清水寺の大西良慶和上は、
よくこんな話をされたそ
うです。
草履屋さんと笠屋さんに
嫁いだ娘を二人持つ母親
がいた。
この母親は、雨が降ると
いつも草履屋さんに嫁い
だ娘のことを思って、
「雨で草履屋の商売はあ
がったりやなぁ」と嘆き、
天気になったらなったで
傘屋さんに嫁がせた娘の
ことを思って、
「こんなに天気が続いて
は傘屋の商売はあかんな
あ」と悲しんだそうです。
これを聞いた人が
「お母さん、それはあんた
の心の置き違えどっせ。
晴れたら、草履屋さんのお
商売を喜んであげたらよろ
し、雨になったら、傘屋さ
んのお商売を喜ばはったら
ええのと違いますか」と
言ったと。
同じことでも、ちょっとし
た心の置きどころによって、
気持ちが180度違ってき
ます。
何ごとも悪く考えたり、悪い
面ばかり見るのではなく、
良く考えたり、良い面を見る
ようにすることによって、
毎日の生活が楽しく積極的に
なってきます。子どもや部下
などに対するときも同じで、
良い面だけを見たいものです。