雪が止むことだけが決まっているなら

モラハラの父と認知症の母と…

母、帰る

2014-01-16 12:04:31 | 日記

バスで帰ると言うので、バスセンターまで送っていく。

「○○さん(旦那)はほんとにいい人だ」とべた褒めの母。
「あれが普通だよ。常識的で、普通に相手を思いやっていて。
異常な人と一緒にいるから、すごく見えるだけだよ」と私。

確かに、今回のことでは旦那にだいぶ助けてもらった。
母ともよく話をしてくれたし。
私一人だったら、どうなっていたかわからない。
でも、特別なことをしてくれたわけじゃなく、常識的に物事を考え、話もいっぱい聞いてくれた。

そして、母は帰っていった。
私は、「何かあったら、電話してね」としか言えない。
「カウンセリングは定期的に受けておいた方がいい」とは言っておいたけど。
他には、市や県の相談窓口の電話番号リストも渡し。
それくらいしか、結局私にできることはない。
母が新年会に言っている間、父親から電話があった。

罰は悪そうだけど、機嫌がいい時の声のトーンだ。

迷惑かけたな。

とにかくお母さんのこと、大事にしてね。
してるよ。(やっぱり、この人何にもわかってない)

お母さんのあんな顔、もう見たくない。
わかってる…といった感じ。(全然わかってないくせに)

いやあ、どんどん年寄りになっていく。
(そんなの関係ない。やっぱり自分自身と永遠に向き合えない人なんだ)

いやぁ、今度のことは…云々。
(いかにもたいしたことはないような口ぶりに腹が立つ)

本当は言いたいことが山ほどあった。
でも、やり直そうと戻ったお母さんの気持ちを踏みにじることになる。

とりあえず、最後はこっちが「ありがとう」と言って切る。
私がここでどうこう言ってもどうにもならない。
とりあえず、少しでも穏やかな生活を続くのを期待するしかないのか。

あの人にはもはや何も期待してはいないけど。
私は、もう二度とあの家に行く気はないけど。
短い会話の間に感じたことは、父親は何も変わっていないということ。
何もわかっていないということ。

お母さんが少しでも心穏やかにらせるようにするために
私は「ありがとう」と言うしかなかったんだ。

なんであんな夫婦仲をとりもつために、私がこんなこと言わなきゃいけないんだ。
新年会から帰って来た母親。
父はあったかく迎えてくれたって。
そりゃそうでしょ。何でもやってくれる人が帰って来たんだから。
そうよね。

わかってて、帰っちゃうんだ。変な夫婦。

その後も電話で母と話したけど、結局帰って来たら二人で穏やかに話し合おうと書いてあったことは、実現していないらしい。
そうだよ、そういう人だよ。
結局、面倒なこと都合の悪いことにはふたをして、二人で生きる決心をしたんだから。

旦那に言ったら、お母さんから話してみたらいいのに…と言う。
それだけの決心をして帰ったみたいだから…と。

いやいや、無理でしょ。
だいたいあの人と話しても話にならないし。
それにお母さんも自分から話す勇気はないと思う。
お父さんから切り出せば何か言うかもしれないけど。

きっと二人で臭いものに蓋をして生きていくんだろうな。
でも、そんな生活ずっと続くわけがない。
また何かのきっかけで爆発して、また痛い目に会うんだ。
でも、今回のことで学んだよ。
今度母が家を出るときは、父親に居場所は一切明かさない。
そして、連絡も一切とらせない。
そのくらいしないと、また母は戻ってしまう。また同じ事の繰り返し。

あのモラハラ典型の手紙を受け取った時点で、完全に引き離してしまえばよかった。
あの後の謝りの手紙(見当違いの謝り方だったけど)なんて、見せるんじゃなかった。

でも、母が帰って、ほっとした自分がいるのも確か。
やっぱりあの日々は異常だった。
家族4人、いつもと変わらない日々。

妹はあの後、かなり不安定になったらしい。
妹は私よりもあの家族に対してのトラウマがひどいのに、
私達だけでは対処できず、かなり負担をかけてしまった。

とにかく妹はしばらく距離を置いた方がいいかも。
私も母としか連絡をとったり、会うつもりもないし。

でも、妹は旦那さんのご両親がとてもいい人みたいで、お正月やお盆にはあたたかく迎えてくれるらしい。
帰るところがあって、よかったよね。
私の旦那のご両親もいい人で、こんな嫁でごめんなさいって感じだけど。

