私は、自分が卒業した小学校に、警備員(バイト)として泊り込むことになりました。
今から25年ほど前の話です。
ホントにあった話なのですが、ホントの話だけに、ちょっと微妙というか。
あんまり怖くない話も多いのですが、ちょっとだけ付き合ってください。
夏。。。。夏休み。
夏休みと言えば、ラジオ体操です。
朝、6時半から、小学校の運動場でも近くに住む学生が、ラジオ体操をしている音がします。
ザワザワとしゃべっている声。
体操の音楽。
そんな音で、目が覚めました。
警備員は、3人いますが、1人ずつ、交代で泊まることになっています。
私は警備員なので、先生方が来られる前に、アチコチ、鍵を開けなければなりません。
職員室に鍵がありますので、のっそり起き上がって、職員室に向かいました。
職員室に入って、必要な鍵をとろうと食器棚の向こう側に行ったときです。
職員室の入り口からかわいい声が聞こえてきました。
「失礼します。忘れ物をとっていいですか。」
その声は、明らかに、小学生の低学年の女の子の声でした。
入り口には、チラッと赤いランドセルをしょったピンクのワンピースの子が見えました。
『あああ、どうぞ。教室、自分で行けるかな?』
って、答えたんですけど、返事がないので、『あれっ?』と思って、もう一度、入り口の方を見ると・・・・・誰もいません。
『えっ?』
っと思って、廊下にも出てみたのですが、誰もいません。
『どこにいっちゃったのかなぁ~。』
って思いながら、気が付いたことがあったんです。
・・・実は、まだ、どこの鍵も開けてない。
『あっちゃー。』
って思って、
『どこか、鍵をかけ忘れたところがあって、そっから入って来ちゃったんだなぁ~。』
って。
『また、教頭先生に怒られちゃうかなぁ~。』
って思いながら、あちこちの鍵を開けるののついでに、いろんなところの鍵が締まっているかをチェックしました。
・・・全部締まってました。
あの子、どこから入ってきたんだろう。
何の忘れ物を取りに来たんだろう。。。
今でもわかりません。