少し春めいて、休んでいた草木も少し勢いづいてくるようだ。
わが家のブロック塀の一部を覆い尽くした逞しいアイビーが気がかりになっていた。
塀の一画を利用して、焚きもの小屋として昔は使われていた。
私が嫁いだ40数年前は果樹農家では、剪定した枝や更新するために切り倒した桃の木などはお風呂の燃料として有効利用するために丁寧に小屋に収めていた。
そんな生活も一瞬で、灯油や電気に変わり今に至っている。
燃料も要らなくなり、ブロック塀の内側に造られた小屋は愛犬が昼間過ごす離れ部屋となっていた。

勝手口を出入りする家族の顔が見えるし、冬は冷たい風も当たらず陽当たりもいい、アイビーは夏のコンクリートブロックの焼け着く様な暑さからも守ってくれていた。
離れ部屋の居住犬も居なくなってしまった今、農婆はせっせとコンクリートに貼りついたアイビーを剥がし取る作業に取り掛かった。
わが家の暮らし、ああだった、こうだった…と思い出の引き出しに仕舞いながら。
< またひとつ小さな歴史を刻み込む >
わが家のブロック塀の一部を覆い尽くした逞しいアイビーが気がかりになっていた。
塀の一画を利用して、焚きもの小屋として昔は使われていた。
私が嫁いだ40数年前は果樹農家では、剪定した枝や更新するために切り倒した桃の木などはお風呂の燃料として有効利用するために丁寧に小屋に収めていた。
そんな生活も一瞬で、灯油や電気に変わり今に至っている。
燃料も要らなくなり、ブロック塀の内側に造られた小屋は愛犬が昼間過ごす離れ部屋となっていた。

勝手口を出入りする家族の顔が見えるし、冬は冷たい風も当たらず陽当たりもいい、アイビーは夏のコンクリートブロックの焼け着く様な暑さからも守ってくれていた。
離れ部屋の居住犬も居なくなってしまった今、農婆はせっせとコンクリートに貼りついたアイビーを剥がし取る作業に取り掛かった。
わが家の暮らし、ああだった、こうだった…と思い出の引き出しに仕舞いながら。

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