梅かと思うと気の早い桜。慌てて開花したわけではない。
早咲きで知られる「河津桜」だと。
全国に何万本有るのでしょう。60年前はたった1本。
原木は伊豆の河津町にある。
冬枯れの雑草の中で芽吹いていた苗を見つけ大事に育てた。
それが10年後見事な花が咲く。
新種と分かりどんどんと増やしていった。
一斉に咲き、一斉に散る。まるで機械仕掛けの様な桜の集団行動。
一足早い花見客にほとばしる生命力を与える。
「染井吉野」は一気に乱れ咲き潔く1週間で終わる。
「河津桜」は1カ月も咲き続ける。蕾を開いたり閉じたりとためらいながら
進むからと。
どちらが優しく、どちらが強いのでしょう。
それはどちらもです。
満開の桜の下で私達は心から幸せを感じられるからです。