今の生活、いつまで続くかわからないけど、今は目の前のやるべきことを一つ一つこなしてやっていくしかないかな。

 

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母の家出 6日目

2014-01-15 12:03:04 | 日記

朝、父から長々としたファックスが届く。

まず、自分でもなんであんなことを書いたのかわからない…と。
年か、酒か、高血圧のせいか…などと、結局自分自身の内面の問題だということに全く気が付いていない。

お金のことが心配で、結局取り乱してしまったということや、
家の鍵のことに対する言い訳。
そして、日々の生活に困っていること。ゴミ出しなど。
しかも、体に湿疹も出て来たらしい。

そして、今回の発端は妹夫婦というか、妹の旦那のやり方に気が食わないということと書いておきながら、それはどうでもいい、封印しよう…と書いてある。
その事には触れない、なかったことにしようと書いてある。

いや、そこでしょ。大事なのは。
結局、この人は言いなりになる母親さえそばにいればいいんだ。
意に沿わないなら、娘だって敵だ。
敵だから、会わなくったって平気なんだ。
いや、むしろ迷惑なんじゃないかと思う。
二人の穏やかな生活に入り込んできて、ペースを崩す存在。

私達のちょっとした言動で機嫌を損ねる。
そして、娘は昔みたいに黙ってはいない。もはや泣くこともない。
違うと思ったら、言い返す。

思い通りにならない娘達は、もはやあの人の家族でも何でもないんだと思う。


妹とも話して、結局東京に来た方がいいんじゃないかということになった。
私も電話の音に怯え、家にいても落ち着かない。
こういう状況に次女を置いておくことも良いとは思えない。

そこで、妹に母と話してもらう。
その間、私は洗濯物を干したりしていたが、なかなか話は終わらない。
そばで聞いていてもよかったが、正直これ以上関わりたくないという気持ちが働き、
私は別室でテレビを見て、時間を潰す。
結局、妹に押しつけてしまった。

すると、結局母は家に帰ることになったという。
妹も相当母を説得したらしい。
母をとるか、女をとるか…という所まで詰め寄ったらしい。
私達がどれだけ我慢してきたか…ということも伝えたらしい。

でも、結局もう一度やり直したい、話をしたいということらしい。
妹も一度離婚していることもあり、こういうことは一度だけじゃ決心はつかない、
何度か繰り返して決心がつくことだから…と言っていた。

とにかくもう一度痛い目に会って、本人が納得しないと別れるという方向へ持っていくのは難しいらしい。
私達二人であれこれ説得してみたけれど、母は父が変わるかも…という望みをまだ捨てられないらしい。
私達姉妹は父親と二度と会いたくないし、縁を切る決心もしている。
あの人がこれからもずっと変わらないということもわかっている。
それは、あのファックスを読めば一目瞭然だ。
何も反省していない。ただ自分が困っているという話ばかり。
とにかく二人で暮らしたい。結局、娘達のことはどうでもいいということだ。

そんな人に話をして何がわかる。
でも、母の決心は揺るがない。
そこで、返事のファックスを書くことにする。

とにかく母の正直な思いを書いてもらう。
そして、条件をいくつか提示しようということになり、妹にも相談する。
条件をのんだら帰る。でも、もしその条件を破ったら、別れるということだ。

私は、頭ごなしに大声で怒鳴らない…くらいしか最初思いうかばなかったけど、
妹が次々に条件をメールで送ってくる。
でも、どこまで書くか…。
すると、条件をありったけ書き出して、離婚覚悟で帰るのか、
最低限の条件にして、添い遂げる覚悟で帰るのか、
それは母に選ばせるしかないと妹。

でも、母の態度を見ていると、後者なのは明らかだ。
次女の条件もどんどん削られ、私もあれいこ口を出してはみたものの、
結果これだけ?という状態になってしまったが、そこはもう何も言わなかった。

私が「娘達と外で会うのは許して欲しい」と書いたらと言ったら、
「外で?」と聞いてくる。
もう何度も言っているのに。あの父親に二度と会う気はない。
親とも思ってないし、愛情のかけらもない。
私はともかく家族に嫌な思いを二度とさせたくはない。
だったら、あの人を切るしかない。

