12月23日の日経に、年収の壁の問題に関して「真の問題は性別役割意識に」と云うタイトルの大学教授の小論文があった。大学は全般的に左翼思想に凝り固まっているが、特にこの大学は左翼活動家が多く、論点ずらしの論文に呆れてしまった。
この小論文は前半の2/3までは純粋な年収の壁に関する分かり易い解説で良かったが、後半になると突然崩れてきた。
それは就業調整をしている女性への理由に関する分析から論点がずれてきた。具体的には、「『社会保障負担が生じないようにするため』が44.4%と最多だが、2位の『家事や介護、子育てなどの時間を確保したいから』も40.9に上る。」の記載以降、論点がずれてきている。だがしかし、小論文のタイトルがそちらの方向なので、仕方がないのだが…。
この論文に次の説明が続く。「男性での後者(家事などの時間の為に仕事の時間を制限する)の理由は15.2%に留まる。女性の就業調査の底流には固定的な性別役割分担意識、つまり『男は仕事・女は家庭』という昭和型家族モデルへのとらわれの影響がうかがわれる。」とある。この教授はこれを言いたいが為に、103万円の壁を持ち出しているだけであり、大変幼稚な論文だ。
この論文にはアメリカ、ドイツ、日本、そしてOECD平均の比較データが添えられているのだが、この比較では日本の女性の就労者の中で、29時間以下しか働いていない割合が一番多い。この理由は上で述べられている事情があるからで、それらを解決する事が重要であり、上記の『社会保障負担が生じないようにするため』は税金などの制度を変える事で対応できる。しかし『家事や介護、子育てなどの時間を確保したいから』は、その人の人生哲学や理念によって考え方全然違い、千差万別である。その為、左翼思想に凝り固まったこの様な大学教授の意見には、全く共感できない。
女性にとって、何が幸せなのだろうか?80年代のバブル崩壊前までの女性(妻)と、今の女性(妻)と、どちらが幸せだろうか?1985年に男女雇用機会均等法が制定されるまで、男女の社会的地位の差は大きかった。そういった意味では、正社員で働きたいと考えている女性にとっては、今の方が幸せだろう。しかし、結婚して子供が居る家庭の現代の女性は、家庭の収入が伸びない中で、仕方なく働いている人も大変多い。夫の収入が十分であれば、週20時間程度のパートを行う事で、社会との繋がりを保て、そして自分の自分も楽しみたいと考えている女性も多いハズである。
そしてこの論文にはもう一つ大きな欠点(問題点)がある。それは、日本の男性も29時間以下しか働いていない割合が一番多いと云う事である。このグラフを出しながら、この点についての論評がないのは、学者として失格であろう。ナゼ、世界と比較して、日本男性の労働時間も少ないのだろうか?学者であればちゃんと分析し、それも読者に伝えるベキである。
この学者はただ単に、日本には男女差別があると言いたいダケで、男性も少ない時間の労働しかしていない事を社会の問題とは捉えておらず、それを改善し良くしたいとは考えていないのだろう。
社会に必要なのは、男女を問わず、働きたいと思っている人は好きなだけ働ける環境を提供する事である。それを阻害しているのは年収の壁であり、経済学者であれば、先ずはその点をしっかりと論文として書いて欲しい。そして男性も正社員として働けていない事を、学者としてその原因を論評して欲しい。その上で性別の役割を述べたいのであれば、もう少し女性の心理や人生哲学を勉強してから述べて欲しい。
この小論文は前半の2/3までは純粋な年収の壁に関する分かり易い解説で良かったが、後半になると突然崩れてきた。
それは就業調整をしている女性への理由に関する分析から論点がずれてきた。具体的には、「『社会保障負担が生じないようにするため』が44.4%と最多だが、2位の『家事や介護、子育てなどの時間を確保したいから』も40.9に上る。」の記載以降、論点がずれてきている。だがしかし、小論文のタイトルがそちらの方向なので、仕方がないのだが…。
この論文に次の説明が続く。「男性での後者(家事などの時間の為に仕事の時間を制限する)の理由は15.2%に留まる。女性の就業調査の底流には固定的な性別役割分担意識、つまり『男は仕事・女は家庭』という昭和型家族モデルへのとらわれの影響がうかがわれる。」とある。この教授はこれを言いたいが為に、103万円の壁を持ち出しているだけであり、大変幼稚な論文だ。
この論文にはアメリカ、ドイツ、日本、そしてOECD平均の比較データが添えられているのだが、この比較では日本の女性の就労者の中で、29時間以下しか働いていない割合が一番多い。この理由は上で述べられている事情があるからで、それらを解決する事が重要であり、上記の『社会保障負担が生じないようにするため』は税金などの制度を変える事で対応できる。しかし『家事や介護、子育てなどの時間を確保したいから』は、その人の人生哲学や理念によって考え方全然違い、千差万別である。その為、左翼思想に凝り固まったこの様な大学教授の意見には、全く共感できない。
女性にとって、何が幸せなのだろうか?80年代のバブル崩壊前までの女性(妻)と、今の女性(妻)と、どちらが幸せだろうか?1985年に男女雇用機会均等法が制定されるまで、男女の社会的地位の差は大きかった。そういった意味では、正社員で働きたいと考えている女性にとっては、今の方が幸せだろう。しかし、結婚して子供が居る家庭の現代の女性は、家庭の収入が伸びない中で、仕方なく働いている人も大変多い。夫の収入が十分であれば、週20時間程度のパートを行う事で、社会との繋がりを保て、そして自分の自分も楽しみたいと考えている女性も多いハズである。
そしてこの論文にはもう一つ大きな欠点(問題点)がある。それは、日本の男性も29時間以下しか働いていない割合が一番多いと云う事である。このグラフを出しながら、この点についての論評がないのは、学者として失格であろう。ナゼ、世界と比較して、日本男性の労働時間も少ないのだろうか?学者であればちゃんと分析し、それも読者に伝えるベキである。
この学者はただ単に、日本には男女差別があると言いたいダケで、男性も少ない時間の労働しかしていない事を社会の問題とは捉えておらず、それを改善し良くしたいとは考えていないのだろう。
社会に必要なのは、男女を問わず、働きたいと思っている人は好きなだけ働ける環境を提供する事である。それを阻害しているのは年収の壁であり、経済学者であれば、先ずはその点をしっかりと論文として書いて欲しい。そして男性も正社員として働けていない事を、学者としてその原因を論評して欲しい。その上で性別の役割を述べたいのであれば、もう少し女性の心理や人生哲学を勉強してから述べて欲しい。