非常に面白かったと記憶していたので、11年ぶりに再読。
やっぱり面白かった。
主人公の木塚慶太が入水自殺し損ね、森玄一郎と出会うまでは読みづらくなかなか進まない。
木塚が借金取りに怯えながらも都内に舞い戻ったあたりからジェットコースター的に話が進む。
最後はこの世界と別れるのが辛くなるくらい。上下巻だが、中があって欲しいくらいこの世界にハマる。
森の小豆相場でのスリリングな勝負や、その仲間たち、やり方の汚い相手方、
木塚の商才に翻弄される井戸美子。
いろんな角度から話が進むので飽きることがない。
特に絶世の美女、井戸の間抜けぶりはいい箸休めになっている。
こう言っては何だが、お高く留まった美女が落ちてゆく様は見ていて気持ちいい。
ネタバレしないよう書くが、最後の井戸の裏切りに気付かないまま終わる木塚の井戸に対する妄信はこの本の緊張と緩和の緩和であろう。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます