ちょっと善いことをした夜
職場の若い衆【男】が、気のない様子で、電話していました。
話を聞くと、
「今日は、カミサンにとって大事な【記念日】で、食事に行く約束をしたけど、仕事が終わらないので。」
と、言います。
お子さんができたらしい。
初めてのお子さんらしい。
大切な記念日の食事、どこに行くのか尋ねたら。。。。
「八時待ち合わせで、【ピー----(大手ファミレスチェーン店)】です。」
と言う。
電話の最後の会話が、
「なら、オマエが考えとって。」
だったのが気になった。
『おいおいおい、せっかくの【大事な日】なんだから、もちょっと洒落た店にしときーよ。』
「たとえば、どこですか。」
『ピー――(大手焼肉チェーン)。』
「全然しゃれてないやないですか。(笑)」
で、こんな話をした。
『女ってさ、【おまえ、まだそんなこと覚えとるとや?】ってこと、覚えとるやん。
で、
ネチネチ【あんときは、こうやった。】って、責められるやん。
逆もあってね。
【女が「離婚したい。」って思ったとき】
支えてくれるのは、
【二人で過ごした時間の中の、素敵な思い出】らしいよ。
さっき、8時に約束しとったろ、
「すまんけど、7時半にしよう。」
って、言って、【ちょっと洒落た店】探して、連れて行ってやり。
そんな思い出が、つらいときに、嫁さんを支えてくれるんやけん。
素直な、ソイツは、さっそく奥さんに電話してました。
・・・感想を聞くと、
「【近所の焼き鳥屋】で、あんなに喜んでくれるとは、思いませんでした。」
と言う。
そらそうさ、
【仕事が忙しいダンナに無理言って、付き合ってもらうファミレス】
と、
【ダンナが探して誘ってくれた近所の焼き鳥屋】
と、どっちがうれしいか、
初めての子どもは、【うれしいニュース】でもあるけど、【とっても大きな不安】でもあるのだよ。
例えていうなら、そうさな、
行ったことのない遠足の場所に、下見もせずに、
「オマエ、1組担任やけん、先頭歩いて引率せれ。」
って言われているようなものなのさ。
よかや?今日、一緒にメシ食うときに、ちゃんと言うんぜ。
「俺も、がんばって、一緒に育てるから、安心せれ。」
ってね。
アイツは、「はい。」って言って、嬉しそうに帰って行きました。
♪BGMは、織田哲郎「いつまでも変わらぬ愛を」です。