気持ち
  ・勇気
  ・頑張る気持ち
  ・成長したいという気持ち

発問 山登りに挑戦しなかったカエルはどんな性格だったと思いますか?
  ・臆病
  ・慎重
  ・向上心がない
  ・自分の強い心がない

発問 山登りに挑戦したカエルは勇気があったといえますが、別の言い方をすると「向こう見ず」ちか「無茶をする」とも言えます。
   山登りに挑戦しなかったカエルは臆病とも言えます。
   「むこうみず」とか「無茶をする」というのはいいことですか。
   ふつうはいいこととは言えません。
   では、「臆病」はどうですか。
   あまりいい意味では使いませんね。
   「勇気がある」はどうですか
   いいことですね。
   この「勇気」は「無茶」と「臆病」の間のどのあたりにあるのでしょうか。

   【無茶・向こう見ず】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー【臆病】
                          〈勇気〉※無茶と臆病の真ん中?

説明 人は、臆病であってもいけないし、向こう見ずな無茶でもいけません。
   その間にある勇気をもって進むことが大切です。
   でも、もう少し考え。てみます。
   勇気は、向こう見ずと臆病の真ん中にあるように思いますが本当にそうでしょうか。
   実際は自分の行動の基準の勇気は、臆病に近いですか、無茶に近いですか?
   ・臆病に近い気がする。(多数)
   ・無茶に近い(少数)

説明 そうですね。
   人はふつうは、向こう見ずよりも臆病に近い位置で行動してしまいますね。
   したがって、実際の勇気の位置は、臆病に近いと考えられます。
   と言う風に考えると「臆病になるな!」というアドバイスよりも、「ちょっと無謀じゃないかな……」くらいがちょうどよい勇気の位置    
   なのだと私は思います。

発問 うさぎやマーメットやヤギは、なぜカエルたちに「お前には無理だ」と言ったのでしょうか。
   ・ぴょんぴょんはねてもせいぜい数センチ、それではいつもまで経っても山には登れないから。
   ・体力のかえるに登山は無理だから。  
   ・登山がカエルにはあっていないから。
   ・失敗することでカエルが傷つくのがかわいそうだから。
   ・挫折して悲しむカエルをみたくないから。
   ・自分たちも昔挑戦してだめだった。だから、無駄な苦労はさせたくなかった。
   ・自分たちがだめだったことを成し遂げてほしくないから。

発問 お話の結末をお知らせします。
   なぜ、1匹のカエルだけ登頂できたのか。
   お話の続きはこうです。

   その一匹が山を下りてくるのを待って、仲間たちはいっせいに聞いた。
   「一体どうやって登りきったの?」
   でもそのカエルはただ一言「何?」と聞き返しただけだった。
   そこで仲間たちはもう一度大声で聞いた。
   「どうやってこんな快挙を成し遂げることができたんだい?」
   するとおのカエルはまたしてもこう聞き返した。
   「何?何?何?」
   そのカエルは耳が聞こえなかったのだ!   

まとめ このカエルの登山のお話から学べることはこんなふうになると思います。
    ( )に中に想像して自由に言葉を入れてみてください。

    1 人は何事にも( 挑戦 )することが大事
    2 ( 挑戦 )しようとしている人には「ガンバレ」と励ます
    3 ちょっと( 無謀・無茶 )かなくらいがちょうどいい勇気の位置
    4 まわりの人の( 無理だ )を信用しない
    5 (付き合う)人を選ぶ。「無理だよ。やめとけ。」ではなく、「できるよ。頑張ってみろよ。」と言ってくれる人。
    6 自分を( 過小評価 )する人より( 過大評価 )してくれる人

saitani



   
    
     





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