前回に続き、”尊び合う関係”を、子どもさんとの間で育んでおられる、Mさんを紹介します。
Mさんは、小学校1年生のAちゃんと、3歳のBちゃんという、二人の女の子のお母さんです。
Mさんがお忙しい毎日を過ごされているということもあり、お姉ちゃんのAちゃんは、
普段から、家事のお手伝いや、妹さんのお世話などをして、お母さんをよく助ける娘さんです。
そんな Mさんに、ある日、こんなことをお伝えしました。
『 Aちゃんを、お姉ちゃんとして誉め過ぎなところがあるよ。
誉め過ぎると、真面目な Aちゃんは、そうしなくちゃならないような気持ちになるから。』
すると Mさんは言われました。
「A へありがとうを伝える事、確かに、おねぇちゃんだから…というのはおかしいですね。
普段、何の気なしに使う言葉ですが、今後は気をつけていきたいと思います。」
そして、日頃の生活を振り返られて、改めて次のようなことに気付かれました。
「そういえば、A は甘え足りない所があるみたいです…
時々、A はブーブーと不機嫌になり、些細な事も絶対に譲らない時があります。
尋ねると、普段、いっぱいいっぱい我慢している…と言うのです。
主に B に対して、譲る我慢らしいです。
それも、もしかしたら無意識に、おねぇちゃんとして見ている部分が
あるかもしれないので、気をつけたいと思います。」
私はお聞きして、本当によい親子関係だなと感じました。
いつも良い子でいがちなAちゃんが、いっぱいになった時には、在りのままをお母さんにぶつけています。
そして、お母さんはちゃんと気持ちを尋ね、その問いに Aちゃんは本音を言えています。
これは、Aちゃんの心に、お母さんは自分を愛してくれているという信頼が培われている証です。
『あなたの大切な子どもは、あなたに弱音を吐くだろうか?
生きていたら、誰でも感じる、嫌だとか辛いとかいう感情を、素直に伝えているだろうか?
それは親と子の間に、どれだけの信頼関係が築けているかという、一つの指標になる。』
『そうやって Aちゃんが辛い気持ちを表現した時や、我慢しているなと思った時には、
しっかりと抱きしめてあげて、気付かなかったことがあったら謝ればいいよ~』
と伝えると、Mさんは、次のような実感を伝えてくれました。
「我慢してるんだろうなと思った時、後でありがとう!と抱きしめるのってとっても素敵ですね。
抱きしめる事、まだまだ足りないと感じました。増やしていきたいと思います。」
Mさんは、とても純粋な心の持ち主です。
そしてその純粋な心が、豊かな愛を育み続けています。
*ここに紹介させて頂いている個人的な内容は、ご本人に了解を得て掲載しています。