廊下のむし探検 第1弾
今日から、「廊下のむし探検」のブログを始めます。実は、これまで6年半、Yahoo!ブログに出していたのですが、本年末、Yahoo!ブログのサービスが終了するので移ってきました。
大阪北部の三方を山で囲まれた見晴らしのよいマンションが舞台です。夜、このマンションに明かりがつくと、周りの山々から虫が次々と集まってきます。まるで、灯火採集をしているみたいですね。私はそんなマンションの廊下を昼間歩いて、まだ残っている虫の写真を撮り、名前を調べています。ときどき、マンションから出て周辺を散歩するのですが、その時もついでに虫探しをします。また、時には近郊に遊びに行くときもあります。そんなときも虫探しをします。虫といっても昆虫だけを指すのではなく、生きているものなら何でも対象にしています。こんなことをしていたら、この6年半で名前の分かった生き物は2500種近くにもなりました。最近は植物観察会にもよく出かけるので、ときどきは植物の話も出てきます。そんな種々雑多なブログなのですが、今後ともよろしくお願いします。なお、Yahoo!ブログでは付録のホームページを作っていましたが、これはそのままこちらのブログに引き継ぎたいと考えています。また、これまで見た生き物を集めた「手作り図鑑」も作っていて徐々に公開しています。これもそのホームページからダウンロードできます。
まだ、3月末に観察した虫やハネカクシやカワゲラなどを顕微鏡写真で調べた話が残っているので、その辺から出していくことにします。まずは3月27日にマンションの廊下で見た虫からです。この日は30数種見ることができたので、そのうち、蛾とカメムシから出すことにします。

これはヒロバトガリエダシャクで、早春の蛾です。これまでの記録を見ると、2月末から4月初めにかけて見ていました。

これはいわゆる春キリガです。キリガというのはヤガ科の一連の蛾の総称で、もともとは木に孔を開ける「キリムシ」が語源だそうです。その後、分類学的に同じ系統の種には同じ名称をつけるというルールで、必ずしも木だけでなく草食のものも含まれるようになりました。キリガには秋に出る秋キリガ、春に出る春キリガ、夏に出る夏キリガがいます。これはクロミミキリガだと思います。

これはナミシャクの仲間で、ウスベニスジナミシャクだと思います。記録を見ると、3月初旬から4月初旬にかけて見ていました。


この2匹はカバナミシャクの仲間です。この仲間は種類も多く、斑紋もよく似ているので、いつも迷ってしまいます。たぶん、上はソトカバナミシャク、下はヒメカバナミシャクだと思います。共に3月から4月にかけて見かける蛾です。


こんな毛虫がマンションの壁についていました。大きさは1 cmくらいかな。「原色日本蛾類幼虫図鑑」で調べたのですが、結局、ギブアップです。(追記2019/04/02:akaitoriさんから、「毛虫はホシオビコケガに似て見えました。」というコメントをいただきました。ネットで探すと確かに似たような毛虫が見られました。間違いなさそうです。どうも有難うございました。助かりました)

ここからはカメムシです。これはムラサキナガカメムシです。今頃はたくさん見ます。記録を見ると、10月~12月、2月から4月頃によく見ています。越冬するので、今頃のは越冬後の個体ということになります。


これも似た種が多いのですが、「日本原色カメムシ図鑑第3巻」には検索表が載っています。一応、試してみると、たぶん、キベリヒョウタンナガカメムシだと思われます。これは3-4月と7月に見ていました。

これは初めてのグンバイです。「日本原色カメムシ図鑑第3巻」の図版には載っていて、チャイログンバイ Physatocheila orientisのようです。

検索をしなければならないかもと思ったので、各部の名称を調べておきました。ただ、日本産Physatocheila属は4種、コリヤナギ、ミヤタケ、コゲチャとこのチャイロで、図版を見ると外観がだいぶ違うのでチャイロで間違いなさそうです。


最後はキジラミの仲間です。この仲間のうち、リンゴキジラミ属は以前にも調べたことがあります。色はかなり違うのですが、頭の前に飛び出している1対の額錐の形が似ているので、同じ種か近縁種かもしれません。