それなのに、まだ望みを持っている母が哀れでもある。
そして、私達が我慢してきたことを私の家族にまで押しつけるのか…と言いたくもなる。
もう勘弁してくれと。

二人の穏やかな生活のために、どれだけ犠牲者を出せば気が済むのかと。
でも、もう言わない。
次何かあったら、もうおしまいだ。何が何でも別れさせる。

でも、その前に母が逝ってしまったら。
とにかく今の私の願いは父親が一日も早く逝ってくれること。

他にも条件としては、娘達と会わせ欲しい、東京に行かせて欲しい。
自分が入院した時のために家事を覚えて欲しいなど。

そして、ファックスを送ると、案の定短い文面の返事が届く。
分かった。とにかくやり直そう。
穏やかに話し合おうといった簡単な内容だ。

そして、母に「明日、帰るよね?」と聞くと、「バスがあるから」と今すぐにでも帰りそうな勢いだ。
「ちょっと待ってよ。(旦那)や(娘)と会ってから、帰ってよ」と言うと、「あっそうね」という感じになる。
やっぱりおかしい。普通じゃない。
帰ると決まった時点で、私達のことが頭から飛んでいる。

そして、電話で父に連絡。
明日の昼、母は新年会が入っていたが、もうキャンセルしてある。
気分的に行く気にはならないみたいだが、結局父親に行った方がいいと言われ、朝からバスで帰り出席することに。
やっぱり父のいいなりだ…。
父は母のことを思って言っているんだから…という満足感でいっぱいなんだろう。
今までの二人の関係と何ら変わりはない。

だから、もっと条件を出しておけばよかったのに。しょうがない。

その日の夜、旦那ともいろいろ話をしたらしい。
私は二日続けて睡眠不足だったので、ソファーで寝てしまった。

とにかく母は今度は自分の思っていることをきちんと父に伝える気らしい。
そういう勇気が出て来たとも言っていたけど、どうなることやら。

 

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母の家出 5日目

2014-01-14 12:01:58 | 日記

朝、次女を送り出し、8時前には家を出、出先からカウンセリングの予約を入れる。
そしたら、幸いにも1時に予約がとれ、場所がわかりにくいので、途中まで迎えに来てくれるとのこと。ありがたい。

行ってみたら、本当にわかりにくい場所で自力では到底来られなかった。
住宅街の一軒家で、ひっそりとしている。
ビルの1室とかを想像していたので、そうか、こういう機関ってこんな風にひっそりと
存在してるものなのかもしれないと。何だか小川洋子の世界を思い出す。

カウンセリングは、初回は90分、3500円。
本来は一人で受けるものらしいけど、母が私と一緒がいいと言うと、
それで安心して話せるのなら…ということで私も同席。

最初、簡単なアンケートを記入。

カウンセラーの方は、化粧っ気のない普通のおばちゃんといった感じ。
(私のイメージだと、学校に読み聞かせに来てくれるお母さんかな)
聞いている間も、深刻にならず、明るい感じで、とても話しやすく。
付き添いであるはずの私もかなりしゃべってしまった。

母とは事前に特に打合せもせず、母が話したいことから話してもらって、
私は補足説明をしたり、私自身の気持ちもお話しできればと思っていたが
だいたいそんな感じで、進んで行った。

とにかく今回のきっかけになった出来事から話す。
時々、もう少しそこは…と思う所もあったけど、途中で話を遮るよりいいかと思い、
私は話が途切れたところで、話すようにする。

昨夜読んだモラルハラスメントに関する記述は、あまりにも父親と同じで、びっくりしたことも伝えておいた。
モラルハラスメントについては、母には何も言っていなかったので、ピンと来なかったかもしれないけど。
そのホームページを読ませる事も考えたけど、時期的にどうなのか…と思い、そのままに。
今思えば、読ませた方がよかったのか。

そして、例の手紙を見せたところ、まさにモラルハラスメントの典型だと言われた。
私が読んでも、モラハラの特徴をよく表していると思う。

ホテルで一人で考えなさい…というのも一種の罰ではないかと。
だから、私の家に来ることは許されなかった。それでは、罰にならないから。

鍵を置いて行け…というのも、二度と帰って来るな…というよりも
お前はそれだけのことをしたんだ…という罰なのかもしれないと。

私は、はっきり言って縁を切りたいけど、母の気持ちは揺らいでいるし、一度会って話をしたいと言っている。
でも、会わせるにしても、第3者を立てた方がいいと思うと言うと、
親戚とかに中立の立場で話を聞いてくれる人がいないかと言う。
でも、思い当たらない。
きっとうちの父親は誰が来たって、無理だ。

それに、会うにしても、母の気持ちが決まってからでないとダメだと言われた。
確かに、今の状態の母は会わせられない。
揺らいでいる状態だと、相手のペースに巻き込まれてしまう。

それから、いつ来るかわからないので不安だ…と言うと、
私の車をよそに止めて留守を装うのも一つの手だと教えてもらう。
それも考慮に入れておく。

とりあえずこの日は状況報告と少しのアドバイスをもらい、帰る。

すると、夜にファックスが届く。
あの手紙の始めの部分は嘘だった。
モラハラ典型のあの手紙。始めの部分が嘘…って、自分の顔に泥を塗った云々のことを言っているのか。よくわからない。
じゃぁ、他の部分はどうなの?今までの言動は何なの?

