“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

JR北海道の事故と無責任な対応

2013年10月13日 10時53分05秒 | 臼蔵の呟き

JR北海道の国土交通省による監査が終了しましたが、依然として事故が続いています。政府、政党による調査などが進行し、今まで表面化していなかった実態が少しずつあきらかになりつつあります。

一番大きな問題は、国鉄の民営化による問題です。そのことがあらゆる直接的な事故要因となっています。事故・故障が多発する要因は、人員問題、車輌の問題、設備・環境の問題といわれています。

第一に、JR北海道の人員がどうなっているかです。1987年国鉄民営化時点で13000人在籍していました。その職員数が、2012年時点で、7000人に削減されました。その理由は、JR北海道の経営が赤字であることを最大の理由としています。その結果、保線管理室(レールの点検、補修、維持管理)は札幌圏内で白石、手稲が札幌保線区に統合され当初いた職員数80人が29人に削減されました。この人員数だけを見ても鉄道の安全対策がいかに軽視され、困難な状況に追い込まれているかはあきらかです。しかも、JR北海道は赤字を削減しようとして出向、外部委託、経費節減、列車の高速化、検査期間、頻度の遅延化を行いました。事故、故障が頻発してもその事故原因、分析が人員不足で対応ができない実態になっています。

第二は、車輌の問題です。電車、ジーゼルのエンジンが25種類もあり、複雑すぎて保守管理ができないくらい困難となっているようです。特に、技術分野での新人育成が困難であり、このような専門的な技術の教育、新人育成ができない事態に直面しています。ところが、経営陣が列車の高速化で、乗客数を増やそうとして、今まで時速110キロの速度を130キロに引き上げました。ところがその高速化に対応する具体的な対策をなんら実行しないで速度を上げたために、エンジンなどがその高速化に対応できなくなっていると指摘されています。その故障、事故が火災、ブレーキが効かないなどを引き起こしていると見られています。

第三は、設備・環境問題です。電車の部品が落下する。部品などが針金(信じられないことですが)で縛ってある事例も明らかにされています。レールの上を走っているのに、車輌に泥がつくなど鉄道設備としては致命的な設備の破損、劣化が対応されずに現在に至っていることもわかってきました。また、車輌の検査期間、検査キロ数などは国鉄時代の期間から1.33倍に延ばされ、走行距離数も2倍から1.5倍に伸ばされました。これでどうやって、車輌の保守点検ができるのかというほどの安全管理の後退が起きています。

第四に、経営陣の能力、経営姿勢です。赤字を削減し、黒字化するために、鉄道事業への投資、人員投下を行わず、不動産事業、鉄道以外の事業に本部要員を振り向けたために、鉄道事業の安全管理、設備面での保守管理が異常に遅れたと言われています。鉄道事業者でありながら、鉄道事業への投資を軽視てきた付け、事故故障になっているのだと思います。また、経営陣は労務管理の環境を改善しないために、職場の中は本当のことをいえない、現場の問題を本部が把握できない状況に陥っています。労働組合分裂、敵視体質をそのまま継続しています。

このような実態を改善しないで、故障・事故の削減などは出来るはずもありません。JR北海道がもつ経営上の赤字体質に対して国としての方針、対応策を持つことが最大です。その上で、JR北海道の経営陣の体制見直し、鉄道の安全管理業務の基準点検と指導が必要です。また、監査、勧告であとはJR北海道まかせをやめ、点検、指導を国が責任を持って行うことが必要です。


東京電力と自民党政権の無責任な対応

2013年10月13日 09時06分01秒 | 臼蔵の呟き

札幌はとても寒い朝です。雪虫も飛び始め、雪が降る季節になっています。

東京電力が風評被害の賠償を突然打ち切ることを通告しました。本当に大企業、電力会社の横暴は許すことに出来ない姿勢です。

そもそも原発事故を引き起こした側が、その事故による被害、風評被害の全面的な賠償に応じるのは当然のことです。事故による被害がなくなるかどうかは期間ではなく、事態に応じた調査と調査結果に応じた判断が必要なことは当然のことです。しかし、その判断、打ち切りが事故を発生した当事者である東京電力が行うことに道理も、正当性もありません。東京電力はそもそも経営的に破綻(極度の資金不足)しており、その東京電力にすべての対応を任せる政府、経済産業省などの政治姿勢に問題があります。

風評被害で苦しむ、事業者の実態調査を政府が行い、その実態に基づき、今後の対応を政府として立案する。その対応策を国会で審議し、法案として決める。その法律に基づいて対応を行う。そのような国、行政としての対応が必要です。原子力発電所を国策として推進し、過疎地域に立地させたのは自民党政権そのものです。その責任を最後まで果たすことは当然です。

<賠償打ち切り>

東京電力福島第1原発事故に伴う風評被害の賠償を、東電が打ち切り始めている。東電は「全都道府県が対象」といい、茨城・栃木両県で十数社の個人事業主が既に打ち切られた。東電からの通知文書は、事故後2年が過ぎ新規事業などもできるはずで、今春以降の損害は「因果関係がない」と説明。業者側は「突然で、廃業に追い込まれる」「一方的に判断し通知するのは問題」と反発している。

 ◇東電「期間過ぎた」

 打ち切りにあったのは少なくとも茨城県の食品加工業者など11社、栃木県の製麺業者など2社で、いずれも個人事業主。今年の「3〜5月分」や「6〜8月分」の賠償を請求したところ、8〜9月に賠償打ち切りの文書が郵送された。

 文書で東電は、事故から「相当の期間」が過ぎたので、新規取引先の開拓や代替事業への転換などが「通常は可能と考えられる」と指摘。今春以降の売り上げ減などは「事故と因果関係のある損害とは認められない」として賠償を拒んでいる。

 栃木県日光市で製麺業を営む男性(60)は「前触れも事前の説明もなく、封筒を送りつけられた」と憤る。風評被害にあえぐ近隣観光地の土産物店や飲食店が主な取引先で、事故後売り上げは半減し「賠償がなければ苦しい」。県外の食品見本市などに出店し取引先の開拓に努めたが、業績は好転していない。

 茨城県内の食品加工業者も「事前通知はなかった。原材料費などを賠償金で支払う予定だったので、資金繰りが行き詰まる」と訴える。県内同業者は売り上げが月平均3〜5割減り、年数千万円減った業者もいるという。

 風評被害の賠償の終期について国の原子力損害賠償紛争審査会の中間指針は、取引価格や商品の特性などを考慮し個別に合理的に判定する、と定める。東電本社広報は取材に、指針が打ち切りの根拠と認め「事故前後の売り上げの比較など個別の事情を確認し、面談や電話で事前に『支払えない』と伝え、文書を送っている」と回答。業者とは食い違うが「個別の事案はお答えできない」と話した。賠償を受けていた全国の「観光業者、農業関係、水産加工業者など」が打ち切り対象としつつ、文書の送付数や開始時期などは明らかにしなかった。

 茨城県の業者の相談を受けた社民党県連の玉造順一幹事長は「文書は個人事業主にのみ送られているようだ。事故を起こした側が打ち切りを一方的に判断する仕組みも問題だ」と批判する。