今回は『自分と上手に付き合える人』へと育みましょうという提案をお伝えします。
それにはもちろん誕生した場所で、どんな環境を与えられ、どんな関係を持ってもらったかが大きく影響します。
これは環境の中で『自分の欲求』と折り合いを付けられるようになるということでもあります。
人間の中には、色々な思いや考えそして欲求が起こってきます。
それらは自発的力や夢見る力からも起こり、具体的な人生を創造していくパーツともなります。
それは好きだ/嫌いだ、〇〇したい/〇〇したくない、もっとやりたいとか、面倒だとか種々様々です。
そしてその気持や欲求の度合いや表現方法も、その子や状況によって様々です。
それらを上手に受け入れながら、不足感をためることなく、上手に折り合いを付けられるようになると、
見つけていく夢や希望に対して、自分の様々な能力を楽しむように活かしていけるようになります。
そのために、生育者の立場の人が心掛けたらよいことは何でしょうか。
『自分を知る機会を多く与えてあげること。
そして子どもが幼いほど、一緒にその機会を味わうように心に寄り添いながら、色々な話をすること。』
人生とは、大小様々な経験の繰り返しです。
その幾つもの経験を経ながら、子どもは、その時々の気持ちや欲求と折り合いが付けられるようになっていきます。
その経験途上でとても大切なのは、自分に向き合うことを教えてくれながら必要な積み重ねをさせてくれる生育者の存在です。
『子どもの心に寄り添い見守っていると、子どもが感じていることや、満足や不足の度合いもよく分かってくる。
そしてその子が持つエネルギー量も、特別に興味を感じる対象も、力の注ぎ方もよく分かってくる。
楽しかったとか、辛かったとか、大変だったとか、素直な気持ちを表現し受け止めてもらえるからこそ、
子どもは自分を知ることができ認めることができるようになる。
子どもが様々な対象と上手に付き合っていけるよう、子どものありのままを受け入れながら、
先ずはあなたが子どもとのよりよい関係を求めて欲しい。 』
時々、生育されてきた環境の諸事情で、成長に必要な対象との経験が不足•欠如している人にお会いすることがあります。
幼い子どもは、親の対応を通して経験を自分のものにしていきますから、
その人は見守り育んでくれる愛に恵まれなかったということになります。
そのような人たちの多くは、肉体的な年齢だけは大人でも、内的なものはとても未熟です。
不足感も大きいですから、二元性の世界で大きく波打つ感情や欲求に翻弄され、自分で制御しにくい場合も多いです。
激しい怒り、激しい喜び、激しい執着心、激しい性欲、激しい購買欲、激しい不安……
それらが何か次の世紀を開くような発見や芸術作品を生み出すこともあるでしょうが、
多くの場合、他者や社会や集団と、建設的で継続的な関係を持つのは難しいです。
子どもは転生を繰り返している魂ですから、親や生育者の関わりだけで決まるものではないでしょう。
でもこの一対一の鏡の世界においては、親にとっての子どもは、親の何かを写して見せている対象であることは確かです。
子どもが自分と良い関係を持ち、人生と良い関係を持つことを、親であるあなたの人生の大切な幸せの一つとして頂けたらと思います。
*以前掲載の参考ブログ*
<2012-07-27> 色々な自分(感情)と折り合いをつける