そして、母が行く予定だった新年会や、3回忌のことも書いてある。
律儀な母のことだから、気にしているだろうということで、そこから攻めて来たんだろう。

どうしようか、話し合う私達。
とにかく会って話をしたいという母。
でも、今は会わせられないし、二人きりでは絶対ダメだという私達。

結局、何と返事をしていいかわからず、妹に電話。
妹とは毎日メールや電話で、報告したりアドバイスしてもらったり。
(モラハラについて調べたり、相談先を教えてくれたのも妹だった)
母に料理をさせたりした方がいいと言ってくれたのも妹だった。
とにかく、母をゆっくりさせてあげようと思っていた私には目から鱗だった。

すると、妹はオウム返しが一番だと言う。
とにかく「今は帰せない。時間を下さい」それだけでいいと言う。
確かに、あの父親を相手にしてもしょうがない。
下手にこちらがいろいろと返答すれば、相手が何かと言ってくる材料を与えてしまうことになってしまう。
でも、夜も12時を過ぎていたの、とりあえず返事は明日にし、寝ることにする

 

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母の家出 4日目

2014-01-13 12:00:31 | 日記

朝から、父にファックスを送る。
内容は、私が昨日繰り返し言った言葉。
もちろん母の携帯は電源を切ってある。

すると、家の電話にかかってきた。とにかく今日帰らせろと言う。
私は、また同じ事を繰り返す。

帰ってきても、大丈夫だから。
俺が○○のことは一番わかっている。

夫婦の問題に介入するな。
お前が口を出すから、ややこしくなる。
お前が俺たちを別れさせるのか。

時間を下さい。
帰さないとは言ってません。
落ち着いたら、連絡はさせます。

今日、帰らなかったら、覚悟はあるんだろうな。伝えておけ。
伝えておきます。

ところが、その後もだらだらと同じようなことを繰り返し、電話を切らない。

結局一人になるのが怖いんだ。
覚悟をしておけ…なんて、ただの脅し。
絶対何があっても、この人は母親を離さない。

相手が興奮すればするほど、こっちの気持ちが冷めていく。
もういい加減にして欲しい。
結局、切ります、ごめんなさい…と言って、私から電話を切った。

旦那がもしかしたら連れ戻しに来るんじゃないかと言ったけど、
まさかそこまではできないでしょと言っていた私。
でも、もしかして…という思いが頭をよぎる。
とにかく深く考えもせず、この日は、出かける予定もあったので、
気分転換になればと母も一緒に連れ出す。
すると、出先に旦那から電話が入り、うちまでやってきたとのこと。
しかも、旦那すらもお前呼ばわりし、意味不明なことを言ってきたらしい。
とにかくこうなると、私達夫婦は大事な妻との仲を引き裂く完全な敵だ。

とりあえずあわてて車を走らせ、逆方向に向かう。
途中旦那に電話を入れ、大丈夫そうだと言うことで遠回りして帰る。
この日は旦那が家にいることがわかったので、来ないだろうけど、
明日は平日で旦那は家にいない。
もし、また来たら…と思うといたたまれない。

旦那は、最悪の場合、警察を呼んだ方がいいと言うけど、それだけは避けたい。
そうすれば、表沙汰にもなるし、子供を巻き込むことにもなる。

そこで、モラルハラスメントの相談ができる所へ行ってみることにする。
本当は事前に予約をしないといけないのだけれど、今日は祝日。
とにかく明日街まで出て、途中で予約の電話を入れてみることにする。
その前に、モラルハラスメントについてよく知っておこうと思い、
読みかけただったホームページを一気読み。
お陰で、睡眠時間5時間半。
そう言えば、一緒にいる間に、母とはいっぱい話をしたんだけど…。
結局、父親は私達家族が挨拶もろくにできない、しつけの出来ていない一家だと
思っているらしく、それを母にも言ったらしい。
そして、母から出た言葉は、あの子達もだんだん良くなってるし。
うちの子達、何か問題がありましたか?

