6/17と18は九州へ。宿泊は熊本県の田の原温泉。
場所は近年とみに有名になった黒川温泉の近く。
昔からのひなびた温泉とのこと、ここまでは息子情報。
はるばると行って見たら、山の中の純農村地帯に数軒の宿。
贅沢な施設ではありませんが、宿泊費は安く、インバウンド客も(それが悪い訳ではありませんが)皆無。
そして何よりも、夏休み、田舎のおばあちゃんの家に帰省したような心のほぐれる懐かしい眺め。
車で行けば簡単ですが、博多から高速バスが一日3便。日田経由して後は地道。
杖立温泉、田の原温泉、黒川温泉経由で終点は瀬の本。こちらは九重連峰の登山基地。何度か行ったことがありますが、バスでも行けるようです。
前回の記事は6/19.その前と続きです。
昼前博多着。私は14日に不調になりまだ十分回復していないので、駅ビルで夫が博多ラーメン食べるのを外で待っています。

駅ビルの9階、10階がレストラン街。植え込みに木などが多数植わっています。
座るところもたくさん。
来春完成の広島駅ビルもこんな感じだったらいいなあと・・・

ビルの中の小径。天窓から光も入って来るらしい。
このあと一時間くらい、夫は駅ビルに中を徘徊していたらしいですが、私は隣接するバスターミナルの出発ホーム前で椅子に座り、ひたすら体力回復に努める。
朝は自宅でおかゆ。昼は駅ビルで簡単に。
2時間半のバス旅で、田の原温泉に着きました。バス停はバイパス田の原。

男はつらいよのロケ地と直前に知りました。
宿は4軒のようです。嬉しいことにはバス停近くにコンビニもあり、他に何の店もないので心強いです。素泊まりでもとりあえず食べ物は調達できそうです。
温泉に入って、18時から部屋で食事をいただきます。

手の込んだ贅沢な料理ではありませんが、不思議とおいしかった。
原材料が新鮮なのと、水がいいのかもしれません。宿は農家でもあるらしく、ご飯は自家製米とのことでした。
ビールはサービスでした。ありがたや。

山菜の天ぷら、サツキ、ハナイカダ、オオバコ、マイタケ。
毒がないなら、新芽の頃は何を揚げてもおかずになる。
機織り工房へ、昔、ヨモギやクローバーを揚げて持って言ったら、先生に「**さん、いくらでも貯金ができるでしょう」と笑われた。
マイタケはあるいは買ったと思いますが、他は宿の敷地=森の中で調達?
でもからりと揚がっておいしかった。

鮎より一回り大きな山女?とか言う説明でした。
食べ応えがありました。
食事の後は談話室で一人で本を読みました。

これが面白かった。柳川市の有志で発行する文芸誌。
小説、詩、短歌と特化するのではなくて総合文芸誌。地方文化の発信媒体として頑張っておられると思いました。
えらそげで申し訳ありませんが、作品は初心のすがすがしさ、ひたむきさがよく出ているのが多かった。紙に印刷して残す。このやり方が人にものを伝えるのに、結局は確実かもしれませんね。簡単に出来たものは簡単に消費されていく。

同人募集。
誰も知った人のいない土地の同人雑誌に参加してみようかなと一瞬心が動いたけど、合評会とか親睦行事が多そうで断念。
観月川下り・・・どんなんでしょう。なんか風流そう。
この雑誌はどうも宿泊したお客さんが置いて行ったらしい。他に私家版(自費出版)の歌集もありました。
面白かったです。

談話室のお地蔵さま。
10時過ぎのバスまで時間があるので、宿の内外を歩きます。

紫式部?秋に向かって蕾の準備。

藪の中の寒葵。

紫露草。赤花?

蛍袋。
ちなみにこの温泉街は蛍も見られるらしいです。宿泊した夜はあいにくの雨で残念でした。

バイパスに出て見ました。あの先にバス停があります。
この付近は温泉があちこちにあるようです。

マタタビ。漢字だとこうでしょうか。瞬火?
高い枝に絡みつくことが多いけど、目の前にありました。

バス停横の案内板。宿は4軒のようです。

大朗館が映画撮影した宿のようです。こちら裏手のようで行き止まり。引き返します。

大朗館の玄関。

自販機。

宿の前の流れ。

違う道からバイパスに戻ります。
草の向こうの建物が大朗館です。赤い屋根はお寺。
腰の痛い夫は遅れ気味。振り返ると「後ろから見たら(私の)歩き方がおかしい」と言われます。年寄り二人、いたわり合う心がなくてけなし合い。
夫は薄い色の服が好きです。演歌歌手(それが悪い訳ではありませんが)みたいな白いジャケットを着ています。
私は顔がすすけて見えるので、真っ白は着ません。

帰りのバス停は向かい側。いよいよ田の原温泉ともお別れです。
最新式のきれいで贅沢な温泉ではありませんが、忘れていたいろいろなことを思い出すような非日常の体験でした。
人生の残り時間か短いので、同じところは行きたくないけど、どこかにこんな桃源郷のような場所はないでしょうか。
このところ忙しくしていた私はすっかり癒されて帰ってきました。少し善人になったかも。

映画のDVDを取り寄せて見てみました。宿はたてかえたようですが宿の前の橋も昔のまま、周りの眺めも50年近く経つけどほとんど変わっていないように見えました。
この後畑仕事をしていた老婦人としばし話をしたのでした。