佐久市 ヤナギダ 趣味の店

長野県佐久市野沢93番地
ヤナギダ☎0267-62-0220

数多(あまた)なる窓を集結せるビルの互(かた)みに背(そ)むき立ちてゐたりき 

2024-09-13 12:06:24 | 日記

結婚を別にして、人間は、男と女の 
関係が始まったらあとは別れがある 
だけだ。これは体験的要素。 

問題は、別れがはやい時期におとず 
れるか、あるいは少しでも先にひき 
のばせるかだけ。 

恋の初期があれだけ甘美でめくるめ 
くような興奮で満たされるのは、つ 
ねにどこかに、いつかこの恋で終わ 
ることを恐れる気持ちがかならずか 
くされているからである。 

あなたは、『空虚』と『傷心』と、ど 
ちらをとる?」 

私は、「なにがなんでも 
『傷心』に決まっている」と飛びつけ 
ないのだ。 

若いときの傷のなおりははやい。傷口 
はすぐにふさがり、傷あとさえ残らない。 
肉体的にもそうだ。ヤケドなどしても、 
二~三日で消えてしまう。 

ところが年をかさねるにつれて、傷は 
なおりにくくなり、傷あともなかなか 
消えない。へたをすると、傷口は永久 
に残ってしまうこともある。 

しかし冷静になって考えると、男と女 
の関係、いいではないか。別れもまた 
いいではないか。大事なのはどのよう 
な別れをするか、その別れの質なのだ 
から。 

せめて、いい別れ方のできる恋愛であ 
るよう、と心をくだくべきであって、 
ティーンエイジャーのように尻込みす 
るときではない。 

いまは初秋である。庭を吹く風に透明度 
がくわわり、ひんやりと冷たい。 
それにしても妙にさびしいものだ。 

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