確かにあんまりしゃべらないけど、あの雰囲気じゃ無理でしょ。
あの人がいたら、萎縮しちゃうでしょ。
声にこそ出さなかったけど、ああそうなんだ…と。
寂しいな…と思った瞬間でした。

 

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母の家出 3日目

2014-01-12 11:59:16 | 日記

荷物を取りに行って、父と話をしてくるという母をバスセンターまで送る。
12時頃、もう着いたかと思って、メールするも返信無し。
しばらくして、ファックスが送られてきた。父の字だ。
ということは、今家にいるっていうこと?
しかも、その内容がとんでもない。
こんな文章を書く人とまともに話なんてできるわけがない。とんでもない。

すると、母から電話があり、今実家に着いたと言う。
まさか、鉢合わせ…と私があたふたしていると、ファックスは自分が送ったと言う。
まったく、心臓に悪い。

とにかく早く荷物をまとめて、家を出て!
今すぐ私も出るから、どこかで落ち合おうということで、あわてて家を出る。
そして、母を家に連れ帰った。

すると、夕方父から母に電話が入り、今日話をするつもりだったから、帰って来いと言う。
あの置き手紙を読んだら、誰だって追い出されたと思うし。
話し合いなんてできるなんて、思わない。

手紙の内容はというと、まずは自分が被害者だということ。
人として大事なことは…という一般論を織り交ぜ、
そして、ホテルで考えろ、鍵は置いていけ…と書いてある。

しかも、一番危ないと思ったのは、
自分(父親)の良いところ、結婚して良かったところを数え上げ、それをずっと考え続けろ…というのだ。
正直、とうとう狂ったかと思った。
どういう思考回路があったら、こういうことを思いつくのか。
一体、その自信はどこから来るのか。

母もさすがにこの手紙を読んで、怖くなったらしく、あわてて荷物をまとめて出て来た。

ところが、夕方に父から母に電話があり、今日は話をするつもりだったから、今から帰って来いと言い出した。
結局、父の言いなりになる母。
私は、今帰ったらダメ、絶対帰さないと説得する。
あんな意味不明な手紙を書く人の元へ戻したら、どうなるかわからない。
でも、このままほっておくわけにもいかないので、私が電話をする。

子供の頃から、ほとんど会話もなく、父親に話しかけられると緊張した。
自分から話しかけるなんていうことは皆無だった。
でも、ここは私が出るしかない。

「今のお母さんの精神状態じゃ帰せません。時間を下さい。
落ち着いたら、お母さんから必ず連絡を入れさせます。お願いします」「いや、今日帰って来い」
同じようなやりとりを何回繰り返したか。
とにかく被害者気取りの父。
「お互い様です。夫婦なんてそんなもんです」聞かないのはわかってるけど…。
結局、らちがあかないので、「切ります。すみません」と言って、電話を切る。
気持ちを落ち着かせようと湯飲みを手に取ると、手が震える。
すると、突然携帯でしゃべり出す母。
えっ、出たの?なんで?「明日、帰ります」どうして!
「だめ、絶対ダメ。帰さない」
父親とは話しても無駄なので、ファックスを送ろうとペンを手にとると、まだ手が震えてる。
その内、次女が帰ってきたので、ファックスは後で送ることに。
(今思えば、この時送らなくてよかった)

後で旦那に言われたけど、電話で話してる時に私が泣き出すと思ったらしい。
元々涙もろい私だが、子供の頃、父にちょっと注意されただけでもすぐ涙ぐんでいた。
ところが、父親と話しながら、あれ?私泣いてない…と不思議な気持ちだった。
けっこう頭の中は冷静だった。
「もう心が離れちゃってるからだよ」私は旦那に言った。

子供の頃は、父親のことは怖かったけど、嫌いじゃなかった。
父親なんてこんなもんだと思っていた。嫌な思い出ばかりでもなかった。
でも、ここ数年、症状が悪化していった。ただの頑固親父とは明らかに違う。
その内、怖いという気持ちは薄らいで、嫌いという気持ちがどんどん増幅していった。
一緒にいることが苦痛になる。家族も嫌な思いをする。
だから、里帰りする時もあらかじめ予定を入れて、一緒に行動しないようにした。
私はもちろん、家族に嫌な思いをさせたくなかったから。
そして、年末の事件で、来る所まで来た。
どうでもいい。好きでも嫌いでもない。どうでもいい。
そして、とどめの手紙。
読んだ途端、空恐ろしいと思った。狂ってると思った。
何が何でも母と会わせられないと思った。

 

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