気が付けば、1年以上更新していなかった。
母の症状は徐々に進み、いよいよか…という感じ。とはいえ、なんとか家事はこなしている様子?父に詳しいことは聞いていないけれど、それで困っているということは言ってこないのでまだ大丈夫なのかと。
でも、以前に比べると掃除など行き届いていないし、部屋の隅に物が積み上がっていたりする。以前はそんなことなかったのにな。
とにかく新しいことが覚えられず。何度も聞いてくる。数分前の記憶すらない。対応に困る。さっきも言ったよとか、何回も聞かないでとかは言ってはいけないらしい。本人は忘れたのではなく、そもそも覚えていないのだから…と本に書いてあった。それで傷つくんだと…。
母「聞いていい?何回も聞いたかもしれないけど。」
私「よかよ、何回聞いても。」
申し訳ないという気持ち。自分の頭がどんどんおかしくなっているという自覚。
母「頭がボーっとしている。」「お母さんはどう?おかしいよね?」
私「忘れっぽくはなってるけど、まだ大丈夫」「まだ誰?とか言わんし」
メモをさせてもメモそのものをしまいこんだり、いざメモを見てもどこに何が書いてあるのか探したり理解するのに時間がかかる。きっと書いたこと自体を覚えていない。
何度も父に電話しようとするので、付箋紙に「夫に電話済」と書いて貼っておく。何度も携帯を取り出してはじっと見つめている。母「これはSが書いたの?」
私「うん。もう何回も電話したよ」
果てはなんでこんなものが貼ってあるんだろう?という感じだ。わかってはいても、私の感情も複雑だ。
外出先でも目が離せない。
娘の眼鏡を作りに行ったら、いつの間にか姿が見えない。あわてて外に出たら、駐車場の車止めにぽつんと座っている。とにかく「疲れた」が口癖。立っているのすら、つらいのかもしれない。
スーパーで買い物途中、トイレに行くというので、このあたりで待ってるからとトイレの出入り口が見える売り場をぐるぐるしていたが、なかなか戻って来ない。トイレに行ってもいない。すると、近くのベンチにポツンと座っている。下手に動き回らなくてもよかったけれど、目を離さないようにしないと。
そういえば、以前は一緒に買い物に行くと、必ずと言っていいほどお金は払うから…と言っていたのに、今はふらーっとどこかに行ってしまう。別にお金を払って欲しいわけではないけれど、そういう部分もなくなっていくんだなとちょっと悲しくなる。
去年泊めた時は、1階で寝るよと伝えていたのに、勝手に2階に上がっていったり。2泊する予定が2日目に荷物を持って帰ろうとしたりしていたけれど、それよりも悪化している。とにかく車に乗っていても、どこに行っているのか何度も聞いてくる。
今回も翌朝免許センターに行くのに、「免許センター」と書いた付箋紙を見える所に貼っておいたけれど、それでもどこまで理解しているのか。
夜も寝つきが悪く、何度も携帯を触る。狭心症だとか、足がしびれる、歯茎が痛いなど。トイレにも何度も。(トイレは間違わないように入口の電気はつけっぱなしにしておいた。そういえば、前夜はトイレの照明のスイッチの場所がわからず、娘に聞いたらしい。なぜか換気扇のスイッチを押していたらしく、照明のスイッチはそのすぐ上なのにそれすらわからないらしい)
でも、野菜を切ったり洗い物をお願いすると、普通にやっている。少しでもできることはやらせた方がいいと思うので、少しずつ。昔覚えたことはできるみたいなので、今度はお手玉やあやとりとか持っていってみるかな。今回も娘とやらせてみたらよかったな。
しかし、もうこちらに泊めるのはやめた方がいいみたいだ。自宅ではない所では落ち着かず、不安も増すみたいだし、混乱も誘発する。きっと余計に疲れたのではないか。
実家に送って行った時、父親の胸に顔をうずめて頭をポンポンしてもらう母。実の娘から見ても謎過ぎる夫婦だ。結局二人一緒じゃないとダメなんだな。
そういえば、今回、「お父さんと離婚した?」と二度も聞かれ唖然としたけれど。たぶん自分が迷惑をかけっぱなしなので、見離されるんじゃないかという不安からそういう心配までするのではないかと。
今となっては、離婚しなくてよかったのかもしれないとは思うけれど。離婚していたら、認知症になっていなかったのか?発症が遅れていたのか?それとも、早まっていたのか?今更考えてもしょうがないけれど。
でも、離婚していなかったお陰で、なんとか今のところは父と二人でやっていっている。こちらに引き取っていたらもっと早く進行していたかもしれないし、私も仕事をやめざるを得なくなっていたかもしれない。
それにきっとあんな夫でも母にとっては一番の拠り所なのだ。
とにかく症状は少しずつ進んでいるし、きっと私たちのことがわからなくなるのも時間の問題だろう。それはとてもつらいけれど、本人にとってはその方がいいのかもしれないと思ったり。今は認知症がどんどん進んでいるという自覚や、迷惑をかけているという申し訳なさ、一人になったらどうしようという心細さなどがあって一番辛い時期なのかもしれない。
私も今まではなるべく距離を置き、あまり考えないようにしていたけれど、やっと今になって認知症の本を借りて読んだりしている。やっぱりずっと受け入れたくなかったんだなぁ。今も受け入れたくないけど。とにかく気が重くて、どうしていいかわからなくなることがある。
この間は母を実家に送って行った後ママ友にあって、いっぱい喋っていっぱい笑ってなんどか気分転換できたけれど。日常からは逃げられないからな。なんとかやっていくしかない。