牧場の日記~競走馬生産者の日々~

競走馬の生産牧場の現状と考察

流産その後

2008年12月22日 | 繁殖学
流産の原因はERVではなかった。

とりあえずほっと一息だが、痛手には変わりない。

考えてみれば、うちのように馬の出入りのない牧場でERVが出る要因が見当たらない。

ERVのウイルスが空から降ってくるなら、感染することもあるけれど、うちは、他の牧場に出入りしたりしないし、他から来ることもほとんどない。

人が出入りしないのはいいような悪いようなどっちともいえないけれど、とにかく、最近のうちの牧場ではERVのウイルスが入ってくる要因はなかった。

今回の流産ではいろいろと勉強になった。

流産が始まっても、胎児が残ったまま、出てこないことがある。

無理やり引っ張って出すと、生殖器に傷ができるかもしれない。

今回の流産は胎盤がもうはがれていて、コッコを取り出すと同時に胎盤も出てきた。

胎盤がはがれて胎児が死んだのか、胎児が死んで胎盤がはがれたのかどっちが先か、わからないけれど。

その後、繁殖は少し熱が出て、熱さましと抗生物質の注射を打った。

一日で熱は下がり、全く何事もなかったかのように、馬は元気である。

後は、無理やり引っ張り出した影響が、どの程度なものなのかは、来シーズン、種付けして、どうなのかわかると思う。

お産する思いをすればどうってことのないことなのかもしれない。