佐久市 ヤナギダ 趣味の店

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“夢の途中”

2024-09-26 11:54:51 | 日記

男と女がいて恋があり、別れが
ある時、そういうきれいごとで
すむわけがないと、ずっと思っ
ていた。

どこかでドロドロした部分は、
必ずあるし、やさしく見送ある
なんて嘘っぱちだと・・・・。

まわりでも恋のゴタゴタは多い
し、そのつど、電話などで相談
されたり、グチを言われたり、

泣きつかれたり、こちらも自分
の問題で精いっぱいなのに困っ
たもんだと思っていた。

特に、女のタチの悪いのは、時
としてまわりが見えなくなるこ
とだ。熱愛関係に入ると、彼と
自分の世界しか見えない。

それはそうさせる男も悪い、た
ぶん。

そういう男女関係に、ふつふつ
といや気がさしている私がいた。

私の幼ななじみの女友達が、恋
の深みにはまった。自分のこと
をタナに上げて、人のことを言
うのはいけない思ったし、

その子に忠告できるほど、こち
らが立派な恋をしているわけで

はないから、静観していた。

けれど、彼女の変わりようは
激しかった。昨日までの幼女、
あるいは処女が一夜にして、
豹変したような生臭さがあっ
た。

私にも恋人はいて、それなりに
すったもんだしていたが、私の
彼でさえ、こちらの恋の問題を
さし置いても、彼女の変貌ぶり
を心配した。

実は、私が、私の彼に異変を感
じ始めたのも、ほぼ同時期だっ
た。お互い、なんとなくしっく
りいかないな、と思っていた。

彼は正直に告げた。新たに好き
な子ができたと。不思議なくら
い私は驚かなかった。

かえって、彼には失礼ではない
かと思うくらいだった。
・・・さるものは追わず・・

勘がいいのか、恋をしそうな予
感、ダメになりそうな予感、必
ず当たるのだった。

晴天の霹靂とか、劇的な展開と
いうのに緑がない。

「物わかりがよすぎる、君はも
っと、わがままになってもいい
のに」と、彼に言われたことも
あった。

「すまないと思っている。俺の
勝手で」彼は、いつも待ち合わ
せに使っていた喫茶店で、潔く
あやまって、別れを告げた。

午後の日差しに、外は穏やかで、
カップルも楽しげに往き来する。
それでも、みんなそれぞれ恋し

ている限り、なんらかの問題を
かかえているのだろうと思うと、
ふと、やりきれなくなった。

・・・悲しいのはお前だけじゃ
    ない・・・

しかし、恋の終わり際に、想い
を相手にぶつけ、かまわずよよ
と泣き崩れるような女でないの
は、いいことなのかどうか、わ
からなかった。

ただ、私は私と思うしかない。
本当は、結構ドロドロした部分
だって引きずっているはずなの
に・・・・。

その直後、友達の彼氏が結婚
詐欺まがいの男だったという
話を、別の友人から聞いた。


が、なぜかほっとした。そこ
から彼女の道もまた始まるのだ
ろうし、恋も夢もまだみんな
模索中なのだから。 

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