自民党が原子力産業からの意向を受けて、あくまでも原子力発電所、原子力エネルギーにしがみつき位置づけようとしていることがあきらかになっています。この彼らの意図、主張は必ず、多くの日本国民の反対、批判にさらされることは間違いありません。彼らは電力会社、重電メーカー、ゼネコン、鉄鋼メーカー、巨大金融資本からの意向、利益源としての原子力発電事業の存続要請に応えているに過ぎません。その見返りに政治資金、選挙支援を受けたい。それが彼らの思惑です。放射能汚染で苦るしむ福島県民、東北地方の避難者の苦しみなどは理解も出来ません。理解する気持ちないというのが本音ではないかと思います。
原子力発電所がなぜ、存続できないのか。そのことを政治経済的な見地、科学的な立場から考えれば当然のことです。自らの先輩、仲間内であった元首相小泉氏でさえも原発はゼロにすべきであると主張しています。理由は、核廃棄物の最終処分場が政治的、科学的に確保することができないからと講演で述べています。同時に、日本以外の国でもドイツ、イタリアなどが原発エネルギーに頼らない社会、エネルギー政策に転換しようとしています。
原子力エネルギー、原子力発電が存続できない理由は、稼動による莫大な使用済み核燃料の処理方法がないことです。最終処分場が決まっている国家は、ほとんどないくらい困難なことです。誰であっても、どの国の国民であっても高レベル放射性物質を何万年も保管するような廃棄物の最終処分場に賛成できる人はいないと思います。もし、了解したとすれば、自らが故郷を捨てることであり、居住地を変更することを意味するからです。
放射能被害、汚染によるあらゆる被害は、人類の科学技術、医療技術では防御、カバーできるレベルにはありません。低レベルであれば、大丈夫と原子力ムラの学者など(長崎県山下などが福島県で講演で語りました)がいますが、低レベル被害の実態は、調査もされていませんし、検証できていないのが実情です。しかも、事故による放射性物質による放射能汚染が一旦起きれば、高レベル放射能汚染地域には住むことができません。その期間もとてつもなく長期であり、実質的には居住不可能な地域を作り出すことになります。チェルノブイリ、福島第一原発事故がそのことを証明しました。
原子力エネルギーが、経済発展には欠かせないと自民党、経団連などは主張しています。しかし、実態は日本における11、12、13年度は稼動ゼロ状態が続いても停電などは起きませんでした。また、そのことによる企業活動、各家庭での障害は報告されていません。自民党、経団連などによる主張、宣伝は国民を欺き、恫喝するための言いがかりにしかなりません。そもそも、彼らの多くは国内での設備投資をほとんど行っていません。各家庭では節電を生活に取り入れ、再生可能エネルギー投資、設備などを自らが行うレベルに到達しています。
安倍、自民党政権、沖縄を除く電力会社、原子力産業は、ガラパゴス化しています。彼らの存在自身が、日本の未来を暗くし、政治経済の発展と転換にとって桎梏となっています。
<自民党の本音:原発依存>
政府・自民党は23日、中長期の原子力政策として、既存の原発の敷地内で旧炉を新しい炉に更新する「リプレース(建て替え)」を打ち出す検討を始めた。年内にまとめる政府のエネルギー基本計画に明記する方向で調整する。安倍政権は規制基準をクリアした原発の再稼働を進める構えで、将来も一定の原発比率を保つ方針を明確にする狙い。しかし東京電力福島第1原発事故の収束が難航するなか、原発依存の継続と受け取れる表現には強い反発が見込まれ、調整の難航は必至だ。
基本計画では、原発を含めたエネルギー構成の「ベストミックス」に言及し、原発を重要・基幹電源と改めて位置づける案も浮上している。一方、既存の国内原発の敷地内で炉を増やす「増設」の表現も検討するが、実現の可能性が乏しいため慎重論は強い。全く別の立地で行う「新規建設」は、「事故以降、住民の理解が得られる見通しがない」(自民党幹部)として記述を避ける方向だ。
安倍晋三首相は今後の原子力比率を引き下げるとしつつ、原発再稼働は「世界で最も厳しい安全基準で判断する」としている。
だが国内で多くの原発が停止する中、原発の寿命を40年とした場合、更新や新増設をしなければ、停止中の原発を含めて2049年には原発がゼロになる計算だ。このため政府・自民党内には、原発の新規立地よりも従来の原発立地を活用する方針を基本計画で示し、「安全性・発電容量で勝る炉に建て替える」と訴えれば世論の批判をかわせる、との見方が出ている。それでも国民の原発不信を考慮し、将来の原発比率は明示しない。
政府・自民党や財界では安倍政権の成長戦略も踏まえ、「日本経済の維持には一定の原発が必要だ」との意見が強い。同党の原発推進派でつくる電力安定供給推進議連(会長・細田博之幹事長代行)は、エネルギー基本計画への提言を12月初旬に提出する方針。議連幹部は「リプレースや新増設は考えないといけない」と述べ、計画策定を担う経済産業省・資源エネルギー庁を後押しした。
ただ原発の維持にあたっては放射性廃棄物の最終処分場がないなどの課題も解消されていない。このため安倍首相は今後の原発再稼働の見通しや、世論の動向も見ながら方向性を最終判断する考えだ。